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演説

国連の場における演説

第57回国連総会第4委員会 議題78「全ての側面における平和維持活動の問題全体の包括的レビュー」に関する本村国連代表部大使ステートメント (仮訳)

平成14年10月21日


議長、
 初めに、貴議長の今会期における優れた指導に感謝を表したいと思います。先週金曜日の会合において包括的な御説明を行って頂いたジャン=マリー・ゲエノ事務次長に対しても感謝します。これは私達の討議の有益な基礎となるものです。

 この機会に、平和維持活動局の10周年をお祝い申し上げます。本年は我が国が国連平和維持活動に全面的に参加することを可能とする国内法が成立して以来10年目の年にも当たります。国連と我が国にとって特別の意味のあるこの年に平和維持という重要な問題につき発言することは私の喜びとするところです。

議長、
 事務総長の国連の活動に関する年次報告(A/57/1)や国連の強化に関する報告書(A/57/387)に述べられている通り、国連平和維持活動は東チモールやシエラ・レオーネ等の地域における困難な課題に効果的に対応してきました。これは平和維持活動が国際の平和と安全において果たし続ける重要な役割を確認するものですが、その実効性を更に改善する継続的な努力の重要性をも示唆しています。私達のこれまでの注意の大部分は資源の問題に向けられてきましたが、今度は増強された事務局の能力を活用し、改革の課題を実行することに集中すべきであると考えます。このような考えに基づき、私は当代表団として特に注目する必要があると考える幾つかの問題に触れたいと思います。

 先ず、平和維持が益々複合的な活動になってきたことを踏まえ、コソヴォや東チモールのような多機能の平和維持活動から得られた成果や経験を反省しそれらの教訓を今後の活動に生かすことが必要です。この意味で、私達は事務局が多面的な平和維持のハンドブックや標準行動規範の作成作業を行っていることを評価するとともに、教訓に関する包括的なレビューを行うよう慫慂します。先月、我が国は、平和維持活動局の協力を得て、国連訓練調査研究所(UNITAR)、シンガポール政策研究所及び日本国際問題研究所の共催により、国連東チモール暫定行政機構(UNTAET)の教訓に関する会議をホストしました。本会議から引き出された有益な示唆については可能になり次第加盟国及び事務局と共有する予定です。

 関連する問題は、平和維持と並行して又は平和維持の努力が終了した後に行われる平和の定着と国造りのための諸活動との円滑な調整や移行です。一般討論演説において小泉総理が述べた通り、我が国は、紛争の再発防止の観点から、紛争終了後に、平和の定着と国造りへの支援を行うことを重視します。この関連で、私達は平和維持活動の出口戦略及び平和構築に関する安保理のイニシアティヴに留意し、こうした事柄を総会の適切な機関でも討議することに関心を有しています。

 協議及び協力の問題にも簡潔に触れたいと存じます。私たちの最近の経験、特に複合的な活動の経験は、紛争解決には多面的な努力が必要であることを明らかにしています。とりわけ安保理と軍事、警察及び文民要員並びに装備や財政資源を提供する国々との協力が不可欠です。したがって、私は、1月に安保理議長ノートにより設立された新しい協議機構はこれらを包含する形で運営されるべきであるとの我が国の立場を改めて表明したいと思います。

議長、
 平和維持活動に参加する全ての要員の安全は引き続き重要な課題です。我が国は平和維持活動局に対し、自らの安全レビュー及び平和維持活動特別委員会の勧告を踏まえ、国連安全調整官室の協力を得て、情報提供、展開前後の訓練、装備及び法的措置の面において具体的な措置をとるよう改めて奨励します。当代表団としては、特別委員会の次回会期における検討のため、講じられた具体的な措置に関する詳細な情報を次回の事務総長報告に含めるよう要請したいと存じます。

議長、
 緊急展開については、前会期で要員、物資、財政の三つの面における緊急展開能力の強化のための取り組みが合意され、これが実施に移されつつあることを歓迎します。平和維持活動局が待機制度の改善の方策に関し加盟国と定期的に協議を行っていることについても評価します。我が国は、戦略展開備蓄(SDS)の適正な管理に引き続き関心を有しており、また、一つの複合的なミッションを設立し得る現在の備蓄のレベルについては、現段階では妥当なものと考えます。

議長、
 最後に、平和維持活動局の職員の採用に言及したいと思います。我が国は、同局の地理的バランスに懸念を表明し、職員数が過少又は全く在籍していない国の代表性を改善するための措置を直ちにとることを事務総長に勧告した総会決議56/241の履行の必要性を強調します。平和維持活動局の現在の職員の構成を地理的配分の点から見直し、一層の改善を念頭に追加的ポストに係る次回の採用において適切な措置を講ずべきであるとの内部監査室報告(A/57/224)の勧告を支持します。また、このような措置は異動による空席についてもとられるべきです。特別委員会が報告書(A/56/863)において求めているように、事務総長が同局の最近の拡大の前後における職員の地理的配分に関する具体的な情報を次期特別委員会に提供するよう強く希望します。

議長、
 我が国は昨年の国内法の改正などより広範囲の分野で効果的な協力を可能とする体制を整えてきており、我が国の平和維持活動への協力は新たな段階に入りました。本年2月から東チモールに690名の部隊と司令部要員を派遣していることはその現れです。我が国は国際の平和と安全の維持における国連の役割を重視し、国連平和維持活動を強化する努力を強く支持していることを改めて強調し、私の短い発言を終えたいと思います。

 有り難うございました。


国連の場における演説 / 平成14年 / 目次


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