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演説

小渕総理大臣演説

独産業連盟(BDI)主催夕食会における総理大臣スピーチ


平成11年1月11日
(於:ベルリン)

(冒頭ドイツ語による御発言)
 ヘンケル会長、
 ご臨席の皆様、

 お招き頂きありがとうございます。
 自分は大学時代に第2外国語としてドイツ語を学びました。日本のことわざには、”後悔先に立たず”ということわざがありますが、今、それが本当だと感じます。
 ですから、この後は日本語で話させて頂きたいと思います。

 ドイツ経済界の指導的立場にある皆様方の温かい御歓待に心から感謝申し上げます。
 私は長年にわたり、日独友好議連の理事長としての立場から、両国の関係増進に心を砕いて参りましたが、本日、ベルリンを訪れ、大変深い感慨を覚えております。

 36年前、大学生であった私は、この地で厳しい東西冷戦の現実と、そこで生活する人々の姿を目の当たりにし、心を痛めました。しかし今日、「壁」がなくなり、統一を達成し、東西ヨーロッパの架け橋となったベルリンに参りまして、歴史の流れを身をもって実感しております。

 ご列席の皆様、
 新年とともに、欧州はユーロの誕生という新たな歴史のページをめくりました。私は、この偉業に心から敬意と祝意を表します。

 我が国は、ユーロが安定した信頼できる通貨となり、世界経済の安定に貢献することを期待しております。また、ユーロ誕生を踏まえ、円の一層の国際化や国際通貨体制の安定化に取り組んでいきたいと思います。

 ご列席の皆様、
 ご存知の通り、日本経済はかつてない厳しい不況の中にあります。しかし、私は就任以来、本日ここに同席しておられる堺屋経企庁長官[この方は民間人として入閣して頂いておりますが、著名なミリオンセラー作家でもあります]や、側近の鈴木官房副長官といった優秀な人材に支えられながら、日本経済の再生のため、あらゆる必要な政策を大胆かつスピーディーに実施してきており、この99年度には、日本経済ははっきりとしたプラス成長に戻ると信じております。

 高い技術力や、約1200兆円、即ち約9兆ユーロもの個人金融資産、約7500億ユーロ以上の対外純資産等、日本経済の基礎条件は依然堅固なものです。この潜在力を十分引き出し、日本経済を再生させるため、私はまず金融システム不安に対して万全の対策を講じ、大規模な需要を呼び起こすことを目指しております。

 さらに私は、21世紀に向けて活力と魅力のある日本を創造したいと考えています。このため、今回同行して頂いた樋口アサヒビール会長には、私の経済顧問のグループである経済戦略会議の議長を務めて頂いております。ご存知の通り樋口会長は、日独協会会長のみならず、日独対話フォーラムの日本側座長、「ドイツにおける日本年」実行委員長等日独関係の要職につかれております。

 ご列席の皆様、
 130年以上にわたり友好関係を築いてきた日独両国は、21世紀を展望して新しい交流を切り開く必要があります。
 この観点から、私は、我が国の皇太子殿下とヘルツォーク大統領を名誉総裁として、ドイツ各地で開催される「ドイツにおける日本年」に期待しております。

 日本側ではここにご出席の樋口会長が推進の中心人物であります。フォン・ピーラー・ジーメンス社長をはじめ、ドイツ経済界のご協力も得て、一連の催しが我が国に対するドイツの人々の理解を深める良い機会となることを希望しております。

 また、ドイツからの対日ビジネス促進の観点からは、96年以来、ヘンケル会長が推進しておられる「ジャパン・イニシアティブ」を高く評価しております。投資にも貿易にもに開かれた我が国で、ドイツの企業家の皆様がこのイニシアティブを通じて新たなチャンスを見出されることを希望致します。

 又、私は、欧州統合の進展とともに、これまで個々の国ごとに行われてきたビジネス対話に加え、全欧州レベルでの対話の強化が益々重要になっていると考えます。
 欧州のビジネス界において、欧州統合プロセスの牽引役となっておられる皆様が、こうした全欧州レベルでの枠組みの構築に向け積極的な役割を果たして下さることを期待しております。

 それではご列席の皆様、
 ヘンケル会長の御健康と御成功、日独関係の一層の発展のために杯を挙げたいと存じます。

 ツム・ヴォール!

(乾杯後)ダンケ・シェーン。

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