川口外務大臣談話
リビアのIAEA追加議定書署名について
平成16年3月10日
- わが国は、3月10日(水)、ウィーンにおいて、リビアが国際原子力機関(IAEA)追加議定書に署名したことを歓迎する。
- リビアが昨年12月19日に大量破壊兵器計画等の廃棄の決定を行ったことに続いて、今回追加議定書に署名したことは、大量破壊兵器等の軍縮・不拡散を進めていく上で大きな意義を有するものである。
- わが国としては、リビアが、早期に追加議定書を批准・完全履行すること、また、批准までの間にも追加議定書に基づいてIAEAと協力を行うことを求めたい。
- また、今回のリビアによる追加議定書の署名は、核不拡散体制の強化のために追加議定書の普遍化を積極的に進めてきたわが国の政策に一致するものである。
- わが国としては、北朝鮮をはじめとする大量破壊兵器等の開発疑惑が指摘されている国々が今回の追加議定書の署名を含むリビアの国際的な軍縮不拡散体制を遵守しようとする姿勢にならうことを強く期待すると共に、他の追加議定書未締結国が早期に追加議定書を締結するよう、引き続き働きかけていく考えである。
(参考)IAEA追加議定書
1990年代初頭のイラクや北朝鮮の核疑惑に対して従来の保障措置制度では未申告の原子力活動を検知・防止できなかったとの反省に立って、IAEAに申告すべき原子力活動情報の範囲や「補完的アクセス」による検証対象場所を拡大することで保障措置の実効性を強化することを目的に、1997年の臨時理事会でモデル追加議定書が採択された。
わが国については、1999年12月に発効。2004年3月10日現在、39ヵ国について発効(署名国は、今回のリビアの署名をもって81ヵ国になった)。
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