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小泉総理大臣演説
日経新聞主催「アジアの未来」晩餐会
小泉総理大臣挨拶
ASEAN諸国の首脳の皆様、 御列席の皆様、 国際交流会議「アジアの未来」の晩餐会に今年も参加できることを嬉しく思います。私の参加は今年で4回目となりますが、この間に日本とアジアとの関係や、アジアにおける地域協力が大きく進展したことを実感しています。 昨年12月に東京で開催した日本ASEAN特別首脳会議は、長年にわたり培われた日本とASEANの特別の絆を確認し、幅広い分野における日本ASEAN関係の新たな方向性を打ち出す、歴史的な会議でした。我が国は、メコン地域開発や人材育成への支援を含め、この会議の成果を着実に踏まえ、未来に向けてASEANとの友好協力関係を更に発展させる決意です。 日本とASEANだけではなく、この地域においては、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドも巻き込みながら、様々な地域協力が急速に拡大、深化しつつあります。特に経済連携協定は、今後の地域協力の基礎を固めるものです。現在、我が国は、韓国、タイ、マレーシア、フィリピンとの二国間交渉を行うとともに、ASEAN全体との間でも協議を行っており、地域的な経済連携ネットワークの発展に貢献する考えです。また、経済連携の強化を基礎としつつ、貿易・投資額を実際に増加させる努力も重要であり、外国企業にとって日本が魅力的な市場となるよう一層努力します。 金融面では、通貨・金融危機の再発防止を目的とする通貨融通のネットワーク構築が進められています。このネットワークは総額365億ドルの規模に達しており、そのうち160億ドルを我が国が出資しています。本年1月には国境を越える犯罪に関する第一回の閣僚会議がバンコクで開催されるなど、テロ、人の密輸、海賊などについての協力も進展しています。 文化や人の交流も大きく進展しています。昨年の日本ASEAN交流年をきっかけに、アジアの若い芸術家の間で協力関係が芽生えています。日本と韓国の間では、2005年を「日韓友情年2005」として、文化・人的交流の更なる活性化を図ることとしています。人の交流の面では、我が国は、2010年までに年間1000万人の外国人訪日の実現を目標に、「観光振興」に取り組んでいます。そのような努力を通じて、日本と中国との間の人の往来は約350万人、日本と韓国の間でも370万人以上が往来しています。その中には、ゴルフと温泉を目的に訪日する多くの韓国人観光客も含まれています。我が国からベトナムへの渡航者数は最近のベトナムによる査証免除措置により前年比で8割近くも増加しました。 このような幅広い分野における交流と協力の発展、深まりを背景として、最近「東アジア・コミュニティ」についての議論が益々活発に行われるようになっています。私自身、2002年のシンガポールにおける演説で「共に歩み共に進むコミュニティ」の構築を提唱し、更に昨年12月の日本ASEAN特別首脳会議で発出した「東京宣言」では「東アジア・コミュニティの構築を希求する」ことをASEAN各国の首脳と共に確認しました。「東アジア・コミュニティ」は、透明で、外に対して開かれたものであることが重要です。また、普遍的なルールや原則を尊重する一方、アジアの伝統や価値も大切にすべきです。コミュニティ構築に向けた努力は、まだまだ緒に就いたばかりですが、我が国としては、ここに出席しておられる各国の指導者の皆さんの協力を得つつ、コミュニティの将来像を模索する作業や機能的協力の推進を含め、コミュニティ構築のため積極的な役割を果たしていく考えです。 近年私は、アジア地域の一体感を肌で感じることが多くなってきたように思います。昨年、「NHKのど自慢」がシンガポールで開催され、日本について勉強しているシンガポール人女子大生が日本人歌手MISIAの曲を歌い見事優勝しました。韓国のドラマ「冬のソナタ」の主人公を演じたペ・ヨンジュンさんが日本女性の間で「ヨンさま」として大人気です。私は、このようなアジアの親近感、アジアの魅力を大切にしながら、それが醸し出す調和と共感を基礎として、「共に歩み共に進むコミュニティ」を築くべく努力していこうと考えています。 ご静聴ありがとうございました。 |
小泉総理大臣演説 / 平成16年 / 目次 |
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