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小泉総理大臣演説
日経新聞主催「アジアの未来」晩餐会
小泉総理挨拶 2002年5月21日 マハディール・マレイシア首相閣下、 ブンニャン・ラオス首相閣下、 御列席の皆様、今晩は。 この国際交流会議「アジアの未来」の晩餐会には、昨年も参加させて頂き、アジア諸国との関係とアジアの未来に関する私の基本的な考えをお話ししました。 本日は、「変わる中国、変わるアジア」という今回のシンポジウムのテーマに即して、中国とそれを取り巻くアジアの地域協力に焦点を当ててお話したいと思います。 最近の中国の急速な変化には驚くべきものがあります。私は、昨年、APEC首脳会議に出席するために上海を訪問しましたが、8年振りに訪問した上海は、ニューヨークや東京と比較しても見劣りしないほどの景観と都市機能を備えていました。 急速に経済力をつけ、WTOにも加盟した中国を「脅威」と見る向きもありますが、私は、まずは等身大の中国を正しく評価することが大切であると考えます。中国沿岸部は高い成長を続けているものの、内陸部では依然として人々が貧困に直面しています。しかも、農業を主な産業とする内陸部は、中国のWTO加盟によってむしろ不利益を被ると予想されています。貧困や急速な経済成長による環境破壊も深刻であり、黄砂、酸性雨などの環境問題は、隣国である我が国や韓国にも影響を及ぼしています。 中国がこうした課題を克服し、開放的な市場経済として発展していくことは、我が国のみならずアジア諸国、ひいては世界全体の繁栄にとっても望ましいことです。 しかし、経済発展だけがすべてではありません。この地域において、中国がその存在感に相応しい役割を果たしていくためには、中国が国際社会の普遍的価値とルールを尊重することが不可欠です。 中国とは時として、困難な問題が生じます。これらの問題には、世界や地域のためにも重要な日中関係という大きな枠組を踏まえつつ、国際法の原則の中で冷静に問題処理に当たる必要があると考えます。 御列席の皆様、 近年、中国は、ASEAN+3、日中韓などの地域の対話と協力にも積極的に参加し、建設的な提案を行っています。このような中国の積極姿勢は、東アジアにおける地域協力の進展を加速させる重要な要因であると言えましょう。 私は、今年初めのASEAN諸国訪問の際、日・ASEAN関係を基礎として、東アジアにおける機能的協力を積み重ねていくための「5つの構想」を提案しました。そして、この「5つの構想」の一つとして、日本とASEANとの間で貿易・投資の自由化を含む幅広い分野で経済連携を強化していくとの考えを表明しました。このようなASEANとの取組が一つの土台となって、将来的には、東アジア全域における経済連携が強化されることを期待しています。 更に、経済面のみならず、この地域の平和と安定を脅かす問題について、域内各国が開かれた形で対話を行うことも有意義でしょう。我が国は、テロ、海賊、薬物、人の密輸等の「国境を越える問題」における協力に特に力を入れていきたいと考えています。 このように、我が国としては、中国やASEAN諸国とも互いに助け合って、この地域における幅広い分野での協力を推進し、アジアの明るい未来のために積極的な役割を果たしていくつもりです。 ご静聴ありがとうございました。 |
小泉総理大臣演説 / 平成14年 / 目次 |
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