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演説
川口外務大臣演説

アフリカ諸国外相との昼食会における川口大臣挨拶


平成16年9月24日


ジャン・ピン国連総会議長、
御列席の皆様、

 本日、アフリカ諸国の同僚をお迎えして、この昼食会を開催することができ、大変嬉しく思います。

 皆様も御承知のとおり、今、日本はアフリカとの関係強化に向け、かつてない程の力を注ぎ始めています。日本は、冷戦終了直後の1993年にアフリカ開発会議(TICAD)を開催して以来、10年以上にわたりTICADプロセスを実施し、アフリカとの協力関係を飛躍的に拡大しました。さらに、昨年はアフリカ各国の皆様からの協力を得てTICAD III を成功させることができました。私は、近年のアフリカ連合(AU)の目覚ましい活躍や、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)の推進等、オーナーシップの高まりを歓迎し、今後一層積極的に対アフリカ協力を実施していきたいと考えます。
 本年11月には、東京で「TICADアジア・アフリカ貿易投資会議」を開催いたします。アジアとアフリカが協力して両大陸間の貿易投資を促進させることは、アフリカの開発と経済成長にとって重要な役割を果たすと考えるからです。
 また、アフリカにおいては、開発の担い手である個々人の人間の安全保障の確保もますます重要となってきています。この分野で日本は例えば、国連に設置した人間の安全保障基金を通じて過去5年間で累計2900万ドル、世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対して過去2年間で累計2億4600万ドルの支援を実施しました。
 開発の前提として、まず平和の実現が重要なのは言を待ちません。平和の定着の分野でも、AU自身によるアフリカ・ブルンジ・ミッション(AMIB)の派遣や、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)によるリベリアやコートジボワールでの活動等、近年、活発な動きが見られます。日本は、このようなアフリカ自身の取り組みを歓迎し、後押ししていく考えです。日本はアフリカに展開する7件のPKOに対する年間5億3000万ドルの負担を含め、国連予算の約2割を支援している上、国連諸機関の活動や、バイの支援を通じて、武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)、難民支援や地雷除去といった支援も行っています。また、今般、ダルフール地域の人道状況の悪化を受け、新たに1500万ドルを拠出し、合計2100万ドルの貢献を行うことを決定しました。更に、チャドにおけるスーダン難民に対する支援物資の供与を行う予定です。さらに、本年の選挙で国連安保理非常任理事国に選出されれば、この分野において一層の役割を果たしていく所存です。

 私は、今回の国連総会は、大変に重要な節目にあると考えています。国連が21世紀の現実に対応できるものとなるよう、国際社会の英知を結集して実現しなければならない国連改革が大詰めを迎えているからです。国連の機構を「国連新時代」に相応しいものへと改革し、特に国連安保理の実効性と信頼性を高めることは喫緊の課題です。そのためには、国際社会の平和と安全の維持に貢献する能力と意思を有する国が安保理の意思決定過程に常に参加することが必要です。また、アフリカ諸国を中心に著しく増加した今日の国連加盟国数に応じて、安保理の代表性を改善する必要があります。すなわち、途上国及び先進国双方を含む形で常任・非常任理事国の双方を拡大することが重要です。日本も常任理事国として一層の責任を果たす用意があります。また、日本はアフリカの常任理事国入りを支持しています。
 モメンタムが高まっている現在を逃せば、国連改革の機会は当面訪れないと思われます(now or never)。こうした時期にあるからこそ、私は、アフリカ諸国の閣僚の皆様と力を合わせていきたいと考えています。

 私は、アフリカを訪問し、アフリカの限りない可能性と自らの安定と発展を実現するために力を結集しつつあるアフリカの国々、人々の姿に、強く印象づけられました。私がアフリカの地でお伝えした「アフリカと共に歩む日本」の決意は今日も全く変わりがないことを、ここで再び強調したいと思います。

 それでは、アフリカ諸国の御繁栄と御列席者の皆様の御健康、我が国とアフリカ諸国との友好関係の一層の増進を祈念し、乾杯したいと思います。

乾杯!



川口外務大臣演説 / 平成16年 / 目次


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