外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 会談・訪問 小泉総理大臣
小泉総理大臣

小泉総理の韓国訪問(平成13年10月15日)
西大門(ソデムン)独立公園における発言

 今、いろいろ内部を参観させて頂きました。しばし悲痛な思いで言葉にも出せない気持ちですが、日本国総理大臣として初めて韓国を訪問し、そして今日、過去の忌まわしい歴史の一部を見させて頂きました。
 日本の植民地支配によって韓国の国民に対して多大な損害と苦痛を与えたことに対しまして、心からの反省とまたお詫びの気持ちをもって、いま、色々な展示や施設や拷問のあとを見させて頂きまして、これは総理大臣としてというよりもむしろ、一人の政治家として、一人の人間として、このような苦痛と犠牲を強いられた方々の無念の気持ち、これを忘れてはいけないなと思いました。
 これまでは、韓国も外国の侵略、そして祖国の分断、しかも同胞との戦いという大変辛い思いをし、苦労もされ、しかもそのような大きな、想像を絶するような苦しみに堪えて、今や民主主義社会として力強く発展していることに対しまして、心から敬意を表したいと思います。
 日韓関係を見ますと、こういう過去の歴史を踏まえながら、これから互いに、反省しつつこのような二度と苦難の歴史を歩まないよう協力して行かなければならないということを痛感しております。
 ちょうど21世紀の初頭、20世紀の色々不幸な歴史がありましたけれども、その歴史を直視しつつも、新しい未来に向かって、お互い協力できる分野、明るい展望をもって提携していける分野にこのように力を注いで、日韓の友好がアジアの発展に、そして世界の安定に寄与できるようなお互いの良い友好協力関係ができればなと現在思っております。
 日韓両国は、自由と民主主義と市場経済、その下に発展していこうという、ともに共有する価値を持っていると思います。そして、今、その自由と民主主義を脅かすテロがニューヨーク、ワシントンで発生し、このテロ対策、これは全人類に対する大きな、卑劣な攻撃で、このテロ対応に当たっても、これから日韓両国がお互い協力しながら、このテロ撲滅、抑止に向けて協力していこうと思っています。
 日本とアメリカは過去、戦争を起こしましたけれども、今や世界の中で最も友好関係を発展させている重要な二国間関係です。昨日戦った、そのお互いにその戦いを反省しながら、自ら友好関係を築いたという、この日米関係を見習い、日本としても韓国と、日米関係に勝るとも劣らない、この日韓友好関係の、素晴らしい二国間関係に、この21世紀の時代にはしたいなと思っております。
 韓国、アメリカ、日本というのは、お互い同盟関係にある、そして、アメリカと韓国と日本、これまた民主主義と市場経済を重視しております。この三国が協力することによって、さらにアジア全体の発展、世界の繁栄に寄与するのではないかと、心から私は、そう思っています。
 来年は、日韓のワールドカップを控えております。このワールドカップを韓国、日本、両国の交流事業の一つとして、お互い成功させ、21世紀初めての大きな共同事業ですが、この日韓共催ワールドカップがこれからの日韓両国のますます広がる協力分野の一つとして重要な事業、お互い知恵を出しながら考えて、それぞれの立場で日韓の協力を広めて、日韓友好関係の発展を期して行きたいと思います。今日はいろいろ考えさせられ、反省させられながらもいい勉強になりました。良い見学ができました。このような過去の歴史を見つめることが私は将来の友好発展のために大変有意義なものにしていかなければならないと思います。これから明るい展望をもって、未来に向かって、この日韓友好の絆を力強く進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。


BACK


外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省