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主な要人の来日日程

日英首脳共同声明
世界をリードするIT国家としての日英の協力
(仮訳)


平成15年7月19日



 21世紀において地球規模でより大きな繁栄をもたらすために情報通信技術(IT)の普遍的な応用は、極めて重要である。ITは、我々の生活や仕事を充実させる。ITは、個人や組織の能力を高め、新たなビジネスや雇用機会の増大を促す。ITは、すべての国民に対するより良い公共サービスの提供に貢献し、またビジネスの生産性や機会を増大させる。
 我々は、世界で最も先進的な知識経済である日本と英国の総理大臣として、先端技術の研究、開発及び導入において協力していくことへの決意を再確認する。我々はまた、電子商取引及び電子政府を助長、促進させることへの決意を確認する。我々は、2005年までに両国国民全てがインターネットを使える状況を実現するとの目標を再確認する。
 我々は、「UKオンライン」、「e-ヨーロッパ」及び「e-Japan戦略」を通じて、我々の国民にインターネットの利用を思いとどまらせ、企業や政府機関が経済活動及び社会活動のためにITを最大限に活用することを妨げている障害を克服するための努力を強化していく。
 さらに、両国は、特に開発途上国からの要請に応えるべく、世界規模でITによってもたらされる機会を増やすために協力していく。
 日英のIT産業は、両国民からの需要や期待に応えるブロードバンド・インターネットや新世代移動通信といったITサービスを提供するために必要とされる基盤の創出に成功した。しかしながら、技術は引き続き急速に進歩を遂げており、IT関連の新しい製品やサービスが開発されているため、我々は、自らの規制政策が引き続き競争指向的で、かつIT産業、企業利用者及び消費者の需要に十分に答えるものであることを確保しなければならない。
 我々は、国家戦略や規制枠組をより良いものとするために、引き続き、互いの経験から学びあい、政策についての考え方を共有していく。

 我々は、日本と英国が協力していく分野を以下の通り具体的に特定した。

1.ユビキタス・ネットワーク社会の実現

 技術進歩の速度が速いということは、日英両国が、全ての国民がどこでもいつでも情報ネットワークに接続することができるユビキタス・ネットワーク社会という将来像の実現に向かって前進していることを意味する。日英両国が、最先端技術の研究、開発及び導入において協力することは、ユビキタス・ネットワークの実現にとって必要となる基盤の構築に資する。
 インターネット及び通信技術のさらなる発展により、我々の日常生活、電子ビジネス及び電子政府のあらゆる面に影響を与える新たな機会が創出される。特に、第3世代移動通信サービスを成功裏に促進し、次世代の移動通信システムの開発を行うことは、我々が直面している2つの重要な課題である。
 さらに、広範囲におけるデジタル放送への移行により、各家庭が、これらの応用技術やサービスを容易に利用できるようになる。我々は、世界で最も先進的な我々のIT産業や研究機関間での協力が、これらの目的達成に資するものと信じる。
 我々はまた、有線、無線双方についての継ぎ目のないブロードバンド・サービスの普及、及び、デジタル・コンテンツの配信を促していくことが引き続き必要であると認識している。
 我々は、日英各々の国家的計画である「UKオンライン」及び「e-Japan戦略」、さらに、「e-ヨーロッパ・ブロードバンド戦略」、「アジア・ブロードバンド計画」及び「アジアITイニシアティブ」のような地域的な取り組みを通じて、引き続きこれらに努めていく。

2.電子商取引の発展促進

 ITは、ビジネスの効率、生産性及び競争力をより高めることで、すでにビジネス自体を一変させつつある。我々は、今、企業への支援、援助の焦点を、ITをビジネス・プロセスに十分統合させていくことにあてる必要がある。このことを通じて我々は、企業が電子商取引を導入し、新たな市場機会を実現する可能性を高めることとなる。
 従って、我々は、特に、「消費者の信頼及び安全性の強化」、「ブロードバンドに入る入口として鍵となるパソコンの促進」、「電子商取引ルールの調和に向けた支援」及び「適切な水準のIT技能標準の確立」に焦点をあてつつ、両政府が2001年に発出した「電子商取引に関する日英共同声明」の目的と熱意に立脚して行動することを目指す。
 地球上での更なる繁栄と福祉の向上を促す上で、電子商取引は、国際貿易の全ての局面に十分統合されることが、極めて重要である。従って、日本と英国は、適切であれば欧州連合を通じて、国際貿易を支えることとなる電子商取引に関する多数国間のルールを創り出していくために、適切な国際的な場において協力していく。

3.政府及び教育におけるITの利用

 電子政府の開発における世界のリーダーとして、我々が、我が国民や企業が求め、かつ期待する政府のサービスの電子的な提供に関する政策についての考え方や互いの経験を引き続き共有していくことが重要である。
 学習におけるIT利用(以下eラーニング)は、もう一つの重要な協力分野である。eラーニングから最大限に恩恵を得るため、我々は、例えば、学習の過程を支援するためのコンテンツの創造、共有及び持続を可能とするような技術的基準に関する国際的合意の確保を支援することにより、eラーニングのための環境づくりに向けて協力していくことが必要である。

4.ITに接する機会の構築

 我々は、ITには、開発途上国が直面する経済的課題を克服することを助け、最も貧しい人々の生活を改善させる潜在力があると信じている。それ故、開発途上国が情報活用のための機会を得られるよう、我々は、すべての利害関係者や関係する国際機関と協力して、開発途上国が抱える課題に取り組んでいくという決意を再確認する。
 我々は、世界情報社会サミット(WSIS)がこの点において重要な役割を果たすことを信じるとともに、このサミットが実りある成果を達成する上で、我々が各々の役割を果たすことを目指す。

2003年7月19日 箱根


日本国総理大臣
小泉純一郎
英国首相   
トニー・ブレア


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