平成13年5月
1. 訪問の概要
ラフモノフ・タジキスタン大統領は5月14日より18日まで我が国を実務訪問した。ラフモノフ大統領は滞在中、天皇陛下と御会見するとともに小泉総理と首脳会談を行った。大統領は、更に、国連大学でスピーチを行ったほか、世銀主催のタジキスタン支援国会合、日本タジキスタン協会設立式、タジキスタン貿易投資セミナーに出席した。
2. 首脳会談(16日)
会談終了後、両国首脳は、両国間の協力関係の発展等を内容とする「日本国とタジキスタン共和国の友好と協力に関する共同声明」に署名を行った。
3. 訪問の成果
今次訪問はタジキスタンの国家元首による初めての訪日。これまでカザフスタン、ウズベキスタンなどの中央アジア主要国とは、大統領の訪日を含め関係が大きく進展してるが、タジキスタンについては、独立直後から内戦が続いていたこともあり、要人往来を含め二国間関係の構築において大きく出遅れていた。 このような観点から、今次訪問は、今後二国間関係を質的に新たな発展段階に移行させる上で重要な契機となった。
今次訪問と同時に開催された世銀主催のタジキスタン支援国会合において、我が国は、タジキスタンの地政学的重要性及びタジキスタン和平の重要性を認識し、総額25億円規模の支援を表明し、これまで同国に対して行ってきた我が国の支援の姿勢をタジキスタンのみならずドナー各国に対してアピールすることができた。 この点についてタジキスタン政府はきわめて高く評価しており、二国間関係を発展させていく上で極めて有意義であった。
今次訪日にあわせて、民間の任意団体である日本タジキスタン協会(会長:渡邊幸治元駐露大使)が設立され、今後民間レベルでの交流の発展も期待される。 また、経済団体との朝食会や国連大学における講演、貿易投資セミナーなどを通して、これまで我が国であまり知られることのなかったタジキスタンに対する研究者、経済関係者の関心を高めることができた。