川口外務大臣談話
イラク問題に関する国連査察団による安保理報告について
平成15年2月15日
- ニューヨーク時間14日(日本時間15日)、ブリックスUNMOVIC(国連監視検証査察委員会)委員長およびエルバラダイIAEA(国際原子力機関)事務局長より国連安保理に対し報告が行われ、同報告において、ブリックス委員長およびエルバラダイ事務局長は1月27日に行われた安保理報告以降の査察につき、イラク人科学者の単独インタビューが数件実施されたこと等、ある程度の手続き面での進展が見られたとする一方、安保理決議に違反したミサイル分野での開発が認められた事実を指摘しつつ、大量破壊兵器の廃棄という査察の目的を達成するためにはイラクからの即時、無条件かつ積極的な協力が不可欠であると総括した。
- わが国を含む国際社会が望んでいる平和的解決はイラク側の対応にかかっている。そのような中で、これまでのイラクによる消極的な協力姿勢が抜本的に改められていないことにより、査察継続の有効性に疑問が生じていることは否めない。
- ニューヨーク時間18日には、イラク問題に関する安保理公開会合が開催され、その後も、それを踏まえた安保理メンバー国による協議が行われる予定と承知している。わが国としては、安保理決議1441により「最後の機会」を与えられていることをイラクが重く受け止め、これまでの姿勢を改め、自ら進んで直ちに疑惑を解消するように強く求める。
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