文化交流の促進のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定
文化交流の促進のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定
  日本国政府及び中華人民共和国政府は、
  千九百七十八年八月十二日に北京で署名された日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約第三条の規定に基づき、
  両国の間の文化の面における歴史的関係を想起し、
  両国の間の文化、教育、学術及びスポーツの交流を発展させることが両国民の間の相互理解及び友好の一層の増進に役立つと確信して、
  次のとおり協定した。
第一条
1 両国政府は、次に掲げる形態により、それぞれ自国の実施体制に従い、できる限り協力する。
(1) 学者、教員、学生、芸術家、スポーツマンその他文化的、教育的又は学術的活動に従事する者の交流
(2) 大学その他の教育又は研究の機関における修学及び研究に従事する他方の国の国民に対する奨学金その他の便宜の供与
(3) 学者又は研究員による共同の学術研究又は学術調査の実施
(4) 講演、演劇、演奏会、映画会、美術展覧会その他の文化的行事の実施
(5) 書籍、定期刊行物その他の出版物及び学術研究資料の交換
(6) フィルム、音盤、テープその他の視聴覚用資材の交換
2 両国政府は、また、将来両国政府間で合意することがあるその他の形態によっても協力する。
第二条
1 両国政府は、両国の間の文化、教育、学術及びスポーツの交流に関する諸問題に関し、外交上の経路を通じて随時協議するものとし、また、この協定の実施状況に関し、必要が生じたときは、代表を派遣し、日本国又は中華人民共和国において意見交換を行うことができる。
2 両国政府は、また、この協定を実施するため、混合委員会を設置することができる。
第三条
  両国政府は、両国の各種団体及び個人の間の文化交流を促進し、及び容易にする。
第四条
  この協定は、それぞれ自国の関係法令の範囲内で実施される。
第五条
1 この協定は、署名の日に効力を生ずる。
2 この協定は、二年間効力を有するものとし、その後は、3の規定に定めるところによって終了するまで効力を存続する。
3 いずれの一方の政府も、三箇月前に他方の政府に対して文書による予告を与えることにより、最初の二年の期間の満了の際又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。
  以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
  千九百七十九年十二月六日に北京で、ひとしく正文である日本語及び中国語により本書二通を作成した。
  日本国政府のために
大来佐武郎
  中華人民共和国政府のために
黄鐘