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シンガポール主催WTO非公式閣僚会合の概要

平成13年10月15日

  1. 10月13日及び14日、シンガポール主催でWTO非公式閣僚会合が開催された。この会合には、新ラウンド立ち上げに向け重要な役割を演ずる主要メンバーの閣僚等(21ヶ国・地域の閣僚およびWTO事務局長)が参加した。我が国からは、田中外務大臣、平沼経済産業大臣が出席した。

  2. 今回の会合では、新ラウンド交渉の立ち上げに向けて、農業、環境、「実施」問題、シンガポール・イシュー(特に投資、競争)、ダンピング防止措置等の主要な議題について、ハービンソン一般理事会議長の閣僚宣言案に基づき、閣僚間で活発な意見交換が行われた。各国の立場に未だ隔たりがある分野も残されているが、11月のWTO第4回閣僚会議で新ラウンドを立ち上げるとの気運は更に高まった。特に、世界経済の先行きが不透明となっている中で、世界経済の建て直しのためにも、新ラウンドの立ち上げが重要であるとの認識が共有された。

  3. それぞれの議題における議論の概要は次のとおり。

    (1) 農業
     閣僚宣言案を今後の調整のベースとすることで概ね認識が一致した。ケアンズ諸国は、農業を工業品と同じルールの下におくべきとする、農工一体論を主張したのに対し、我が方より、閣僚宣言案は既に開始されている農業交渉の結果を先取りすべきではなく、また、予め各国の立場が排除されないようにすべき旨主張した。

    (2) 環境
     宣言案では、「貿易と環境」の問題は、基本的に研究を継続することとされ、交渉対象として明記されていない。これに関し、「貿易と環境」の交渉なしに新ラウンドはあり得ないとする国と、環境を交渉することに警戒感を示し反対している国との間で意見の一致は見られなかった。

    (3) 「実施」問題
     一部の途上国はこれまでの成果を不満とし、より大きな成果がパッケージで示されることを要求した。これに対し、先進国及び一部の途上国は、交渉が必要なものは新ラウンド立ち上げ後に交渉あるいは作業部会の中で取り扱うべしとの意見であった。

    (4) 投資
     宣言案では、投資ルールの交渉を行う、あるいは研究を継続するとの両論併記となっている。これに関し、我が方より、投資ルールの交渉は必要であるとしつつ、途上国の懸念に応えるための柔軟性を示唆した。これに対して、賛成する意見があったが、まだ交渉する準備ができていないとの主張もあった。

    (5) ダンピング防止措置(AD)
     我が方より、ADを交渉に含めることが必要である旨主張したのに対し、一部の国よりADを交渉することを明記した現在の宣言案は受け入れられないとの反応があり、宣言の書き方について調整が必要であるとの主張もあった。

    (6) 知的所有権協定(TRIPS)と医薬品アクセス
     未だ意見は収斂していないが、TRIPS協定がエイズ薬及びその他の感染症対策の障害となってはならないとの点については認識が共有された。

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