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小泉総理大臣

小泉総理のベルギー訪問
(第10回日・EU定期首脳協議/概要と評価)

平成13年12月9日

1.概要

(1) 小泉総理は、欧州連合(EU)議長国のベルギーを訪問し、12月8日にヴェルホフスタット首相及びプローディ欧州委員会委員長等との間で、第10回日・EU定期首脳協議を行った(上野官房副長官他が同行。)。

(2) 協議では、日・EU関係を政治面・経済面を始めとして包括的に強化していくことを確認した。また、米国における9月11日の事件を契機とした国際社会によるテロに対する闘い、アフガニスタンにおける和平・復興支援、中東和平、その他の地域に係る国際情勢等について意見交換するとともに、WTOの新ラウンドや双方向の貿易・投資の拡大に向けての協力を含む国際経済問題につき議論した。

(3) 協議終了後、今後の日・EU協力を更に具体化する方策を記した「日・EU協力のための行動計画」(本文概要)及びテロに対する取組を示した「テロに関する日・EU共同宣言」を発出し、さらに、今回の協議の成果を共同プレス・ステートメントとして発表した。

2.協議内容要旨

(1) 日・EU関係
 2001年から始まる「日欧協力の10年」を機に、採択された行動計画の実施を通じて、日欧関係を一層強化していくことを確認した。

(2) テロに対する闘いについての協力
 テロ撲滅に向け、米国を含む国際社会との連帯の下、日・EUが協力し、断固たる意思と決意で取り組んでいくことを確認した。

(3) 国際経済情勢
 世界経済が同時的に減速していることに対応して、世界経済の約4割をしめる日・EUが協力していくことを確認した。総理より、日本が進めている構造改革について詳細に説明し、EU側はこれに強い支持を表明した。両者は、日本の改革とEUの統合と拡大、更にはユーロの導入が、日本とEUのみならず世界経済に弾みをつける意味でも重要である旨確認した。さらに、WTOにおける協力、双方向の投資・貿易の拡大も重要であるとの点で認識が一致した。総理よりは、今後の欧州企業による一層の対日投資を歓迎する旨述べた。

(4) 国際情勢
 日本とEUは、それぞれが相手の属する地域の問題に協力し合う(クロス・サポート)という考え方の下、従来より協力を行ってきている。今回も、ワーキング・ランチの際に、アフガニスタン、インド・パキスタン、中東和平、朝鮮半島、中国、ロシア等幅広い地域につき、率直かつ忌憚のない意見交換を行った。特にアフガニスタン情勢については、暫定政権の樹立に各派が合意したことを歓迎するとともに、復興支援のため、今月のブラッセルでの会合及び来月の日本での閣僚級会合を成功させるべく協力していくことを確認した。

(5) その他
 2002年2月にプローディ委員長を日本に招待していることに関し、小泉総理より、再会を楽しみにしている旨述べた。

3.今次協議の評価

(1) 2001年は、91年に日・EU関係の基本文書である「日・EC共同宣言」が発出されてから10年目であり、また、「日欧協力の10年」の最初の年である。そうした日・EU関係の大きな節目の年に開催された今回の首脳協議では、「日・EU協力に関する行動計画」が採択された
 同文書では、21世紀における日・EUパートナーシップを一層強化し、行動志向的な協力関係を推進するため、「平和と安全の促進」「経済・貿易関係の強化」「地球規模の問題及び社会的課題への挑戦」「人的・文化的交流の促進」4つを重点目標とし、その下で21の分野別の具体的措置を定めており、必要に応じ、毎年開催される首脳協議の際に改訂していく予定。

(2) また、今次首脳協議においては、テロに対する取組を示した「テロに関する共同宣言」が発出された。この宣言は、テロ撲滅に向けた日・EUの断固たる意志と決意、米国を含む国際社会との連帯を世界に示すものであり、今後、日・EUが協力して行動計画に盛り込まれた措置を実施していくことになる。

(3) EUは、着実に統合の深化と拡大を進める(2002年1月から単一通貨ユーロの流通を開始、2004年にも中・東欧諸国の中から新規加盟国が見込まれる等)一方、将来の欧州のあるべき像につき模索している。14日~15日には、ラーケン(ベルギー)で欧州理事会(EU首脳会議)が開催され、欧州の将来像につき議論することとなっていることから、その直前に開催された今次協議は、EUに対し日本の存在を強く印象づけることになったと考えている。

(4) 日本と欧州は歴史的に深い関係を有していることに加え、現在の日・EUのGDPは世界の約4割を占めており、世界の平和と繁栄に重要な責務を負っている。日・EUは、既に様々な分野で協力を強化しているが、今後は、今回の協議の成果を踏まえて、上述の行動計画の実施等を通じて、協力を具体化し、日欧関係に新たな弾みをつけていくことが重要と考えられる。


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