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演説

国連の場における演説

安保理中東和平問題に関する公開討論(10月14日)における原口大使演説

2003年10月14日

(英語版はこちら)


1. 議長、始めに10月4日ハイファ市内で発生した自爆テロに関し、亡くなられた方々及びそのご遺族に哀悼の意を表するとともに、負傷者の方々に心からお見舞いを申し上げます。テロは如何なる理由においても正当化できず、我が国は、多くの無辜の人々を犠牲にする残虐なテロ行為を、改めて断固として非難します。

2. 他方、イスラエルが5日に行ったシリア領内への攻撃は、既に緊張が高まっている地域の状況をさらに悪化させるものであり、極めて遺憾であります。

3. これらの事件が例証するとおり、中東和平を巡る状況は国際社会の期待に反し悪化しています。今般イスラエル内閣により了承されたいわゆる「分離フェンス」の延長は、「グリーンライン」の内側に大きく入り込むものと認識しています。このことは特にアリエル入植地近辺について当てはまります。

4. この「分離フェンス」は、テロリストの進入を防止する目的で建設すると主張されてはいますが、「グリーンライン」の内側に建設される場合には、パレスチナ人の生活に悪影響を与えるとともに和平交渉の最終結果に予断を与えかねません。かかる観点から日本はイスラエル政府に対し、フェンス建設プログラムを見直すよう呼びかけてきました。今般のフェンス延長決定は真に遺憾であることから、本件閣議決定がなされた1日、日本はイスラエル政府に対し同決定を実施しないよう強く要請しました。本日この場を借りて、改めてイスラエル政府にこの決定を実施しないように要請します。我が国は本件の推移を引き続き注視していきます。

5. 同時に我が国は、パレスチナ自治政府が過激派による暴力と断固として戦い、着実に取締を行うことを強く期待しており、着実な取り組みなくして事態の改善をはかることは極めて困難なことを十分に認識することが不可欠です。過激派の取締りが着実に行われなければ、分離フェンス推進への更なる口実を与えてしまうことを強調いたします。

6. 議長、我が国は、目下重大な局面にある「ロードマップ」に沿った和平への取り組みが一層困難になることを懸念しています。現在、唯一の和平に到る途である「ロードマップ」実施の再開に向け、イスラエル・パレスチナ側双方が、事態の悪化を招く措置を自制し、暴力の停止のため最大限の努力を行うよう、改めて強く期待します。


国連の場における演説 / 平成15年 / 目次


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