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WTO・非農産品市場アクセス交渉 5月会合概要


平成15年6月3日


 5月26日から28日にかけ当地にて行われたWTO・非農産品市場アクセス交渉(NAMA)の概要は以下の通り。5月末のモダリティ合意期限との関係では、継続協議となり、合意はできなかった。


1.議論概要

(1) 本会合では、その約一週間に配布された、いわゆるジラール(本件交渉議長)・ペーパー(以下注1及び2参照)を踏まえ、各国(約50各国強)からはそれに対するとりあえずの総論的見解を述べるという形で、2日間の審議が行われた。
(注1)交渉のモダリティに含まれるべき基本的要素をとりまとめた案。
(注2)基本要素のポイントは、主として、以下(イ)~(ハ)のとおり。


(イ) 関税率引き下げ方式として、各国の平均関税率を加味したスイス・フォーミュラの一種を提案(関税格差の是正が不十分、一律引き下げ(ラインバイライン)で柔軟性の欠如等という問題があり)。
(ロ) 途上国の輸出関心セクターにつき分野別関税撤廃を提案(水産物、皮革・履物という我が方にとりセンシティブな分野が含まれている他、繊維がハーモではなく、関税撤廃となっている。)
(ハ) 非関税障壁の特定、明確化を進め、モダリティを協議する。


(2) 最終日午前、議長より、今回集中的な議論が行われたが、更なる分析・検討が必要とのとりまとめ発言が行われ、継続協議となった。

(3) なお、次回交渉会合は7月9-10日に開催予定。



2.主要論点

(1) 関税
(イ) 多くの先進国は、ジラール・ペーパーの提案について基本的に前向きに評価しつつ、野心の程度が低い等々のコメントをした。
(ロ) 多くの途上国は、途上国への特別待遇(S&D)が不十分、途上国間にも差別性がある(チリ等)等々のコメントを行った。その中でも中国や多くの南米諸国は前向きに評価し、インド、マレーシアはS&Dが不十分であり、削減方式は厳しすぎる等主張し、アフリカ諸国は特恵の利益の縮小(エロージョン)の観点から強く反対した。
(ハ) 我が方は、フォーミュラについては関税格差の温存、柔軟性の欠如の観点、また、分野別関税撤廃については、水産物、皮革・履物のセンシティブ品目が含まれ、我が方提案分野が必ずしも取り入れられていないとの観点から、問題が多い旨述べた。


(2) 非関税障壁(NTB)
 議長提案について、主として手続き事項を言及しているだけと言うこともあり、一部の途上国が全てのNTB交渉はNAMAで取り扱うように求めた以外、特段反対する議論はなかった。


3.議長のとりまとめ

 28日午前、議長は概要以下の通り、とりまとめの発言を行い、今次協議を了した。

(1) 50カ国強が発言し、密度の濃い議論が行われた。

(2) 議論は一部双方向の意見交換が活発になり、野心の程度が不十分、ドーハ・マンデートに照らし 不十分、等々の意見の他、更にいろいろ興味深い意見が出された。

(3) 議長提案の影響を十分検討する必要があろう。

(4) 議長ペーパーは、その中でも触れられているように、そもそもモダリティの基本要素案をまとめたものであり、今後更に発展されるべき性格のもの。その際、個々の要素もさることながら全体のバランスを考えて検証して欲しい。

(5) いずれにせよ、更なるガイダンスが必要なので、7月会合に向け改訂版は作成しないが、その間要すれば関係者でも議論し、7月月会合ではモダリティのフレーム・ワークを議論したい。




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