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自然人の移動についての日本ペーパー

平成13年6月

 本ペーパーは、2000年12月22日付けの日本の交渉提案(S/CSS/W/42)を受けて、人の移動についてより詳細に日本の立場を述べることを目的としている。

1. 目的

(1) サービス貿易の自由化プロセスにおいて、他のモードに比べて約束の水準が低いレベルにとどまっているとされる第4モードにおける貿易障壁の削減を推進することには大きな意義がある。特に、一定の条件の下で、企業内移転についての制限を削減する分野横断的な約束を各国が行えば、大きな効果が期待できる。また、経済のグローバル化と技術発展に伴い、高度な技術又は専門知識を有する専門家のサービス提供に対する需要が大きくなっている。これら専門的・技術的分野の外国のサービス提供者を一時的に受け入れることは、受け入れ国の経済の活性化と国際化に資することにつながり、途上国の場合には技術移転の観点からも有意義で、長期的には受け入れ国の国際競争力の向上にも貢献するであろう。

(2) 第4モードの対象は、サービス提供者の一時的な滞在であって、各国の長期的な移民政策及び犯罪者や感染病患者の入国等を防ぐ入国管理政策に影響を与えるものではない。第4モードの自由化に対しての抵抗が大きい原因の一つとして、サービス提供者の一時的な滞在を認めることと移民政策一般とが混同して議論される傾向があることが指摘できる。GATSの「自然人の移動に関する附属書」で合意されたように、雇用市場への参入を求める自然人に影響を及ぼす措置や永続的な市民権・居住又は雇用に関する措置は、GATSの対象外であることに留意すべきである。

(3) 一方、サービス提供者の一時的な移動についての自由化プロセスの進展は、サービス提供の輸出国、輸入国双方に利益をもたらし、また、それは先進国及び途上国の双方にとっても利益があることを強調しておきたい。国際化が進展する中で、サービス提供者の一時的滞在を促進するために、日本は、特に次の諸点について期待を持っている。


2. 交渉への期待

(1) 企業内移転

企業内移転は、第3モードの自由化にも関係するので、企業内移転に関する分野横断的な約束を行えば大きな効果が期待できる。日本の交渉提案(S/CSS/W/42)のパラ14で指摘したように、サービス提供に直接関係する上級管理職や高度の専門職の移動の制限を削減することが望ましく、また、分野横断的な約束が困難な場合には、分野別に約束を行うことも検討可能かもしれない。

(2) 透明性

人の自由移動について、経済界は、透明性の向上と手続の簡素化・迅速化を希望している。サービス提供者の入国手続、滞在許可、労働許可に関する法律及び規制等に関する情報を公開し、特に、入国に関する諸手続と滞在許可・労働許可取得のための基準を明確にすることが重要である。また、入国管理政策の目的達成と両立し得る範囲で、入国に関する諸手続を簡素化・迅速化することも重要である。

(3) エコノミック・ニーズ・テスト(ENT)

GATS第16条は、ENTによるサービス提供者の数の制限は市場アクセスに関する制限であるとしており、加盟国はENTを行わないとの約束を行うように努力すべきである。その目的に向けての最初のステップとして、ENTを行う場合であってもその基準を明確化していくことが透明性向上の観点からも重要である。



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