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主な要人の来日日程
ラゴス・チリ共和国大統領訪日
日・チリ共同新聞発表

平成15年2月14日
於:東京

1.はじめに

 リカルド・ラゴス・エスコバル・チリ共和国大統領は、バロス外務大臣代行、ロドリゲス経済大臣、上院議員及び経済界の要人とともに、2003年2月12日~15日、日本国を公式訪問した。
 滞在中、ラゴス大統領は、皇太子殿下との御会見、続いて宮中午餐に出席された。御会見において、同大統領は、天皇陛下の早期のご回復を祈念するとともに、皇族のチリ訪問を招請した。
 同大統領は、小泉総理大臣との間で首脳会談を行い、続いて総理主催晩餐会に出席された。また、綿貫衆議院議長、倉田参議院議長及び日チリ友好議員連盟のメンバーと懇談したほか、日本政府や経済界の要人と会談した。さらに、国際協力事業団(JICA)総裁の表敬を受け、その中で、JICA総裁より、「日・チリ・パートナーシップ・プログラム(JCPP)」の枠組みにおいてこれまでに実施されたプログラムの概要と評価を記したJICAとチリ国際協力庁(AGCI)間の署名文書が大統領に提出された。また、ラゴス大統領は、NTT武蔵野研究センターを訪問し、IT分野における日チリ間のこれまでの協力の成果や、チリにおける天文学研究を紹介する映像を流す実験を視察した。

2.21世紀における新たな日・チリ関係の展望

 日本国滞在中、ラゴス大統領は、小泉総理大臣との間の首脳会談において、二国間関係の現状と展望、及び地域情勢や世界情勢に関する意見交換を行った。

(1) 政治関係の強化

 首脳会談において、両首脳は、二国間関係の現状について話し合い、本年度に実施された頻繁な要人往来に言及しつつ、両国関係が一層緊密化しており、活発かつ幅広い分野において進展しているとの認識を共有した。両首脳は、両国関係の包括的な発展のため、友好協力関係がさらに発展することを期待する旨表明した。ラゴス大統領は、2004年にチリにおいて開催されるAPEC首脳会談を成功させるべく努力する所存であり、日本が重要な貢献をし、積極的な役割を果たすことへの期待を表明した。小泉総理からは、APECにおいても、日・チリ間の協力を深化させていくべき点に同意する旨述べた。

(2) 経済関係の強化

 ラゴス大統領は、チリ経済の現状について説明し、これを受け、小泉総理は、同国経済が堅調に推移していることを評価するとともに、両国間の経済関係が活発に推移していることを歓迎した。ラゴス大統領は、貿易自由化、及びWTO交渉において両国が果たす重要な役割に言及するとともに、同国が最近合意に達した、EU、韓国、及び米国との自由貿易協定について説明した。さらに、同大統領は、チリがアジア太平洋地域との経済関係の強化を重視しており、特に日本との自由貿易協定締結に向けた進展を要望する旨述べた。また、日チリ経済委員会の果たす重要な役割に言及しつつ、両国の民間レベルで有意義な対話が実現していることを強調した。これを受け、小泉総理は、チリとの自由貿易協定の議論に関しては、我が国と他国とのFTA交渉及びWTO交渉の動向を踏まえつつ、十分時間をかけて両国間で引き続きよく相談していきたいとした。一方で、両国の経済関係を強化することの重要性に留意し、両国の経済関係強化に資する幅広い分野について話し合うための「二国間経済協議」の立ち上げを提案した。ラゴス大統領はこれを歓迎し、両国政府関係者の間で今後の日程を調整するよう促した。

(3) 二国間協力関係の強化

(a) 両首脳は、両国の協力関係が順調に発展していることを歓迎した。両首脳は、両国が「日・チリ・パートナーシップ・プログラム(JCPP)」の枠組みにおいて実現してきた成果に満足の意を表するとともに、右枠組みの継続に係る政府間文書が署名されることを歓迎した。また、小泉総理は、IT分野(バルパライソのIT開発センター(CITIC))における日本の技術協力に言及した。これを受け、ラゴス大統領は、チリにおけるITに係る取組の重要性に言及し、日本の同分野における協力に対し深甚なる感謝の意を表するとともに、同センターが他の中南米諸国へのIT技術の普及に貢献することへの期待を表明した。

(b) 両首脳は、両国間の文化・学術交流に関し、チリにおける「日本講座」、両国の大学間の学術交流、日チリ21世紀委員会の活動に言及した。両首脳は、これらの分野における二国間協力がより一層促進される旨の希望を共有した。


3.国際的な諸課題

 国際場裡における二国間協力に関し、ラゴス大統領は、チリが安保理非常任理事国(2003-2004年)として果たす役割に言及した。両首脳は、テロ対策、世界平和や国際社会を脅かす問題の解決のため、国際社会が協調することの重要性を強調した。この意味において、アジア太平洋及び中南米地域間関係が一層緊密化することの重要性を共有し、既存の様々なメカニズムを強化していくことへのさらなる協力を強調した。この中で、ラゴス大統領は、東アジア・ラテンアメリカ・フォーラム(FEALAC)の果たす役割について言及した。

 ラゴス大統領は、中南米地域情勢について説明し、また、小泉総理はアジア地域における現状に言及した。両首脳は、国際法の遵守と平和維持の尊重の下、国連の査察プロセスの失敗は、国際社会の平和と安全を脅かすものであり、イラク政府に対し、大量破壊兵器の廃棄をはじめ、すべての関連国連安保理決議を完全に履行するよう求めた。また、両首脳は、北朝鮮が、核兵器不拡散条約から脱退を表明したことに対する遺憾の意を表するとともに、この問題に関して国際社会が一致して取り組んでいくことの重要性を強調した。

 会談の終わりに、ラゴス大統領は、今回の公式訪問について日本政府に対する感謝の意を表するとともに、2004年11月にサンティアゴにおいて開催が予定されているAPEC首脳会合において小泉総理をチリにお迎えできるのを楽しみにしている旨表明した。


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