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演説
小泉総理大臣演説

APECビジネス諮問委員会(ABAC)全体会合歓迎レセプション(於:飯倉公館)
小泉内閣総理大臣挨拶(仮訳)


  平成15年5月13日

英語版はこちら


ABAC議長ビップ博士及び共同議長の皆様、
ABAC日本委員会高垣リーダー、
各国ABAC委員の皆様、
御列席の皆様、

 ABAC総会参加者の皆様を心より歓迎致します。私は、上海とロス・カボスでのAPEC首脳会議に参加致しましたが、その多様性や活力、また、APEC参加国・地域が多くの共通の利益を有していることに強い印象を受けました。私は、この地域の首脳が一堂に会する機会の重要性を十分に認識しております。私はまた、ロス・カボスで意見交換を行ったABACの皆様と再会できることを嬉しく思います。

 ロス・カボスでの首脳会議では、WTO新ラウンドへの貢献や更なる貿易円滑化の促進等、経済面での協力を再確認できたことに加え、テロ対策や北朝鮮等の問題についてのAPECとしてのまとまった声明を出す等の大きな成果を挙げることができました。これら安全保障分野の声明において明らかにされたAPEC首脳の政治的意志は、地域経済協力推進とも密接に関連しているものです。なぜならば、平和で安全なビジネス環境を作ることが、経済活動にとって何よりも重要であるからです。

 ロス・カボスでも申し上げましたように、私としては、最大の課題である日本経済の再生に引き続き取り組んでおります。日本経済の再生は、APEC地域の貿易・投資のパートナーにとっても確実に貢献するものと考えます。昨秋以来、私は4つの重要な措置-それはABAC委員の皆様にとっても関心事項と思います-をとってきました。

 第1に、この3月に私は、外国企業による経済活動を支援し、我が国への直接投資を促進するための74の具体的な施策をとりまとめました。私は、海外から日本への直接投資を、今後5年間で倍増させたいと考えております。

 第2に、金融・産業分野における構造改革を引き続き推進します。先月には、産業再生機構を設立し、企業・産業の再生を支援しております。また私は、不良債権問題を解決するため、「金融再生プログラム」を着実に実施してまいります。さらに、日銀との十分な協力の下、デフレ克服に全力を尽くしてまいります。

 第3に、構造改革特別区域(特区)として57件をこの4月に設定致しました。この特区は全くの新しい試みであります。外国企業が提案を行ったり、個別の特区に参入することも可能です。

 第4に、私は、本年度より我が国がAPECビジネス・トラベルカード(ABTC)に参加したことをお知らせできることを喜ばしく思います。後程、川口外務大臣よりABAC日本委員の皆様に対し、最初の三枚をお渡しすることになっています。

 今回の東京会合は、本年10月のバンコクでの首脳会議への提言の大枠をまとめる重要な会議であると承知しております。内閣総理大臣に就任以来繰り返し申し上げてきたように、私の信条の一つに「民間にできることは民間に」というものがあります。日本経済とAPEC地域全体の経済の成長に資するような構造改革を実現すべく、本日ここに御参集のAPEC地域の民間部門を代表するABAC委員の皆様からも、有益で貴重なお知恵をぜひ賜りたいと思っております。また、ABACの皆様から、今後とも、トラベル・カードのような具体的なご提案を頂きたいと考えています。私は、ABACの活動に大いに期待しています。

 最後に、一言述べて私の挨拶を締めくくりたいと思います。会議での議論については、私は真剣かつ集中的なものと確信しておりますが、参加者の皆様がこの良い季節に日本での滞在を満喫されることを心から期待しております。

 御清聴ありがとうございました。


小泉総理大臣演説 / 平成15年 / 目次


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