千九百六十四年十一月二十七日にパリで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書
千九百六十四年十一月二十七日にパリで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書
千九百六十四年十一月二十七日にパリで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書
日本国政府及びフランス共和国政府は、
千九百六十四年十一月二十七日にパリで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約(以下「条約」という。)及び条約の不可分の一部を成す追加議定書を改正することを希望して、
次のとおり協定した。
第一条 条約第一条を次のように改める。
第一条
この条約は、第二十条及び第二十五条の規定が適用される場合を除くほか、一方又は双方の締約国の居住者である者に適用する。
第二条 条約第二条1を次のように改める。
1 この条約が適用される租税は、次のものとする。
(a) フランスについては、
(i) 所得税
(ii) 法人税 (これらの租税に係る前払税のほか、源泉徴収又は予納により微収されるものを含む。) (以下「フランスの租税」という。)
(b) 日本国については、
(i) 所得税
(ii) 法人税
(iii) 地方公共団体が課する所得に対する住民税 (以下「日本国の租税」という。)
第三条 条約第三条1(a)から(g)までを次のように改める。
(a) 「日本国」とは、地理的意昧で用いる場合には、日本国の租税に関する法令が施行されているすべての領域(領海を含む。)及びその領域の外側に位置する水域で日本国が国際法に基づき管轄権を有し日本国の租税に関する法令が施行されているすべての水域(海底及びその下を含む。)をいい、「フランス」とは、フランス共和国のうちのヨーロッパ県及び海外県(これらの県に係る領海を含む。)並びにこれらの県の外側に位置する水域でフランス共和国が国際法に基づき海域、海底及びその下並びにこれらの場所にある天然資源に係る権利を行使することのできる水域をいう。
(b) 「一方の締約国」及び「他方の締約国」とは、文脈により、日本国又はフランスをいう。
(c) 「者」には、個人、法人及び法人以外の団体を含む。
(d) 「法人」とは、法人格を有する団体又は租税に関し法人格を有する団体として取り扱われる団体をいう。
(e) (i) 「一方の締約国の居住者」とは、当該一方の締約国の法令の下において、住所、居所、本店又は主たる事務所の所在地、事業の管理の場所その他これらに類する基準により当該一方の締約国において課税を受けるべきものとされる者をいう。ただし、この用語には、当該一方の締約国内に源泉のある所得のみについて当該一方の締約国において課税される者を含まない。
(ii) (i)の規定により双方の締約国の居住者に該当する個人については、両締約国の国税当局は、次の原則を適用の上、合意により、この条約の適用上当該個人が居住者であるとみなされる締約国を決定する。
(aa) 当該個人は、その使用する恒久的住居が存在する締約国の居住者とみなす。その使用する恒久的住居が双方の締約国に存在する場合には、当該個人は、その人的及び経済的関係のより密接な(中核となる重要な利害関係を有する)締約国の居住者とみなす。
(bb) 中核となる重要な利害関係を有する締約国の決定ができない場合又はその使用する恒久的住居がいずれの締約国にも存在しない場合には、当該個人は、その常用の住居が存在する締約国の居住者とみなす。
(cc) 常用の住居が双方の締約国に存在する場合又はいずれの締約国にも存在しない場合には、当該個人は、自己が国民である締約国の居住者とみなす。
(iii) (i)の規定により双方の締約国の居住者に該当する者で個人以外の者については、両締約国の国税当局は、合意により、この条約の適用上当該者が居住者であるとみなされる締約国を決定する。
(f) 「日本の企業」とは、日本国の居住者の営む企業をいい、「フランスの企業」とは、フランスの居住者の営む企業をいう。また、「一方の締約国の企業」及び「他方の締約国の企業」とは、文脈により、日本の企業又はフランスの企業をいう。
(g) 「産業上又は商業上の利得」には、第五条に規定する不動産から生ずる所得、第六条に規定する農業及び林業の所得、配当、利子、賃貸料又は使用料として取得する所得、資産収益並びに人的役務の報酬を含まない。
(h) 「国税当局」とは、日本国については、大蔵大臣又は正当に権限を与えられたその代理者をいい、フランスについては、予算大臣又は正当に権限を与えられたその代理者をいう。
第四条 条約第四条3を次のように改める。
