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緒方総理特別代表演説
アフガニスタン復興支援国際会議 平成14年1月21日 私はまた、隣国であるパキスタン、イラン両国を訪問しました。両国は、20年以上に亘り、アフガニスタンからの難民を寛大にも受け入れてきた経験をもち、アフガニスタンの安定化の機会が現出しつつあることに死活的な利益を有し、和平プロセスに貢献していくとの意志を共有しています。安定したアフガニスタンが地域全体の利益に適うことは明らかです。 本日、東京会合を開会するに当たって、私は、過去数ヶ月の国際的な努力を導いてきた二つの指導的原則を再確認することが重要であると考えます。第一は、国連、特にブラヒミ国連事務総長特別代表の弛まない努力により達せられたボン合意に基づいて、アフガニスタン暫定政権が発足したことに始まる政治プロセスを強化していくということです。正式政権樹立までの2年半の期間は、アフガニスタンにおいてより恒久的な平和及び安定を達成する上で極めて重要です。復興計画とその実施は、機能する行政機構を作り上げていくことを目指さなくてはなりません。またそれはアフガニスタン全土に亘って復旧、復興作業が進められる前提ともいうべき、治安を全国的に確保するものでなければなりません。私は、アフガニスタンの代表がこれから提示する政治プロセスを支えるためのプライオリティー・プログラムに関する提案に、会議参加者が注意深く耳を傾け、検討することを期待します。 第二の指導的原則は、現在行われている人道支援から復旧、復興へと継ぎ目ない移行が行われるべきであるというものです。現在、我々は、アフガニスタンの復興について検討し、議論を行おうとしています。しかし、その前提となる短期的な支援・復旧活動が目下行われています。緊急のニーズが適切に満たされない限り、支援と復旧を越えた先の課題に取組むことができる可能性はより少なくなるでしょう。11月20日のワシントン会合で繰り返し述べられたように、人道支援、復旧支援を中長期的な復興と統合していくことが課題です。 今回の調査団での経験を通じて二つの指導的原則がいかに私の目に映ったかを申し上げたいと思います。バグラム空港到着後、我々は、ショマリ平原で帰還中の避難民を訪問しました。我々は、曲がりくねった道を抜け、かつては「アフガニスタンの果物かご」と呼ばれた荒廃した土地を通って行きました。道の両側では、地雷除去作業に当たるアフガニスタン人たちが作業を行っていました。ショマリ平原での戦闘から逃れた避難民109家族は、あらゆる困難にもかかわらず、故郷に戻ることを決断したのでした。彼らは、平和が到来したとして、冬が一段と厳しさを増しているのにもかかわらず、家に帰らなければならないと感じたのでしょう。しかも、故郷は高い丘陵を越えたところにあり、一度にたどり着くことはできないのでした。UNHCRと他の人道支援機関は、彼らの帰還を支援することを決めました。これら機関は、テント、食料、生活用品、それに所持品運搬のためのロバに係る費用のため資金を供与しました。私は、帰還中の家族と話す機会があったので、故郷に戻った後の計画について尋ねたところ、彼らは躊躇することなく、家を建て直したい、春に向けて間に合うように種まきを始めたい、家畜の飼育をまた行いたい、と答えました。避難民の明確な言葉に私は平和に向けた第一歩を見たのです。彼らが戻る村に学校や保健所を作り、水供給を確保するために、復興支援が早急に必要とされているのです。 アフガニスタン暫定政権は、国内避難民の帰還を和平・和解のための優先事項として重視しています。難民も、国外から戻ってくるでしょう。彼らもすぐに国の復興と開発に貢献していくことと思います。アブドッラー外相が10日前に私に強調したとおり、「難民帰還問題は、復興問題である」のです。 東京会合を成功させなければなりません。皆様から確固かつ寛大なプレッジが必要です。多年に亘る継続的コミットメントが必要です。しかし、我々は、資金の話のみをしているのではありません。我々は、希望を抱いている人々に対して我々が持っている影響力について常に思いを起こす必要があります。将来は、アフガニスタンの人々の手の中にあるのです。 |
政府代表・幹部・大使・総領事 / 平成14年 / 目次 |
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