(1) |
農業
閣僚宣言案を今後の調整のベースとすることで概ね認識が一致した。ケアンズ諸国は、農業を工業品と同じルールの下におくべきとする、農工一体論を主張したのに対し、我が方より、閣僚宣言案は既に開始されている農業交渉の結果を先取りすべきではなく、また、予め各国の立場が排除されないようにすべき旨主張した。
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(2) |
環境
宣言案では、「貿易と環境」の問題は、基本的に研究を継続することとされ、交渉対象として明記されていない。これに関し、「貿易と環境」の交渉なしに新ラウンドはあり得ないとする国と、環境を交渉することに警戒感を示し反対している国との間で意見の一致は見られなかった。
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(3) |
「実施」問題
一部の途上国はこれまでの成果を不満とし、より大きな成果がパッケージで示されることを要求した。これに対し、先進国及び一部の途上国は、交渉が必要なものは新ラウンド立ち上げ後に交渉あるいは作業部会の中で取り扱うべしとの意見であった。
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(4) |
投資
宣言案では、投資ルールの交渉を行う、あるいは研究を継続するとの両論併記となっている。これに関し、我が方より、投資ルールの交渉は必要であるとしつつ、途上国の懸念に応えるための柔軟性を示唆した。これに対して、賛成する意見があったが、まだ交渉する準備ができていないとの主張もあった。
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(5) |
ダンピング防止措置(AD)
我が方より、ADを交渉に含めることが必要である旨主張したのに対し、一部の国よりADを交渉することを明記した現在の宣言案は受け入れられないとの反応があり、宣言の書き方について調整が必要であるとの主張もあった。
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(6) |
知的所有権協定(TRIPS)と医薬品アクセス
未だ意見は収斂していないが、TRIPS協定がエイズ薬及びその他の感染症対策の障害となってはならないとの点については認識が共有された。 |