3 一方の締約国の企業が他方の締約国内で十二箇月を超える期間建設又は組立ての契約に係る工事に関して監督活動を行つている場合において、特にその有する監督の権限の大きさにより、当該企業が自ら当該契約を履行していると認められるときは、当該企業は、当該他方の締約国内に恒久的施設を有するものとされる。
第五条 条約第八条2を次のように改める。
2 船舶又は航空機の運用に関し、日本の企業はフランスにおいて職業税及び職業税付加税を免除され、フランスの企業は日本国において事業税及び事業に係る事業所税を免除される。
2A 1及び2の規定は、共同計算、共同経営又は国際経営共同体に参加していることによつて取得する利得についても、適用する。
第六条 条約第十条を次のように改める。
第十条
一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国内に恒久的施設を有する場合には、当該法人に対し、当該他方の締約国において、当該他方の締約国の税法に規定する源泉徴収税を課することができる。ただし、その租税の額は、当該恒久的施設に帰せられる利得から当該利得に対して第七条及び前条の規定により課される租税の額を控除した額の半額の十パ―セントを超えないものとする。
第七条 条約第十一条を次のように改める。
第十一条
1 一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国の居住者に支払う配当に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
2 1の配当に対しては、これを支払う法人が居住者とされる締約国においても、当該締約国の法令に従つて租税を課することができる。ただし、その租税の額は、当該配当の受領者が当該配当の受益者である場合には、次の額を超えないものとする。
(a) 当該配当の受益者が、当該配当の支払の日に先立つ六箇月の期間を通じ、当該配当を支払う法人の議決権のある株式の少なくとも十五パーセントを直接に所有する法人である場合には、当該配当の額の十パーセント
(b) その他のすべての場合には、当該配当の額の十五パーセントこの2の規定は、配当に充てられる利得についての当該法人に対する課税に影響を及ほすものではない。
3 (a) 日本国の居住者は、フランスの居住者が受領したとしたならばタックス・クレジットを受ける権利を有することとなる配当をフランスの居住者である法人から受領した場合には、フランスの国庫から当該タックス・クレジットの額に等しい額の支払を受ける権利を有する。ただし、当該日本国の居住者が当該配当の受益者であることを条件とする。
(b) (a)の規定は、次の(i)又は(ii)に該当する者についてのみ適用する。
i 日本国の居住者である個人
ii 日本国の居住者である法人であつて、(a)の規定に該当する配当を支払うフランスの居住者である法人の議決権のある株式を直接にも間接にも十五パーセント以上所有していないもの
(c) (a)の規定は、(a)の規定によりフランスの国庫から支払を受ける者につき当該支払に係る額に対し日本国の租税を課することとなる場合にのみ適用する。
(d) (a)の規定によりフランスの国庫から支払われる額は、この条約及び日本国の税法の適用上フランスの居住者である法人から支払われる配当とみなし、当該額に対しては、この条の規定によりフランスの租税及び日本国の租税を課するものとする。
4 (a) フランスの居住者である法人から日本国の居住者に対して支払われた配当について前払税が課されていた場合において、当該日本国の居住者が当該配当につき3(a)の規定によるフランスの国庫からの支払を受ける権利を有しない者であるときは、当該日本国の居住者は、フランスの国庫から当該前払税の還付を受ける権利を有する。ただし、当該日本国の居住者が当該配当の受益者であることを条件とする。
(b) (a)の規定によりフランスの国庫から還付される額は、この条約及び日本国の税法の適用上フランスの居住者である法人から支払われる配当とみなし、当該額に対しては、この条の規定によりフランス及び日本国において租税を課することができる。
5 この条において、「配当」とは、株式、受益株式、鉱業株式及び発起人持分その他の受益者持分(債権を除く。)から生ずる所得並びにその他の持分から生ずる所得てあつて分配を行う法人が居住者とされる締約国の税法上株式から生ずる所得と同様に取り扱われるものをいう。
6 1から3までの規定は、一方の締約国の居住者である配当の受益者が、当該配当を支払う法人が居住者とされる他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該配当の支払の基因となつた株式その他の持分が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質的な関連を有するものであるときは、適用しない。この場合には、第七条又は第十五条の規定を適用する。
