川口外務大臣談話
リビアによる大量破壊兵器の廃棄について
平成15年12月20日
- わが国は、12月19日(金)に、リビアが同国におけるすべての大量破壊兵器の開発計画を廃棄するとともに、国際機関による即時の査察を受け入れる旨の決定を行ったことを歓迎する。また、リビアがこうした決定を行うために米英の果たした努力と役割を評価する。
- 大量破壊兵器およびその運搬手段等の拡散は、国際社会の平和と安全に対する重大な脅威であり、今般、リビアが行った決定は、大量破壊兵器等の軍縮・不拡散を進めていく上で重大な意義を有するものと考えている。また、これは大量破壊兵器等の禁止・制限に関連する国際約束の普遍化を追求してきたわが国の政策にも一致するものである。
- リビアが今回の決定を迅速に履行することを求める。そしてリビアの国際社会への復帰が一層進展することを期待する。
(参考1)19日夜、リビアのカッザーフィ指導者及びシャルガム外相は、同国におけるすべての大量破壊兵器の開発計画を廃棄するとともに、国際機関による即時の査察を受け入れる旨の声明を発表した。同日、ブッシュ米大統領及びブレア英首相が同旨の発表を行った。
(参考2)リビアによる大量破壊兵器関連条約締結状況
核兵器(NPT加入、CTBT署名・未批准)
生物兵器(BWC加入)
化学兵器(CWC未署名)
弾道ミサイル(HCOC(弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範)参加)
(参考3)リビアを巡る最近の状況
対リビア国連制裁は、1988年のロッカビー事件被疑者引き渡しを受けて1999年に停止、ロッカビー事件遺族との補償交渉決着を受けて本年9月に解除された。リビアは国連制裁停止以降、国際社会への復帰に向け国際協調的な外交を展開。
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