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高村総理特使の仏、エジプト訪問
(概要と成果)


平成14年12月


1.概要

 高村総理特使は、11月28日から12月3日まで、仏とエジプトを訪問し、11月29日にパリにおいてグルドー・モンターニュ仏大統領外交顧問と、12月1日にカイロにおいてムバラク・エジプト大統領、マーヘル外相、ムーサ・アラブ連盟事務総長と会談を行った。

(1) 日本側メッセージ

 両国における会談を通じて高村特使は以下のメッセージを先方に伝えた。

(イ) イラクの大量破壊兵器問題を国連を中心に平和的に解決したい。

(ロ) そのためには、イラクが安保理決議1441を遵守し、国連査察への協力を継続し、短期的には12月8日期限の国連への申告に誠実に対応し、最終的には、すべての大量破壊兵器を廃棄することが唯一の道。

(ハ) 安保理決議1441の全会一致の採択のための仏の努力、国連査察団受け入れのための仏・エジプト両国およびアラブ連盟による対イラク働きかけを高く評価。今後とも対イラク働きかけを継続するよう要請。また、エジプト・アラブ連盟に対し日本は米国にも国際的協調の必要性を呼びかけている旨伝達。

(ニ) (仏に対し)今後ともイラク問題につき安保理の一体性維持の努力を要請。

(ホ) (エジプト、アラブ連盟に対し)中東和平問題も中東の平和と安定にとり重大であり、米国の積極的関与が必要。日本もその解決のために協力。

(2) 仏の反応

(イ) アラブ諸国との連携を強化し、アラブ諸国を通じてイラクにメッセージを伝達していく必要があり、仏はこれを実施。今回の日本の特使も当にそれを実行。シリアの役割は重要。

(ロ) 安保理の一体性の保持の必要性は同意。加えて、イラクによる「重大な違反」やそれへの対応は安保理が決定すべし。軍事的手段は最後の手段。

(ハ) イラク問題については、日仏の連携を緊密にして、協力して対処していきたい。

(3) エジプトの反応

(イ) 対イラク働きかけは、首脳レベルで実施しており、かなり効果が見える。米国にも単独行動を避けるよう働きかけている。

(ロ) 日本が今回のイラク問題に関する特使のほか、中東和平の特使を派遣して、問題の平和的解決に協力していくことに感謝。戦争回避がアラブ諸国の願い。日本にさらなる協力を願いたい。

(ハ) 中東の不安定性のより本質的原因は、中東和平問題にあることを理解願いたい。シャロン政権の強硬な政策では、テロをかえって激化させるばかりで、和平の進展をきわめて難しくしている。アラファト議長は、確かに問題はあるが、パレスチナ人に妥協させることができる唯一の指導者である。

(ニ) 中東和平についての日本政府の政治役割の強化を歓迎。米国・イスラエルへの働きかけに協力願いたい。


2.成果

(1) イラクへの働きかけにつき各関係者から前向きの反応を得ると同時に、今回の特使派遣自体が、問題の平和的解決のための努力として、いずれの会談でも高く評価された。

(2) エジプトやアラブ諸国における中東和平問題に関するきわめて厳しい現状認識の表明により、この問題解決のためのいっそうの努力の必要性が感じられた。

(3) 関係諸国から日本との緊密な協議・連携への期待が表明され、今後の日本の中東における外交的イニシアティブの基礎となることが期待される。



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