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談話・コメント

河野外務大臣談話

北朝鮮の洪水被害に対する緊急援助およびコメ支援問題について


平成7年9月19日 

1.北朝鮮においては、本年夏の豪雨により、広い地域にわたり大規模な洪水が起こり、国連人道問題局等の国連諸機関の調査の結果、人的・物的に多大な被害が生じていることが判明した。政府としては、今般の洪水の犠牲者、被害者の方々に対し哀悼とお見舞いの意を表する次第である。
2.こうした事態に対し、国連人道問題局等の国連諸機関は、自ら行った調査に基づき緊急援助を実施するため、国際社会に対して支援を要請した。わが国としては、この要請を受け、国際社会の一員として、国連諸機関の努力を支援するため、総額50万ドルをこれら諸機関に拠出することとする。
3.この洪水発生前の時点において、わが国としては、既に相当深刻な食糧難に陥っていた北朝鮮側からの要請を受けて、人道的観点から計30万トンのコメを供与することを決定し、更に、必要に応じ、在庫緊急輸入米の在庫の範囲内で、追加的に延払輸出を行うために協議を行う用意があることを確認していたところである。しかるに、その後、ある出版物に北朝鮮側関係者が北朝鮮においてはコメは不足していないとして、わが国によるコメ支援が人道的観点からのものであることと相容れない発言をしたとの報道が行われたことにより、コメの追加支援のための協議は行い得ない状況となっていた。
3.このような状況にあって、政府および与党は、相互に随時連絡をとりつつ、与党が北朝鮮側の真意を照会したのに対する北朝鮮側の反応を注視していたところ、今般、政府としては、北朝鮮側がわが国のコメ支援を人道的観点からのものと認識していることを改めて確認したと解し得るに至った。その際、政府としては、洪水の被害に際して現地を調査した国連諸機関に対し、北朝鮮が洪水発生前の時点において既に約200万トンの穀物不足に陥っていたことを自ら確認したことにも留意した次第である。
 このような北朝鮮側の対応を踏まえ、また、現在北朝鮮側が洪水被害によって一層深刻な食糧難に陥っていることにも留意し、政府としては、大局的見地から、従前の方針に従い、コメを追加的に延払輸出することについて、北朝鮮側との間の協議に応ずることとする。

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