青年海外協力隊の派遣に関する日本国政府とドミニカ共和国政府との間の交換公文
青年海外協力隊の派遣に関する日本国政府とドミニカ共和国政府との間の交換公文
(日本側書簡)
 書簡をもつて啓上いたします。本使は、日本国とドミニカ共和国との間の技術協力を促進するため青年海外協力隊(以下「協力隊」という。)の隊員をドミニカ共和国に派遣することに関し、日本国政府の代表者とドミニカ共和国政府の代表者との間でサント・ドミンゴにおいて行われた最近の討議に言及するとともに、これらの代表者の間で到達した次の了解を日本国政府に代わつて確認する光栄を有します。
1 日本国政府は、ドミニカ共和国政府の要請に基づき、日本国の現行法令に従い、ドミニカ共和国の社会的及び経済的開発に寄与するため、両政府の関係当局の間で別個に合意される計画に従つて、協力隊の隊員をドミニカ共和国に派遣する。
2 日本国政府は、予算措置がとられることを条件として、協力隊の隊員の日本国とドミニカ共和国との間の渡航費及びドミニカ共和国における生活手当を負担し、並びに、協力隊の隊員の任務の遂行に必要な装備及び材料を供与するために必要な措置をとる。
3 ドミニカ共和国政府は、協力隊の隊員に対し、次の特権、免除及び利益を与える。
(1) 2にいう装備及び材料の輸入に対し又はこれに関連して課される関税、内国税その他すべての種類の課徴金の免除
(2) 協力隊の隊員の身回品及び家庭用品の輸入に対し又はこれに関連して課される関税、内国税その他すべての種類の課徴金(ただし、港湾役務、保管、運送及び類似の役務に関する課徴金を除く。)の免除
(3) 2にいう生活手当等協力隊の隊員に外国から送金される給与に対し又はこれに関連して課される所得税その他すべての種類の課徴金の免除
(4) ドミニカ共和国における協力隊の隊員の任期中における無料診療
(5) 協力隊の隊員がドミニカ共和国政府より与えられた任務を遂行する場所における無料の住居施設
4(1) ドミニカ共和国政府は、ドミニカ共和国における協力隊の活動に関連して日本国政府が与える任務を遂行する駐在員一名及び調整員を受け入れる。
(2) 駐在員及び調整員は、その任務の遂行に必要な装備及び材料並びに身回品、家庭用品及び一人につき一台の自動車の輸入に対し又はこれに関連して課される関税、内国税その他すべての種類の課徴金(ただし、港湾役務、保管及び類似の役務に関する課徴金を除く。)を免除される。
(3) 駐在員及び調整員は、海外から送金される給与に対し又はこれに関連して課される所得税その他すべての種類の課徴金を免除される。
5 ドミニカ共和国政府は、協力隊の隊員の公務に起因し、その遂行中に発生し、又は、その遂行中における作為又は不作為に関連する請求が協力隊の隊員に対して生じた場合には、その請求に関する責任を負う。ただし、両政府がその請求が協力隊員の故意又は重大な過失から生じたことを合意した場合は、この限りでない。
6 両政府は、ドミニカ共和国における協力隊の計画の実施を成功させるため随時協議する。
7 前記の了解は、両政府間の書簡の交換によつて修正することができ、かつ、いずれかの政府が他方の政府に対しこの了解を終了させる意思を少なくとも六箇月前に書面によつて通告することにより終了させることができる。
 本使は、更に、この書簡及び前記の了解をドミニカ共和国政府に代わつて確認される閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなし、その合意がその効力発生のために必要な国内手続を完了した旨のドミニカ共和国政府からの書面による通告を日本国政府が受領した時に効力を生ずるものとすることを提案する光栄を有します。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
 千九百八十五年三月十二日にサント・ドミンゴで
 ドミニカ共和国駐在
日本特命全権大使 井口武夫
 外務大臣 ホセ・A・ベガ・インベルト閣下
(ドミニカ側書簡)
す。
(日本側書簡)
 本大臣は、更に、前記の了解をドミニカ共和国政府に代わつて確認するとともに、閣下の書簡及びこの返簡が、両政府間の合意を構成するものとみなし、その合意がその効力発生のために必要な国内手続を完了した旨のドミニカ共和国政府からの書面による通告を日本国政府が受領した時に効力を生ずるものとすることに同意する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
 千九百八十五年三月十二日にサント・ドミンゴで
 外務大臣
ホセ・A・ベガ・インベルト
 日本国特命全権大使 井口武夫閣下