カスーリ・パキスタン外務大臣の来日(外賓)
(概要)
平成17年2月25日
クルシード・マフムード・カスーリ・パキスタン・イスラム共和国外務大臣は、2月21日から24日の日程で外務省賓客として来日し、町村大臣と外相会談を行った他、政界・政府関係者と会談した。
1.滞在日程
2月21日(月) |
(東京着) 中川経産大臣と会談 |
22日(火) |
岡田民主党代表と会談
日パキスタン友好議員連盟との懇談会
緒方JICA総裁と会談
小泉総理大臣表敬
町村外務大臣と外相会談・ワーキィング・ディナー |
23日(水) |
記者会見 |
24日(木) |
(東京発) |
2.外相会談
両外相は初顔合わせであったが、幅広い分野にわたり率直な意見交換が行われ、各分野で関係強化の方向が確認された。概要以下のとおり。
(1)二国間関係
町村大臣から、パキスタンが国際社会において果たしている重要な役割を評価しているとして、具体的には(イ)テロとの闘いに臨む姿勢、(ロ)「穏健で近代的なイスラム国家」を目指す改革努力、(ハ)民主的国家への移行のための努力、の3点を挙げた。カスーリ外相からは、謝意が表明され、両外相は、引き続き各分野で対話・協力を強化していくことを確認した。
(2)経済協力
町村大臣から、パキスタンの重要な役割に注目しており、さらに、パキスタンの安定的発展は国際社会の安定にも重要であるとの認識から、我が国は引き続きパキスタンを支援していくことを伝えた。また、今月初めに策定されたパキスタンに対する国別援助計画を手交した。カスーリ外相からは、日本のODA50周年を記念してパキスタン政府が発行した、コハットトンネル等日本の援助プロジェクトの絵柄が入った切手を贈呈した。
(3)テロとの闘い
町村大臣から、パキスタンのテロとの闘いに臨む姿勢を評価し、引き続き可能な分野では協力していくと述べた。カスーリ外相からは、我が国自衛隊艦船が、インド洋において海上阻止活動(OEF-MIO)に参加しているパキスタン艦船に対し給油・給水支援を行っていることに謝意が表明された。
(4)軍縮・不拡散
町村大臣から、軍縮・不拡散に関する我が国の立場を説明した。カスーリ外相からは、南アジア情勢を巡る歴史的経緯等に言及しつつ、パキスタンの立場を述べたのに加え、軍縮・不拡散問題に対する日本のセンシティビティを理解する旨述べた。
(5)地域情勢・グローバルな課題
(イ) |
国連改革
町村大臣から、国連改革の重要性、特に安保理改革の重要性など我が国の立場を説明した。カスーリ外相からは、日本はこれまで途上国支援を始め国際社会の中で責任ある行動をとってきていると述べるとともに、安保理改革については、客観的なクライテリアを導き出し、コンセンサスを形成することの重要性を強調した。
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(ロ) |
インド・パキスタン関係
町村大臣から、インド・パキスタン間で対話が継続していること、特に、今月カシミール地方の両側を結ぶバスの開通に合意するなど、両国間の対話に具体的成果が出ていることを歓迎した。カスーリ外相からは、カシミール問題解決には、国際社会の関与、住民の意思の反映が重要であると述べた。
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