1. | 異常気象等により相当深刻な食糧難に陥っている北朝鮮の側からの要請を受けて、我が国としては、現時点における緊急輸入米の在庫状況に鑑み同輸入米を活用できる事情にあることに基づき、韓国の理解を得て人道的観点から本件支援を進めていくとの方針により対処してきた。今般、本件支援の内容につき、北朝鮮側との間で基本的に意見の一致をみたことは喜ばしい。 |
2. | 我が国が上述の方針により検討を進める間、北朝鮮は韓国に対してもコメの支援を要請するに至り、南北間で協議を行った結果、韓国から北朝鮮へのコメの供与が開始された。現在、船に掲げる旗に関連した問題のためコメの輸送に問題が生じているようであるが、速やかに南北間で右問題が解決され、円滑に韓国からのコメ支援が進められ、ひいては、南北対話の促進に継がることを期待する。 |
3. | 北朝鮮が初めて食糧不足を率直に認めた上で国際社会の支援を求めたことは、北朝鮮の開放と国際社会への参加の第1歩となることが期待されるところ、右要請に応えないことは、北東アジアの平和と安定に逆行することになりかねない。 |
4. | 我が国は北朝鮮を国家として承認しておらず、また、北朝鮮に対する経済協力は、国交正常化交渉の妥結が前提となるとの政府の方針には変わりはないが、以上の事情を総合的に勘案し、我が国として、大局的見地から北朝鮮側の要請を受け入れ、あくまで特殊・例外的な措置として本件措置を執るものである。 |
5. | なお、本件支援は、人道上の観点から行うものであり、北朝鮮との国交正常化交渉の問題と直接関連するものではないと考えるが、本件コメ支援が同交渉をめぐる日朝間の雰囲気に好影響を与えることを期待する。 |