川口外務大臣談話
サウジアラビアのアル・コバルにおける襲撃事件の発生について
平成16年5月31日
- わが国は、現地時間29日早朝(日本時間午後)、サウジアラビアのアル・コバル市内で発生した襲撃事件で亡くなられた方々およびご遺族の方々に心から哀悼の意を表する。また、負傷された方々の一日も早いご回復を祈念する。
- わが国は、今回の事件により多くの民間人が犠牲になったことに強い憤りを覚える。わが国は、罪のない人々を犠牲にするテロ行為を断固として非難し、テロ撲滅のために今後とも国際社会と協力していく。
- わが国政府としては、今後とも在留邦人や渡航者の方々の安全確保に最善を尽くす所存である。
(参考)
- 現地時間29日午前7時15分頃(日本時間午後1時15分頃)、イスラム過激派の武装勢力4人がサウジアラビア東部州のアル・コバル市の石油会社関連施設内の外国人集合住宅および企業事務所等数カ所を襲撃。武装勢力は約50人を人質にとり、サウジ治安当局と交戦。30日午前5時25分頃、サウジ治安部隊が突入、人質の大半を救出した。武装グループは主犯格が逮捕されたが、残りの3人は逃走。「アル・クッズ旅団」を名乗るアル・カーイダ系とされる組織が犯行声明。
- 武装勢力がコンパウンドに侵入した当時、3家族計7人の邦人がコンパウンド敷地内の建物におり、一時外出できない状態となったが、全員、サウジ治安部隊の突入までにサウジ当局の援護の下コンパウンド敷地外に避難していた。
- サウジ国営通信によれば、今回の襲撃事件により22人が死亡。(内訳:インド人8人、スリランカ人2人、スウェーデン人1人、南アフリカ人1人、サウジアラビア人3人、米国人1人、イタリア人1人、フィリピン人3人、英国人1人、エジプト人1人)。
- サウジアラビアでは、昨年5月、11月および本年4月に首都リヤド市内で大規模な自爆テロ事件が、また、本年5月には西部のヤンブーでも外資系石油企業事務所が武装勢力に襲撃される事件が発生。サウジ政府はテロ取り締まりに全力を挙げているが、サウジ政府が重要指名手配犯として行方を追っている26人の多くが依然拘束されていない。
|