日本国政府とスペイン政府との間の文化協定
日本国政府とスペイン政府との間の文化協定
日本国政府及びスペイン政府は、文化の面における両国間の歴史的な関係を想起し、 歴史的な文化遺産を有する両国の間の文化の面における協力を助長し、かつ、発展させようとする共通の希望に動かされ、
この協力が両国間の相互理解及び友好関係の増進に寄与することを確信して、
次のとおり協定した。
第一条 1 両締約国政府は、学者、教員、研究員、学生、芸術家、文化機関又は教育研究機関の構成員その他文化的活動又は教育研究活動に従事する者の両国間における交換を奨励する。
2 両締約国政府は、両国の文化機関及び教育研究機関の間における密接な協力を奨励する。
第二条 各締約国政府は、自国において、他方の国の国民に対し、修学又は研究のための奨学金その他の便宜を与えるよう努力する。
第三条 各締約国政府は、自国において、大学その他の教育研究機関における他方の国の言語、文学、歴史、地理、経済及び文化一般についての教育及び研究を奨励する。
第四条 両締約国政府は、他方の国の大学その他の教育機関における修学中に又は修学終了の際に取得される学位、資格証書その他の証明書及び他方の国において取得されるその他の資格証書が、修学上の目的又は適当な場合には職業上の目的のために、それぞれの国においていかなる範囲内で及びいかなる条件の下で同等の価値を認められるかについて研究する。
第五条
各締約国政府は、修学の目的で自国を訪問する他方の国の国民に対し、博物館、図書館、公文書館、文献センターその他文化的性質を有する施設の利用についてできる限りの便宜を与える。
第六条 各締約国政府は、特に次の手段により、他方の国の文化歴史、諸制度及び一般的な生活様式を理解することを奨励し、及び容易にする。
(a) 書籍、定期刊行物その他の出版物似ラジオ番組及びテレビジョン番組
(b) フィルム、テープ、音盤その他の視聴覚資材
(c) 美術展覧会、工芸品展覧会その他の文化的展示会(d)講演、セミナー及び会議
(f) 演奏会及び舞台芸術
(g) 文化的性質を有する祭典及び国際コンクール
第七条 各締約国政府は、自国において、他方の国の国民又は団体により製作された文学的、芸術的又は学術的内容の著作物の翻訳、複製及び出版を奨励する。
第八条 両締約国政府は、新聞、雑誌、ラジオ、テレビジョン及び映画の分野における交流を容易にする。
第九条 両締約国政府は、両国の青少年及び青少年団体の間並びにスポーツマン及びスポーツ団体の間の協力及び交流を奨励する。
第十条 両締約国政府は、この協定の実施について協議するため、混合委員会を設置する。混合委員会は、この協定が効力を生ずる日から二年以内に会合し、その後は、二年に一度会合する。混合委員会は、日本国及びスペインにおいて交互に会合する。
第十一条 この協定は、批准されなければならない。この協定は、東京で行われる批准書の交換の日の後三十日目の日に効力を生ずる。
第十二条 この協定は、五年間効力を有するものとし、その後においても、いずれか一方の締約国政府がこの協定を終了させる意思を文書により通告した日から一年の期間が満了するまで引き続き効力を有する。
以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
千九百八十二年三月五日にマドリッドで、ひとしく正文である日本語及びスペイン語により本書二通を作成した。
日本国政府のために林屋永吉
スペイン政府のために J・P・P・ジョルカ