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米国同時多発テロ事件
会談では、日本側より、ジョルダンが今次テロ事件を直ちに断固として非難し、国際社会によるテロに対する闘いを支持する旨一貫して表明してきていることを評価する旨述べると共に、テロ問題におけるジョルダンの重要性を強く認識している旨述べ、日本として今回の闘いはテロに対する闘いであり、アラブ・イスラムとの闘いではないと考えている旨強調した。これに対して、ジョルダン側より、ジョルダン自身もこれまでテロの被害を被っており、これと闘ってきている、今次事件後も米とは緊密な協議を行ってきており、米軍は軍事行動に成功しなければならない旨の発言があった。
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中東和平
中東和平問題については、ジョルダン側より、現在のパレスチナ情勢について強い懸念が表明されると共に、パレスチナ人に対して希望の光を与えるためにも、主要国がパレスチナ国家樹立への支持を表明することが重要である旨述べた。また、ジョルダンはこれまでも両当事者を交渉のテーブルに戻すために絶え間ない努力を行っているが、日本は中東地域で尊敬されており、米、EU同様に和平実現のための一層積極的な取り組みを期待する旨発言があった。これに対して日本側よりは、小泉総理よりの書簡の発出や田中大臣の電話会談といった取り組みを通じてイスラエル側に対し自制を呼びかけているが、テロに対する国際的連携にアラブ・イスラム諸国の協力を得るためにも、中東和平を進めることは重要であり、今後も積極的な役割を果たしていきたい旨述べた。
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二国間関係
二国間関係につき、ジョルダン側より、アブドッラー国王から小泉総理宛の親書が手交されると共に、テロとの闘いや中東和平問題においてジョルダンが果たしている役割の重要性を強調した上で、現在莫大な債務(日本が最大の債権国)を抱え、失業率、貧困率等が高い水準にあるので、日本からの援助を期待する旨発言があった。これに対して、日本側よりは、日本も厳しい経済・財政状況にあり、削減の方向にあるODAは、有効かつ重点的に行っていく必要があるが、ジョルダンの厳しい経済状況、テロ問題、中東和平等におけるジョルダンの重要性は十分に理解したので、中東和平に資する方法で協力を行っていきたい旨述べた。 |