第八条 条約第十二条3及び4を次のように改める。
2A 2の規定にかかわらず、
(a) 一方の締約国内で生ずる利子であつて、他方の締約国、その地方公共団体又は当該他方の締約国の中央銀行が取得するものについては、当該一方の締約国において租税を免除する。
(b) フランスにおいて生ずる利子であつて、日本輸出入銀行が取得するもの又は同銀行の保証した債権若しくは同銀行による間接融資に係る債権に関し日本国の居住者が取得するものについては、フランスにおいて租税を免除する。
(c) 日本国において生ずる利子であつて、フランス外国貿易銀行が自己の設定した債権に関し取得するもの又は同銀行の保証した債権若しくは同銀行による間接融資に係る債権に関しフランスの居住者が取得するものについては、日本国において租税を免除する。ただし、当該債権につき、同銀行が公的金融機関としての資格で設定し若しくは保証したものであること又は同銀行が当該資格で行つた間接融資に係るものであることがフランスの国税当局の発給する公文書によつて証明された場合に限る。
(d) 一方の締約国内で生ずる利子であつて、信用供与による設備又は物品の販売に関し他方の締約国の居住者が取得するものについては、当該一方の締約国において租税を免除する。ただし、当該他方の締約国の居住者が当該設備又は物品の販売者である場合に限る。
(e) フランスにおいて生ずる利子であつて、輸出保険法(昭和二十五年法律第六十七号)に基づき日本国政府が保険することを引き受けた債権に関し日本国の居住者が取得するものについては、フランスにおいて租税を免除する。
(f) 日本国において生ずる利子であつて、千九百四十六年七月一日の政令第四十六-千三百三十二号に基づきフランス外国貿易保険会社が保険することを引き受けた債権に関しフランスの居住者が取得するものについては、日本国において租税を免除する。
3 この条において、「利子」とは、公債、債権(担保の有無又は利得の分配を受ける権利の有無を問わない。)その他のすべての種類の債権から生じた所得及びその他の所得であつて当該所得が生じた締約国の税法上貸付金から生ずる所得と同様に取り扱われるものをいう。
4 1から2Aまでの規定は、一方の締約国の居住者である利子の受領者が、当該利子の生じた他方の締約国において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行い又は当該他方の締約国において当該他方の締約国内にある固定的施設を通じて独立の人的役務を提供する場合において、当該利子の支払の基因となつた債権が当該恒久的施設又は当該固定的施設と実質的な関連を有するものであるときは、適用しない。この場合には、第七条又は第十五条の規定を適用する。
第九条 条約第十八条を次のように改める。
第十八条
1 第十五条及び第十六条の規定にかかわらず、一方の締約国の居住者である演劇、映画、ラジオ若しくはデレビジョンの俳優、音楽家その他の芸能人又は運動家が芸能人又は運動家として他方の締約国内で行う個人的活動によつて取得する所得に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。
もつとも、そのような活動がいずれかの締約国若しくはいずれかの締約国の地方公共団体の公的資金又はいずれかの締約国の特別の法人若しくは非営利団体の資金により実質的に賄われる場合には、その所得については、当該他方の締約国において租税を免除する。
2 一方の締約国内で行う芸能人又は運動家としての個人的活動に関する所得がその芸能人又は運動家以外の他方の締約国の居住者である者に帰属する場合には、その所得に対しては、第七条、第十五条及び第十六条の規定にかかわらず、当該一方の締約国において租税を課することができる。もつとも、そのような活動がいずれかの締約国若しくはいずれかの締約国の地方公共団体の公的資金又はいずれかの締約国の特別の法人若しくは非営利団体の資金により実質的に賄われる場合には、その所得については、当該一方の締約国において租税を免除する。
第十条 条約第二十四条を次のように改める。
第二十四条
1 (a) フランスの居住者が日本国から所得を取得し、当該所得に対し、この条約の規定に従つて日本国において租税が課されるときは、フランスは、(b)の規定が適用される場合を除くほか、当該所得についてフランスの租税を免除する。もつとも、この条約によりフランスにおいて租税を課される所得に対しては、フランスの税法上租税を課されるべき所得の総額につき適用される税率によりフランスの租税を課することかできる。
