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主な要人の来日日程

ドビルパン仏外相の訪日(概要と評価)


平成16年3月3日


1.概要

 ドビルパン仏外務大臣は、2月29日から3月2日までの日程で我が国を訪問したところ、概要以下のとおり。

(1) ドビルパン外相は、今回が外相として初の来日。

(参考)現職のフランス外相の来日は、2000年7月に九州・沖縄サミット外相会合出席のために来日したヴェドリーヌ外相(当時)以来。

(2) 今次訪日においては、まず1日に福岡において福岡県知事との懇談、九州大学での講演等を行い、2日、東京において、小泉総理表敬や日仏外相定期協議をはじめ、河野衆議院議長表敬、日仏友好議連メンバーをはじめとする国会議員との懇談、日本の文化人との懇談等、限られた日程の中で、数多くの我が国要人等との協議・意見交換の場が持たれた。

(3) 小泉総理表敬、外相定期協議においては、イラク復興支援、北朝鮮問題、日仏関係等について幅広く意見交換が行われた。会談の概要は以下のとおり。

(イ) 日仏関係  共通の価値観を有するパートナーとして協力関係強化のための対話を継続すること、「日仏協力20の措置」に代わる新たな行動計画の策定につき合意。また、我が方より、シラク大統領の早期訪日実現を要請。

(ロ) イラク復興支援に関する日仏協力

 イラク復興は中東の安定化にとって極めて重要であり、イラクが自由で平和な国家として再建されるためには、国際社会の協調と国連の積極的な役割が不可欠であるとの認識で一致。日仏が協力してイラク支援に取り組む決意を再確認し、以下の協力を行っていくことで合意(別添参照)

1) 文化面でイラク国立博物館等の再建、展示などに関する協力。
2) スポーツ分野で、国際競技参加を目指すイラク人選手を支援。
3) 医療分野における協力(仏が協力しているバグダッドのAl Mansur Teaching Hospitalからの医療スタッフの3月からカイロで開始する日エジプト合同医療協力への参加。)
4) その他、ヨルダンにおけるイラクの人材育成事業及びイラクで活動を行うNGOに対する支援等に関し、更なる協力の可能性を検討。


(ハ) 北朝鮮問題

 仏は、六者会合プロセスに対する支持を表明。また、拉致問題に向けた我が国の立場を支持するとともに、核問題、拉致問題をはじめとする諸問題の包括的解決を目指すとの我が国の立場を全面的に支持。

(ニ) アフリカに関する協力

 仏は、TICAD IIIを高く評価し、TICADプロセスを支持。また、水問題やコートジボワールの安定化等についても日仏の協力が重要との認識で一致。

(ホ) 国連改革

 国連改革の必要性につき認識が一致。仏は、我が国の安保理常任国入りに関する支援を表明。

(ヘ) ITER

 小泉総理より本件については日仏が「競争しつつ、協力する」という認識が示され、日仏がともにサイト誘致を表明している現在の状況を打開するために、対話を継続することが必要であるとの認識で一致。

(4) なお、福岡においては、九州大学において、「フランスと日本-新たな国際課題に直面して」をテーマとした講演会が、約600名の学生や市民を集めて行われた。講演の中で、ドビルパン外相は、世界の安定や発展のために日本とフランスが協力していくことの重要性を強調した。

2.評価

(1) ドビルパン仏外相の今次訪日に当たっては、日仏二国間関係の強化に加え、我が国が国際社会の諸課題に取り組む上で、価値観を共有する仏との協力関係の一層の強化を目指して準備を行ったが、訪日全体を通じ、これらの目標が概ね達成された。

(2) ドビルパン外相の訪日により、特にイラク問題について、日仏が協力してイラク支援に取り組んでいくことが確認され、具体的な協力分野を発表できたことは、幅広い国際協調によるイラク復興支援が重要との立場から、我が国が昨年末の総理特使派遣以降取り進めてきた努力の順調な進展を示すことができた。

(3) 一連の会談を通じ、(イ)ドビルパン外相より、北朝鮮問題、国連改革についての我が国の立場への支援及びTICAD3の評価が明確に表明されたこと、(ロ)「日仏協力の20の措置」に代わる新たな行動計画の策定が合意されたこと、更に、(ハ)九州大学での同外相の講演においても繰り返し日仏協力の重要性が強調されたことは、仏が我が国との協力関係を重視し、未来志向で協力していくパートナーとしての姿勢を示したものと評価できる。


(別 添)

イラク復興支援に関する日仏協力


平成16年3月2日


 イラク復興は、重要な国際的課題である。イラクの早期再建・復興を図るためには、幅広い国際協調による支援を継続・強化することが不可欠である。昨年12月、橋本龍太郎元総理が小泉総理の特使として訪欧した際、日仏独はこのような認識で一致し、以来、日仏独の三カ国協力によるイラク復興支援につき協議を重ねてきた。本日の川口順子外務大臣とドミニク・ドビルパン仏外相との協議において、両外相は、イラクの人々の要望に応え、彼らの団結を確かなものにする決意を再確認した。両外相は、他の諸国及び機関との連携を通じて共同歩調を取る用意がある。日仏は、次の協力を今後進めていくことを決定した。

  1. カンボジアにおける模範的な共同事業を参考にしつつ、イラク国民の誇りかつ拠り所である文化面、就中、イラクの文化施設及び文化遺跡の再建支援のために日仏が協力していくことに合意した。日仏は、イラク国立博物館の展示、イラク国立図書館・イラク国立公文書館の再建等に関し支援を行うこととなる。

  2. スポーツはイラク国民に復興に向けての希望と団結を与えるものである。日仏は国際競技への参加を目指す選手を支援していくことで合意した。

  3. 日仏は、イラク復興において喫緊の課題である医療分野における支援について、協力の焦点を当てていくことについて合意した。その具体的措置として、仏が協力を実施しているバグダッドのAl Mansur Teaching Hospitalの医療スタッフが、3月5日からカイロで開始される日エジプト合同医療協力に参加する予定である。また、両国は、医療分野における更なる協力の可能性を模索することについて合意した。

  4. 日仏は、他のパートナーと共に、電力、農業及び教育等の分野において共同研修を行う可能性につき検討することとなった。

  5. 日仏は、引き続きイラクで活動を行うNGOを支援するとともに、NGOのプロジェクトに対する資金協力を検討していく。

  6. 日仏独総合調整委員会の設置は、2月の岡本総理大臣補佐官の訪欧の際にこれら3ヶ国によって合意された。総合調整委員会の第1回会合は、対イラクの人道復興プロジェクトについてのこれら3ヶ国の調整及び協力について議論するため、2月25日にヨルダンにおいて開催された。本件会合の参加者は、総合調整委員会を通じて、ヨルダンにおけるイラクの人材育成事業及びイラクで活動を行うNGOに対する支援等に関し、更なる協力の可能性を模索することについて合意した。


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