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多様な機会を通じた日越関係の重層的・多角的発展の推進
今回の訪日は、首脳会談にとどまらず、衆・参両議長、ベトナムに関心を有する国会議員との懇談、日本経団連をはじめとする民間関係者との意見交換、更にマイン書記長自身による民間企業視察、大阪訪問等を通じ、政治・経済・文化等幅広い分野においてダイナミックに発展する日越二国間関係を一層強化するものである。
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ベトナムの投資環境の改善を通じた日越経済関係の促進
今回訪日直前に発生した「バイク部品輸入枠割当問題(注)」は、バイク業界のみならず日本投資家及び企業の対越投資一般に関する不安感を惹起したが、官民問わず様々なレベルから投資環境の改善を申し入れた結果、マイン書記長からはそれに向けた努力が確約されたところ、日本としてベトナム側の具体的改善策に引き続き注視する必要がある。併せて、日本投資家の権利保護及び投資促進を目指した日越投資協定の年内実質作業終了で首脳間が一致したことは、両国経済関係の更なる発展を後押しするものと評価される。
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小泉総理の対ASEANイニシアティブの着実な実施
「日ASEAN包括的連携構想」の日越間における具体的取組の第一歩といえる投資協定締結に向けた作業促進、「日本ASEAN交流年」事業における協力等が首脳レベルで確認された。「日ASEAN協力」の枠組の中における重要な柱を、より具体化したものと評価できる。
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地域的・国際的課題への取組
北朝鮮問題等につき率直な意見交換を行うことができたことは、日越両国が地域の平和と安定に関心を有するパートナーであることの証左。日本の関心の高いCTBTに関し、マイン書記長が小泉総理に対し早期批准に向けた努力を明言したことは、これまでのベトナムの対応から一歩踏み込むもの。日本として早期批准の実現に向けた越国内手続の経過を見守っていくこととしたい。
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(注) |
9月4日、商業省からの通達により、バイク・メーカー各社の2002年のバイク部品輸入割当数が設定された。同割当数は、当初の輸入計画を大きく下回るものであり、日系各社は生産を抑え、或いは停止せざるを得なくなった。
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