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経済


WTOサービス交渉の現状
初期オファーの提出

平成15年4月

 ドーハ閣僚会議で決定された初期オファーの提出期限(閣僚宣言パラ15)にしたがい、日本は、3月31日までにWTO事務局に対し日本の初期オファーを提出した。

1.基本的考え

(1) 自主的自由化の積極的オファー
サービス貿易の自由化は、消費者の選択肢の拡大、直接投資や雇用の拡大、技術移転や市場の活性化等を通じて輸入国、輸出国双方に利益をもたらすとの基本的考えに基づき、交渉を積極的に推進するとの立場より、率先して自由化をオファー。
具体的には、ウルグァイ・ラウンド交渉以降、自由化・規制緩和を進めてきた分野について、積極的にオファー。


(2) 途上国の関心分野への配慮
途上国が関心を表明している人の移動、実務サービス、観光等の分野において約束を改善した。


(3) 交渉上の配慮
日本のオファーは、各国から十分なオファーが行われる(先進国については日本に見合う水準の約束、途上国については、それぞれの開発段階等に照らして十分な約束の改善が行われる)ことを前提とするとの条件付きで提示したもの。
また、各サービスがどの分野に分類されるかという問題や用語の定義の問題など、技術的或いは実体的な問題についての議論が継続中の分野もあり、これらの分野については、技術的側面、実体的側面の双方から、オファーを修正、拡大(追加)、縮小(撤回)する権利を留保する。
オファー作成に当たっては、各国から受けた全てのリクエストについて真剣に検討した。他方、GATSの対象外と思われる分野・項目、マルチの交渉よりバイの取極めになじむと思われる項目等については、オファーを見合わせた。
ウルグァイ・ラウンド交渉時の約束は後退させていない。また約束の明瞭性を高めるため、CPC番号、注釈などを必要に応じ追加、修正した。


(4) MFN免除
海運サービスが今次ラウンドで合意に至った場合に最恵国待遇(MFN)原則の適用対象となることに伴い、MFNの免除も新たに登録した。ただしこれは日本のMFN原則を重視する立場を何ら変更するものではなく、これら項目についても可能な限りMFNベースの自由化を実現することを追求するものである。


(5) 追加的な分野横断的規律の策定への取組
正当な政策目的への考慮を行いつつ、国内規制に関する、分野横断的な規律の策定に向けて積極的に交渉に参加する所存。


2.初期オファーの概要(約束を拡大・改善した主要点)

(1) 分野横断(人の移動
日本は現在入管法上の様々な在留資格のうち、「企業内転勤」「短期滞在」について約束しているが、これに加え、「法律・会計業務」「技術」「人文知識・国際業務」の在留資格について追加的にオファー。


(2) 個別分野
法律、税務サービスについて、自然人(「弁護士」「弁理士」「税理士」)によるサービス提供に加えて、専門職法人(「弁護士法人」「特許業務法人」「税理士法人」)によるサービス提供を追加的にオファー。
人員の斡旋・提供サービスについて事業者の免許数制限を撤廃し、人員を斡旋・提供できる業種の拡大をオファー。
これまで約束を行っていなかったいくつかの「その他の実務サービス」について、新たな約束をオファー(調査、電話応答、メーリングリスト・サービス等)。
日本はこれまでクーリエ・サービスについて約束を行っていなかったが、信書便事業法の施行を踏まえて、信書便事業のうち、特定信書便事業につき新たにオファー。
電気通信については、日本はこれまでNTT、KDDについて外資規制、役員の国籍制限を留保していたが、この分野における規制改革を踏まえ、KDDに関する留保を撤廃。また、NTTの外資制限緩和(20%→33%)をオファー。
流通サービスの自由化約束の対象に、塩を含めることをオファー。
教育サービスのうち、「成人教育」、「その他教育サービス」全般につき新たに約束することをオファー(これまでは、成人のための外国語教育のみを約束)。
環境サービスについて現在提案されている新しい分類に基づいてオファー。他方、上水道については分類問題の行方を見守ることとしオファーせず。
金融サービスについては、97年合意において既に高いレベルの自由化約束を行っているところだが、今回はその後の法改正を踏まえた自由化措置をオファー(自賠責法改正による政府再保険制度の廃止等)。
観光サービスのうち、子供の休暇キャンプ・サービス等、これまで約束を行っていなかった小分野を約束し、観光分野全般の自由化をオファー。
海運サービスについては、海運交渉が96年に中断したため各国とも必ずしも十分な約束を行っていないところ、交渉の再開を受けてモデルスケジュールに基づいた約束(国際海運及びカーゴハンドリング等の海運補助サービス等)をオファー。

初期オファーの全文(仮訳)(PDF)


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