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セイヨム外務大臣の今次訪日は、2002年8月の川口外務大臣のエチオピア訪問に続くものであり、同国がホストするTICAD III準備会合前のタイミングで行われた。両国外相による会談においてアフリカにおける大国の一つであるエチオピアの平和への積極的貢献、アジア・アフリカ協力の推進、並びにTICADプロセスに対する理解と継続的な協力が再確認されたことは、2003年秋のTICAD IIIを成功に導く上で弾みをつけるものとなった。
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近年最大の旱魃被害に見舞われている同国に対し10億円を限度とする食糧援助実施をタイムリーに表明し、また、同国の国際収支の改善に資する10億円のノンプロ無償の交換公文の締結を同外相訪日のタイミングで行ったことは、日本が同国の開発パートナーであることを強く印象づけ、相互のより強固な信頼感を醸成することができた。
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大分県での「一村一品運動」の視察は、連邦制をとるエチオピアが今後開発を推進していく上で、コミュニティ主体による産業振興のあり方並びにかかる住民のイニシアチブへの行政の関わり方につき見識を深めることができた。また日本民間人との会食等を通じた意見交換は、二国間の交流が政府間レベルにとどまらず広く民間レベルにおいても活発に行われていることを実感する良い機会となった。
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