(b) フランスの居住者が日本国から所得を取得し、当該所得に対し、第十一条から第十三条まで及び第十四条2(c)の規定に従つて日本国において租税が課されるときは、フランスは、当該所得をフランスの租税の課税標準に含めることができるものとするが、当該所得について日本国において納付される租税の額と等しい額を当該居住者の所得に対するフランスの租税の額から控除する。ただし、その控除の額は、控除が行われる前に算定されたフランスの租税の額のうち日本国から取得する所得に対応する部分を超えないものとする。
2 (a) 日本国は、日本国の居住者に対する租税の額の決定に際し、この条約の他の規定にかかわらず、日本国の税法に基づいて租税を課することができるすべての項目の所得をその租税の課税標準に含めることがてきる。この(a)の規定は、第二十条1、第二十一条及び第二十二条の規定の適用を妨げるものと解してはならない。
(b) 日本国の居住者がフランスから所得を取得し、当該所得に対し、この条約の規定に従つてフランスにおいて租税が課されるときは、日本国の税法の規定に従い、当該所得についてフランスにおいて納付される租税の額と等しい額が当該居住者の所得に対する日本国の租税の額から控除される。ただし、その控除の額は、控除が行われる前に算定された日本国の租税の額のうちフランスから取得する所得に対応する部分を超えないものとする。
第十一条 条約第二十五条6(b)を次のように改める。
(b) 日本国の居住者である法人についてその分配する利得に対し留保所得に対する率よりも低い率で租税を課する日本国の税法の規定に影響を及ぼすものと解してはならない。
第十二条 条約第二十七条の次に次の一条を加える。
第二十七条のA
1 両締約国の国税当局は、この条約又はこの条約が適用される租税に関する両締約国の国内法令(当該国内法令に基づく課税がこの条約の規定に反するものでない場合に限る。)を実施するために必要な情報を交換する。交換された情報は、秘密として取り扱うものとし、この条約の対象である租税の賦課徴収に関与する者又は当局(裁判所及び行政機関を含む。)以外のいかなる者にも開示してはならない。
2 1の規定は、いかなる場合にも、一方の締約国に対し、次のことを行う義務を課するものと解してはならない。
(a) 当該一方の締約国又は他方の締約国の法令及び行政上の慣行に抵触する行政上の措置をとること。
(b) 当該一方の締約国又は他方の締約国の法令の下において又は行政の通常の運営において入手することができない情報を提供すること。
(c) 営業上、事業上、産業上、商業上若しくは職業上の秘密若しくは取引の過程を明らかにすることになる情報又は公開することが公の秩序に反することになる情報を提供すること。
第十三条 条約第三十一条(a)及び(b)を次のように改める。
(a) フランスにおいては、
(i) 源泉徴収される租税に関しては、当該通告が行われた年の翌年の一月一日以後に支払が行われる収益について、
(ii) 所得に対するその他の租税に関しては、当該通告が行われた年の翌年の一月一日以後に開始する各年又は各事業年度において生ずる所得について、及び
(iii) 職業税及び職業税付加税に関しては、当該通告が行われた年の翌年の一月一日以後に開始する各年について課される租税について、
(b) 日本国においては、
(i) 当該通告が行われた年の翌年の一月一日以後に開始する各課税年度において生ずる所得について、及び
(ii) 当該通告が行われた年の翌年の一月一日以後に開始する各課税年度について課される事業に係る事業所税について、
第十四条 条約の不可分の一部を成す追加議定書IからIIIまでを次のように改める。
I 1 条約第十一条2、第十二条2及び2A並びに第十三条2及び4の規定は、各締約国において、条約第十一条から第十三条までに定める所得の受領者が条約第三条にいう他方の締約国の居住者である場合において、これらの所得につき租税を免除するときには当該租税を徴収しないことにより、また、免除するとき以外のときには条約第十一条から第十三条までに定める十五パーセント又は十パーセントの軽減された税率による租税の額を超える額を徴収しないことにより適用する。
2 一方の締約国の外交使節団の構成員又は領事機関の構成員であつて、他方の締約国内又は第三国内に居住し、かつ、これらの者を派遣した国の国籍を有するものは、1に規定する所得につき当該一方の締約国において租税を納付することとされている場合には、当該一方の締約国の居住者とみなす。
3 1の規定にかかわらず、国際機関、その下部機関及び職員並びに両締約国以外の国の外交使節団の構成員又は領事機関の構成員であつて、一方の締約国の居住者であり、かつ、当該一方の締約国において1に規定する所得に対する租税を免除されているものは、他方の締約国において、条約第十一条2、第十二条2及び2A並びに第十三条2及び4の規定に基づく軽減された税率の適用又は租税の免除を受けることができない。
