青年海外協力隊の派遣に関する日本国政府とペルー共和国政府との間の交換公文

(日本側書簡)

　書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、日本国とペルー共和国との間の技術協力を促進するため青年海外協力隊員(以下「協力隊員」という。)をペルー共和国に派遣することに関し、両政府の代表者の間でリマにおいて行われた最近の討議に言及するとともに、これらの代表者の間で到達した次の了解を日本国政府に代わつて確認する光栄を有します。

1　日本国政府は、ペルー共和国政府の要請に基づき、日本国の現行法令に従い、ペルー共和国の社会的及び経済的開発に寄与するため、両政府のそれぞれの関係当局の間で別個に合意される計画に従つて、協力隊員をペルー共和国に派遣するために必要な措置をとる。

2　日本国政府は、協力隊員の日本国とペルー共和国との間の渡航費及びペルー共和国における生活手当を負担し、また、協力隊員の任務の遂行に必要な装備、機械、材料及び医薬品を供与するために必要な措置をとる。

3　ペルー共和国政府は、協力隊員に対し、次の特権、免除及び利益を与える。

(1)　2に掲げる装備、機械、材料及び医薬品の輸入に対し又はこれに関連して課される関税、財産及び役務に対する税その他すべての種類の課徴金の免除

(2)　協力隊員の身回品及び家庭用品の輸入に対し又はこれに関連して課される関税、財産及び役務に対する税その他すべての種類の課徴金(ただし、保管、運送及び類似の役務に関する課徴金を除く。)の免除

(3)　2に掲げる生活手当等協力隊員に外国から送金される給与に対し又はそれに関連して課される所得税その他すべての種類の課徴金の免除

(4)　ペルー共和国における協力隊員の任期中における診療に対する便宜(ただし、実施機関の財政能力に従うことを条件とする。)

(5)　協力隊員がペルー共和国政府より与えられた任務を遂行する場所における必要な住居施設に対する便宜

4(1)　ペルー共和国政府は、ペルー共和国における協力隊員の活動に関連して日本国政府の技術協力の実施機関である国際協力事業団が与える任務を遂行する駐在員一人及び調整員を受け入れる。

(2)　駐在員及び調整員は、その任務の遂行に必要な装備、機械、材料及び医薬品並びに身回品及び家庭用品の輸入に対し又はこれに開連して課される関税、財産及び役務に対する税その他すべての種類の課徴金(ただし、保管、運送及び類似の役務に関する課徴金を除く。)を免除される。駐在員及び調整員は、ペルー共和国の現行法令に従い、二年ごとに、ペルー共和国において生産される自動車一台を財産及び役務に対する税を免除きれて購入することができるものとし、その自動車は、購入の後二年の期間を経過した後は、関税及び内国税を免除されて売却することができる。

(3)　駐在員及び調整員は、海外から送金される給与に対し又はそれに関連して課される所得税その他すべての種類の課徴金を免除される。

(4)　調整員の数は、協力隊員の活動により確認される必要性に応じ、両政府の関係当局間の協議により決定される。

5　ペルー共和国政府は、協力隊員の任務の遂行に起因し、その遂行中に発生し、又はその遂行に関連する請求が協力隊員に対して生じた場合には、その請求に関する責任を負う。ただし、両政府がその請求が協力隊員の故意又は重大な過失から生じたことを合意した場合は、この限りでない。

6　両政府は、前記の了解から又それに関連して生ずることがあるいかなる事項についても随時相互に協議する。

7　前記の了解は、両政府間の書箇交換によつて修正することができ、かつ、いずれかの政府が他方の政府に対しこの了解を終了させる意思を六箇月前に書面によつて通告することにより終了させることができる

　本大臣は、更に、この書簡及び前記のことをペルー共和国政府に代わつて確認される閣下の返簡が、閣下の返簡の日付の日に効力を生ずる両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。

　本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつで敬意を表します。

　千九百七十九年八月二十日にリマで

　日本国外務大臣
園田直

　ペルー共和国
外務大臣カルロス・ガルシア・ベドーヤ・サパータ閣下

(ペルー側書簡)

　書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(日本側書簡)

　本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられている了解をペルー共和国政府に代わつて確認するとともに、閣下の書簡及びこの返簡がこの返簡の日付の日に効力を生ずる両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意する光栄を有します。

　本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

　千九百七十九年八月二十日にリマで

　ペルー共和国
外務大臣カルロス・ガルシア・ベドーヤ・サパータ

　日本国外務大臣
園田直閣下