(1) |
同外相をこの時期に日本に招聘した主たる目的は、(a)日本モンゴル外交関係樹立30周年という節目の年にハイレベルでの交流を行うことにより、日本にとって重要な友好国であるモンゴルとの協力関係の拡大・深化を図ること、(b)特に、2001年2月のエンフバヤル首相訪日の際にも森総理(当時)との間で再確認した「総合的パートナーシップ」確立のために、政治レベルでの意思疎通を強化すること、の2点であった。
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(2) |
「エ」外相は、小泉総理との会見、川口外務大臣との会談、報道機関インタビュー等を通じ一貫して、(a)モンゴルの民主化・市場経済化努力に対する日本の支援について謝意を表明するとともに、引き続き支援が必要である旨述べつつ、(b)日モンゴル関係は日本がモンゴルを支援するという一方向の関係になっており、モンゴルとしても「総合的パートナーシップ」確立のため、互恵的な関係を目指して努力すること、を表明していた。
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(3) |
我が方からは、外相会談等においてモンゴルの民主化・市場経済化努力を支援していく旨を明確に表明した。我が国のこうした態度表明は日モンゴル関係の根幹に関わるものであり、モンゴル側の高い評価を得た。そのような意味で、モンゴル国営テレビに対する番組ソフトの供与に関する文化無償の交換公文の署名は、その内容が人材育成に関わるものであるだけに、実務的な意義に加え、象徴的意義を有することになったと言えよう。
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なお、エルデネチョローン外相訪日中にモンゴル出身力士の朝青龍が大関昇進を決めたこともあり、一般国民のモンゴルに対する関心の高まりを背景に、その結果としてエルデネチョローン外相来日自体も日本のメディアに少なからず取り上げられ、両国関係に対する日本国民の関心を高める上で、大きな意義があったと考えられる。
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