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猪口軍縮代表部大使演説
第4回対人地雷禁止条約締約国会議
猪口軍縮代表部大使スピーチ(日本語訳)
議長、ご列席の皆様、 まず、リント大使の議長就任を心からお祝い申し上げたいと思います。議長の采配により、本会議が成功を収めることを確信しています。 本日、日本政府を代表して第4回対人地雷禁止条約締約国会議においてご挨拶する機会を得ましたことを大変光栄に思います。この会議の開催に大きな役割を果たされたスイス政府、国連事務局、更にNGO含む全ての関係者の皆様に対し、深甚なる敬意と謝意を表します。 議長、 対人地雷禁止条約発効後3年半が経過し、条約の締約国数は126に達しました。毎年行われてきた締約国会議も4回目を数え、国際社会の中に地雷廃絶のための活動は定着してきたものと認められます。しかしながら、未だ多くの問題が残されたままになっていることも事実であり、私は今後の課題として3つの点を指摘したいと思います。 議長、 先ず第1は、普遍化への努力です。我が国は、締約国数が着実に増加していることを歓迎します。しかしながら普遍化に向け更に努力を続ける必要があり、特に地域における具体的な取り組みが重要であると確信します。我が国は機会ある毎に各国政府、特にアジア・太平洋の国々に対し本条約への参加を促して参りました。本年5月にはバンコクにおいて開催された普遍化セミナーに共同スポンサーとして参加しました。こうした働きかけにおける、タイ、豪州を始めとする関係国の協力に感謝します。今後もこの地域における普遍化を目指し、周辺国と共同し努力する所存です。特に、依然として多くの地雷を保有したままの、いわゆる「地雷大国」に対しても、働きかけを続けていく所存です。 また、多くの困難を克服し新たに条約に加盟した国々、とりわけ内戦終了直後の困難な状況にも拘わらず仲間入りを果たしたアンゴラ、締結手続きを進めているアフガニスタンに対し、私はその英断を讃え、心からの敬意と歓迎の意を表したいと思います。 議長、 2番目は地雷廃絶活動気運の高揚です。明年は初期の締約国が貯蔵廃棄の義務期限を迎える重要な年であり、また2004年には初の運用検討会議が開催されます。普遍的かつ実効的な対人地雷の禁止を実現するための取り組みを更に強化していくために、今一度対人地雷の持つ非人道性に着目し、活動のモメンタムを高める必要があると考えます。条約の普遍化を進めるとともに、条約の精神を実践していくことが重要です。 このモメンタムは、対人地雷問題に立ち向かう人的、技術的、経済的な資源に反映される必要があると考えます。また、政府のみならず、市民社会を含めた取り組みを強化することが重要です。我が国は「犠牲者ゼロ」の目標の下、官民ともに力を合わせて本問題に取り組んで参りました。98年には向こう5年間に総額約100億円の支援を行うことを表明し実行に移して参りました。具体的には、98年から本年7月までの約4年半の間に約96億円を使用して、世界25の被埋設国・地域における地雷除去、犠牲者支援、地雷啓発活動及び国・地域を超えた地雷対策全般の活動を支援して参りました。この中には、本年1月に決定したアフガニスタンにおける地雷対策支援のための国際機関への拠出19,220,000米ドル、本年6月のカンボディアにおける地雷除去のための無償資金協力7億9,800万円も含まれています。更に、アフガニスタンにおける安全で効率的な地雷除去のために、政府がリーダーシップをとり地雷探知・除去技術の開発に取り組んでいます。我が国の先端技術を十分に活用した技術開発を実現し、安全、迅速、そして地域の環境にも配慮した地雷の除去において、更に貢献していくことを希望します。 議長、 最後に全締約国がより着実かつ確実に条約を遵守し、地雷の惨禍を廃絶する目的を達成するための政治的意思と努力を強調いたします。特にドナー国と地雷被害国、国際機関、NGOが強固なパートナーシップを築き、効果的な支援を行っていく必要性を強調したいと思います。 我が国は、今後も地雷問題で支援を必要とする国には積極的に協力していきたいと考えていますが、このような支援は主として対人地雷廃絶の義務を自らに課した条約締約国に向けられるべきです。また各締約国は、主体的かつ強い政治的意志を持って条約上の義務の履行に取り組むべきであり、我が国は、そうした国に対し、可能な限りの支援を行っていきたいと考えています。 なお我が国は、貯蔵地雷の廃棄を明年2月に完了し、締約国への協力と支援を含め、全ての義務を忠実に履行して参ります。そして一日も早く、地雷の惨禍に苦しむ人たちが安心して生活できる社会を取り戻せるように努めていきたいと考えます。 議長、 最後に、明年の締約国会議開催を表明したタイ国政府のイニシアチブを高く評価したいと思います。タイは近隣国との長い国境線と過去の紛争により、多くの対人地雷が埋設され、多数の国民が傷つき、苦しんできました。タイが近隣国に先駆けて本条約に加盟し、締約国会議の開催国となる決断を果たされたことは、決して容易な選択では無かったことと思われます。我が国はアジアの一員として、今後一年間、次期締約国会議の成功に向けタイを全面的にサポートしていく所存です。昨年マナグアで開催された第3回締約国会議が、ラテンアメリカ諸国の地雷問題の克服に向けた動きを促進したように、タイの勇気ある決断を契機に、アジアから全世界に、地雷問題解決への気運が一層高まることを期待いたします。 ご静聴ありがとうございました。 |
政府代表・幹部・大使・総領事 / 平成14年 / 目次 |
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