II 条約第十一条から第十三条までに定める所得の受領者であつて、これらの所得について源泉徴收される日本国の租税につき、十五パーセント若しくは十パーセントの軽減された税率の適用又は租税の免除を受ける権利を有するものは、これらの軽減された税率の適用又は租税の免除を受けようとするときは、これらの所得の支払者を経由して、その支払を受ける前に、権限のある日本国の税務署に対して届出書を提出しなければならない。この届出書は、日本国の国税当局の定める書式に従つて作成されなければならない。
III 条約第十一条から第十三条までに定める所得の受領者であつて、これらの所得について源泉徴収されるフランスの租税につき、十五パーセント若しくは十パーセントの軽減された税率の適用又は租税の免除を受ける権利を有する者がこれらの軽減された税率の適用又は租税の免除を受けようとするとき及び条約第十一条3(a)に規定する支払又は同条4(a)に規定する還付を受ける権利を有する者がこれらの支払又は還付を受けようとするときは、これらの権利を有する者は、日本国の国税当局において入手することのできる特別の書式による申請書を提出しなければならない。この申請書は、フランスの国税当局の定める規則に従い、記入の上、提出しなければならない。
第十五条 1 この議定書は、各締約国によりそれぞれの憲法に従つて承認されなければならない。この議定書は、その承認を確認する通告の交換の日の後一箇月で効力を生ずる。
2 この議定書によつて改正された条約は、
(a) フランスにおいては、
(i) 源泉徴収される租税に関しては、千九百八十一年一月一日以後に支払が行われる収益について、
(ii) 所得に対するその他の租税関しては、千九百八十一年一月一日以後に開始する各年又は各事業年度において生ずる所得について、及び
(iii) 職業税及び職業税付加税に関しては、千九百八十一年一月一日以後に開始する各年につにて課される租税について、
(b) 日本国においては、
(i) 千九百八十一年一月一日以後に開始する各課税年度において生ずる所得について、及び
(ii) 千九百八十一年一月一日以後に開始する各課税年度について課される事業に係る事業所税について適用する。
第十六条 この議定書は、条約が有効である限り効力を有する。
以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの議定書に署名した。
千九百八十一年三月十日にパリで、ひとしく正文である日本語及びフランス語により本書二通を作成した。
日本国政府のために 井川克一
フランス共和国政府のために ジャン・ミドモール
(千九百六十四年十一月二十七日にパリで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定書に関する交換公文)
(フランス側書簡)
書簡をもつて啓上いたします。本官は、千九百六十四年十一月二十七日にパリで署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避のためのフランス共和国政府と日本国政府との間の条約及び本日署名された同条約を改正する議定書に言及するとともに、両国政府間で到達した次の了解をフランス共和国政府に代わつて確認する光栄を有します。
1 議定書によつて改正された条約第十条に関し、同条の規定により日本国の居住者である法人がフランスにおいて課されることがある源泉徴収税とは、フランスの統一税法第百十五条の五に規定する源泉徴収税をいうことが確認される。
2 議定書によつて改正された条約第十八条に関し、「特別の法人」には、日本国においては国際交流基金を含むことが確認される。
本官は、更に、閣下が前記の了解を貴国政府代わつて確認されることを要請する光栄を有します。
本官は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かつて敬意を表します。
千九百八十ー年三月十日にパリで
外務省在外フランス人局長 ジャン・ミドモール
フランス駐在 日本国特命全権大使 井川克一閣下
(日本側書簡)
書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日付けの貴官の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(フランス側書簡)
本使は、更に、貴官の書簡に述べられた了解を日本国政府に代わつて確認する光栄を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに貴官に向かって敬意を表します。
千九百八十一年三月十日にパリで
フランス駐在 日本国特命全権大使 井川克一
外務省在外フランス人局長 ジャン・ミドモール殿