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町村外務大臣演説
第161回国会 衆議院外務委員会/参議院外交防衛委員会における町村外務大臣の挨拶
2004年10月27日
今般、外務大臣を拝命いたしました ![]() (我が国外交の基本方針) 世界の平和と繁栄なくして我が国の安全と発展はありません。しかしながら、国際社会は依然として国際テロと大量破壊兵器の拡散といった新しい脅威を含む種々の問題に晒されております。我が国は、日米同盟と国際協調を外交の基本としつつ、ODAの積極的活用及び自衛隊の活動を始めとする人的貢献を通じ、グローバルパワーとして相応しい積極的な外交を展開し、我が国の国益、即ち我が国及び国民の安全と繁栄の確保に向けて最善を尽くしてまいる所存です。 (日米関係) 私は、先般、外務大臣就任後最初に米国を訪問いたしました。日米同盟は我が国及びアジア太平洋地域の平和と安定の礎であり、強固な日米同盟に裏付けられた日米関係は我が国外交の基軸です。今後とも日米安保体制の信頼性を維持・強化し、国際社会の諸課題への取組に指導力を発揮していく考えです。在日米軍の兵力構成の見直しについては、先の沖縄訪問の成果を十分踏まえつつ、抑止力の確保と沖縄等の地元住民の過重な負担の軽減の観点から米国と協議してまいります。今後とも、普天間飛行場の移設・返還を含め、沖縄に関する特別行動委員会最終報告の早期実施に努めてまいります。 (近隣諸国との関係) アジア太平洋諸国との良好な関係を構築・維持することは、我が国の安全と繁栄に不可欠です。著しい経済成長を遂げている中国の存在は、我が国にとって「機会」であり、より幅広い分野における協力を一層進めることが重要です。我が国としては、「東アジア共同体」の構築へ向け、中国、韓国との関係を一層強化しながら、アジア地域全体として発展していくため、アジア諸国との経済連携強化にも引き続き取り組んでいく考えです。 北朝鮮との関係では、引き続き、未解決である安否不明者の方々の真相究明に全力で取り組んでまいります。また、「対話と圧力」の考えに立ち、六者会合等を通じて関係国と連携しつつ、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイル等の諸問題を包括的に解決し、地域の平和と安定に資する形での日朝国交正常化を目指す考えです。 日露修好百五十周年となる来年初めには、プーチン大統領の訪日が予定されています。政府としては、北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するという一貫した方針に基づき、精力的に交渉に臨む考えです。 (中東政策) イラク復興支援は、国際社会の焦眉の問題であり、イラク自身による国家再建の努力を国際社会が一致して支援していくことが不可欠です。先般我が国が主催したイラク復興支援東京会合の成果を今後の復興支援や選挙を含む政治プロセスに繋げていくことが重要です。我が国は自衛隊による人的貢献と最大五十億ドルのODAによる支援を「車の両輪」として、復興に向け最大限努力しております。我が国の支援は、イラクのみならず国際社会から高い評価を得ております。今後もイラク人による復興努力を全力で支援してまいります。 また、中東地域の平和と安定は、中東和平プロセスの進展なくしては達成し得ません。最近事態の悪化が懸念されておりますが、我が国としては引き続き「ロードマップ」の前進に向け、当事者の和平努力を積極的に支援してまいります。 アフガニスタンについては、大統領選挙の実施等歓迎すべき進展を見せています。我が国は、引き続きアフガニスタン人の国造りのための努力を支援してまいります。また、自衛艦のインド洋派遣を始めとする「テロとの闘い」に対する協力も引き続き行ってまいる所存です。 (国連の機能強化) 国連を通じた国際協調も我が国外交の基本方針の一つです。昨今の様々な課題に国際社会が有効に対処するためには、正統性と信頼性を備え、二十一世紀の国際社会の現実を反映した形で国連、就中国際の平和と安定の維持につき責任を有する安保理を改革し、その機能を強化する必要があります。この改革の中で、我が国が常任理事国となることは、国連の政策決定過程に深くかつ恒常的に関わることによって、我が国の国益を国際社会においてよりよく実現していくことを可能にします。 先の国連総会においては、多くの国が安保理の常任・非常任双方の議席を拡大すべきであると主張し、我が国の常任理事国入りについても支持を表明しました。このような国連改革の機運の高まりを踏まえつつ、我が国としては、常任理事国入りを目指して、積極的な外交努力を継続してまいる決意です。 (豊かな国際社会の実現に向けた取組) 我が国の繁栄の実現には、国際社会の安定的かつ持続的な経済発展が不可欠であることも忘れてはなりません。我が国は、引き続き、多角的自由貿易体制の維持・強化のため、WTOドーハ・ラウンド交渉の妥結のために尽力いたします。同時に、これを補完するものとして、経済連携協定の締結を戦略的に進めてまいります。また、ミレニアム開発目標を始め、アフリカ等における開発課題や平和の構築といった課題への取組において、戦略的・効率的なODAの活用を通じ、我が国の地位に相応しい役割を果たしていく考えです。さらに、人間一人ひとりの保護と能力強化に着目した「人間の安全保障」の理念の実現にも努力してまいる所存です。 (重層的な外交の推進) 我が国の政策や文化、価値観、魅力を発信することを通じて、対日理解を促進し、信頼感の醸成や観光及び投資の誘致に努めることも重要です。文化交流と広報の緊密な連携を図り情報発信手段を充実させ、官民が力を合わせて諸外国の人々に直接訴えかけてまいります。 (外交基盤の整備) 外務省は八月の機構改革により、領事局の新設を含め外交実施体制が一層強化されました。引き続き、領事サービスの向上、海外の日本人の安全確保、日本企業への支援、在外公館の警備強化等に万全を期してまいります。 これらの我が国の外交政策を能動的・戦略的に展開するに際しては、迅速かつ広汎な対外情報の収集に基づく洞察に富んだ分析が不可欠であり、対外情報収集・分析の能力と体制の強化にも努めたいと考えています。 本国会では、九月に小泉総理がフォックス大統領との間で署名した日メキシコ経済連携協定について御審議頂く予定ですので、赤松委員長/林委員長を始め本委員会の委員の皆様の御支援と御協力をお願い申し上げます。 外務省としては、以上申し述べた外交政策を積極的に推進するため、ODA予算を含む適切な予算の確保に努めると共に、その適正な執行を徹底し、国民の理解と支持を得つつ、国益に立脚した志の高い外交を展開していくとの決意を申し上げて私の挨拶を終わらせて頂きます。 |
町村外務大臣演説 / 平成16年 / 目次 |
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