川口外務大臣談話
パレスチナ過激派による自爆テロについて
平成16年3月15日
- 3月14日(日)夕刻(現地時間)、テルアビブ南方のアシュドッド港において連続自爆テロが発生し、多数の死傷者が生じたことに強い衝撃を受けた。このテロにおいて亡くなられた方々およびそのご遺族に哀悼の意を表するとともに、多数の負傷者の方々に心からお見舞いを申し上げる。テロはいかなる理由においても正当化できず、わが国は、多くの罪のない人々を犠牲にする残虐なテロ行為を改めて断固として非難する。
- わが国は、和平に前進が見られないことを深く憂慮しており、暴力の継続により、事態が悪化することを強く懸念する。パレスチナ自治政府はこうした暴力行為の発生を防止すべく、過激派の取り締まりに最大限の努力を払い、着実に成果を上げる必要がある。イスラエル側は、最大限の自制を行使して事態の沈静化を図ることを強く期待する。わが国は、イスラエル、パレスチナ両当事者が早期に首相間の会談を実現し、対話と協力を通じたロードマップ実施に向けた取組を一日も早く再開するよう強く期待する。
(参考)
- 14日午後5時頃(現地時間)、テルアビブ南方のアシュドッド港(テルアビブ南方約30キロに位置)においてガザ出身のパレスチナ人2名による連続自爆テロが発生し、この結果1 0名のイスラエル人が死亡し、少なくとも16名が負傷した。これら自爆テロについては、ファタハ、ハマス各々の軍事部門であるアル・アクサー殉教者旅団およびイズ・アッディーン・アル・カッサムによる共同の犯行であるとの声明が発出された。一方、パレスチナ自治政府(PA)は当該テロを非難し、パレスチナ人に対してこのような攻撃を直ちに止めるよう求めた。
- 15日未明(現地時間)、イスラエル軍はガザ市周辺にある鋳物工場を含む目的物等に対して少なくとも10発以上のミサイルによる攻撃を行った模様。この結果、ガザ市北部は電力供給が止まり停電となった模様である。イスラエル治安当局筋によれば今回の攻撃はアシュドッド攻撃への報復である由。
- シャロン首相は、本件連続自爆テロの発生を受けて、火曜日に予定されていたクレイPA首相との会談の延期を決定した由。
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