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平成13年5月 1.序MFN免除措置については、約400の措置がサービス貿易に関する一般協定の「第二条の免除に関する附属書」に掲げられている。MFNは、多角的貿易体制において自由化を実現していく上で、最も重要な柱の一つであり、WTO協定における基本原則である。MFN免除措置はその最も重要な原則からの逸脱である。同附属書は、これら措置を維持する要件として「免除の期間は、原則として10年を越えてはならない」とするとともに、「いかなる場合にも、免除は引き続き行われる貿易自由化のラウンドにおける交渉の対象となる」旨明記している。MFN免除措置は「交渉の指針及び手続き」パラ6のとおり、今次サービス交渉の対象であり、一層高い水準の自由化を達成することを目的とする今次サービス交渉における最重要交渉テーマの一つである。日本は、2000年12月に提出した交渉提案(S/CSS/W/42)の中で、現在登録されている全てのMFN免除措置が、2004年末或いは今次交渉の終結時の何れか早い時期に、撤廃されているべきとの香港提案(S/CSS/W/6)を支持することを明確にしている。 MFN免除措置については、サービス貿易理事会で、2000年開催されたMFNレビュー会合を通じて、免除の必要性を生じさせた条件等これらの措置の背景等について有意義な情報交換が行われ、そのフォローアップとして出てきた一般的課題に関して引き続き議論が続けられており、その議論の進展に関心が集まっているところである。今後のMFN免除削減・撤廃交渉においてもこれらの議論が活用されるべきである。 本ペーパーは、これら免除措置の国別状況や内容・分野別の状況についての全体像を加盟国間で共有することを目的として基礎的な分析を提供するものである。この分析に基づき、日本は、今後のMFN免除撤廃・削減交渉に向けて、先進国が積極的に免除登録を削減していくことを提案する。 なお、登録措置及び内容については、WTO事務局がとりまとめたペーパー(JOB 1551)を底本としている。 2.措置数別の特徴 WTO事務局に登録されている401措置のうち、交渉が中断している海運については、既になされている特定の約束を除き、MFNの規定(第2条)及び同条の免除に関する附属書は適用されないこととされているので、海運(63措置)に関しては、今次交渉結果を踏まえた分析が有意義であるところ、本ペーパーではこれを除き、また、国際精算料金については、基本電気通信交渉時に合意された共通理解により、MFN原則が適用されないため、国際精算料金(7措置)も除いた331措置について、登録措置数で国を分類し、その利用状況を見ると、13%の国(17ヶ国)が全体の51%(167措置)の措置を登録しており、少数の国が多くの措置を登録していることがわかる。 ![]() 3.国家規模別の特徴 先進国、開発途上国、後発途上国の別(世界銀行分類)に、免除措置登録の状況を見ると、国数で36%を占める先進国が47%の措置を登録し、53%を占める開発途上国が45%の措置を登録している。 ![]() 特に、7措置以上を登録している多登録国で見ると、大半が先進国であり64%の国で68%の措置を登録している。 ![]() (参考) ![]() 4.分野別の特徴 登録されている措置を分野別に分類すると、分野をまたがる分野横断的措置が73措置(全措置の22%:うち2措置は人の移動と投資の両項目に関するので分析は75措置で計算)あるが、その内容は人の移動に関する措置(ビザの取得等)、投資関連(土地取得、投資優遇措置等)が多い。 ![]() 分野横断的措置を除いた分野別措置(258措置)については、特に通信におけるAV(29%)、金融(20%)、運輸における道路輸送(17%)に関する措置が多い。 ![]() さらに、上記の3分野について、地域別に見てみると、以下のとおりとなっている。 ![]() 5.結語 これまでの分析で明らかなように、MFN免除措置の登録は多くの加盟国が平均して利用しているのではなく、少数の国が多くの措置を登録しているので、MFN免除措置の撤廃を実現するためには、これらの多登録国の真剣な削減努力が不可欠である。 特に、市場規模が大きく、途上国を含む全ての加盟国に特に市場を開放すべき先進国が、MFN免除措置の多くを登録している現状は、今後サービス交渉を促進していく上でも望ましくなく、今後、開発途上国や後発途上国とともにサービス貿易の更なる自由化を実現していくためには、多くの措置を登録している先進国が自ら積極的に免除登録を削減していくことが不可欠である。 日本は、現在登録されている全てのMFN免除措置が、2004年末或いは今次交渉の終結時の何れか早い時期には撤廃されているべきとの考えを既に交渉提案で示している。これを実現するための第一歩として、先ず、先進加盟諸国は、これまでに適用実績のない免除措置につき、2001年末までに、適用実績のある免除措置についても可能な限り前倒しで、例えば、2002年末までに撤廃すべきである。 |
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