日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百七十一年から千九百七十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定
日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百七十一年から千九百七十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定
日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百七十一年から千九百七十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定
日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、両国間の貿易関係が近年著しぐ発展したことを認め、これを平等互恵の原則に基づいて安宏したかつ長期的な基礎の上に一層拡大させることを希望して、次のとおり協定した。
第一条 千九百七十一年一月一日から千九百七十五年十二月三十一日までの期間において、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、この協定に附属する第一表に掲げられた商品の日本国への輸出を許可することに同意し、日本国政府は、前記の商品のソヴィエト社会主義共和国連邦からの輸入を許可することに同意する。
前記の期間において、日本国政府は、この協定に附属する第二表に掲げられた商品のソヴィエト社会主義共和国連邦への輸出を許可することに同意し、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、前記の商品の日本国からの輸入を許可することに同意する。
第二条 この協定のいかなる規定も、日本国の法人及び自然人とソヴィエト社会主義共和国連邦の外国貿易団体とが、輸出、輸入及び外国為替管理に関する法律、規則及び命令でそれぞれの国にいて現に施行されているか又は将来施行されることのあるものに従つて、この協定に附属する第一表及び第二表に含まれていない商品の取引を行なうことを制限しないものとする。
この場合には、両政府の権限のある当局は、前記の商品の輸出及び輸入の許可について好意ざ態度をとるものとする。
第三条 第一条に定める商品の輸出及び輸入の許可は、輸出、輸入及び外国為替管理に関する法律、規則及び命令でそれぞれの国において現に施行されているか又は将来施行されることのあるものに従つて、一方日本国の法人及び自然人と他方ソヴィエト社会主義共和国連邦の外国貿易団体との間で締結される契約に関して行なわれるものとする。
第四条 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間のすべての支払は、外国為替管理に関する法律、規則及び命令でそれぞれの国において現に施行されているか又は将来施行されることのあるものに従つて交換可能な通貨で行なうものとする。
第五条 両政府の代表は、この協定の実施状況の検討のため及び必要な場合には両政府に対する適当な勧告の作成のために、相互の合意に基づき、毎年交互にモスクワ及び東京で会合するものとする。
第六条 両政府は、この協定に従つて締結される契約に基づいて売買される商品の輸送を容易にするため、両政府がとることができるすべての措置をとるものとする。
第七条 両政府は、この協定に従つて締結される契約から又はそれらに関連して生ずる紛争の解決のため、両国の仲裁機関の利用をあらゆる可能な方法により奨励するものとする。
第八条 この協定の有効期間中に締結された契約に基づく取引でこの協定の終了の日までに完了されなかつたものは、この協定の規定に従つて行なわれるものとする。
第九条 この協定は、署名の日に効力を生じ、千九百七十五年十二月三十一日まで効力を有するものとする。ただし、この協定の規定は、千九百七十一年一月一日にさかのぼつて適用されるものとする。
千九百七十一年九月二十二日に東京で、ひとしく正文である日本語及びロシア語により本書二通を作成した。
日本国政府の委任により 福田赳夫
ソヴィエト社会主義共和国連邦政府の委任により エヌ・エス・パトリチェフ
日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百七十一年から千九百七十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定の附属書
第一表
千九百七十一年から千九百七十五年までにソヴィエト社会主義共和国連邦から日本国に輸出される品目
工作機械
鍛圧設備
動力設備
電気技術設備
熔接設備
鉱山設備
砕鉱・粉砕設備
冶金設備
石油掘さく設備
起重・運搬設備
食料品工業設備
軽工業設備
化学工業設備
建設工業設備
道路・建設機械
ポンプ及びコンプレッサー
印刷工業設備
電子工業用技術設備
通信設備
船舶設備
計測器及び実験用設備
医療設備及び器具
装置及びフィティング
研磨材
トラクター
農業機械
輸送機械(航空輸送機器を含む。)
設備の部分品
各種の機械及び設備
工業所有権及び技術情報
石炭
石油及び石油製品
石油コークス
鉄鉱石
マンガン鉱石
二酸化マンガン
クローム鉱
石綿
滑石
黒鉛
氷晶石
カオリン
銑鉄
合金鉄
ポリクリスタル・シリコン
くず鉄
亜鉛
ニッケル
アルミニウム再生塊
マグネシウム
チタン・スポンジ
プラチナ
パラジウム
ロジウム
酸化プラセオジム
炭酸リチウム
ルチル精鉱
アイソトープ
各種の化学品
人造ゴム
カリ塩
マグネシア・クリンカー
木材(広葉樹パルプ長材を含む。)
工業用チップ
製材
パルプ
新聞紙
原綿
亜麻
麻のすきくず
毛皮
じやこう
医薬原料、半製品及び医薬品
甘草
チベット医薬品
魚粉
鯨肉及び鯨粉
馬肉
さけ・ますの卵
ウォトカ
カーペット
縫製品
手工芸品
こはく製品
映画フィルム
書籍及び定期刊行物その他の印刷物、郵便切手並びにレコード
各種の商品
日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百七十一年から千九百七十五年までの期間にかける貿易及び支払に関する協定の附属書
第二表
千九百七十一年から千九百七十五年までに日本国からソヴィエト社会主義共和国連邦に輸出される品目
極東森林資源開発のための設備、機械、資材その他の商品ウランゲル湾における港湾建設のための設備、機械及び資材工業用チップ及び広葉樹パルプ長材の生産のための設備、機械及び資材
ガス採取及び輸送用設備及び資材
石炭及び鉄鉱石開発のための設備、機械及び資材
ニツケル鉱石開発のための設備、機械及び資材
電子技術製品製造設備
家庭用電機製品製造設備
化学設備
ほうろう設備
紙パルプ設備
印刷設備
冷凍設備
繊維機械及び設備
通信設備
鉄鉱石ペレット製造設備
船舶
船舶用機械部分品
船舶修理
工業用刃物及びのこぎり
ポンプ及びコンプレッサー
計測器及び実験用設備
ペアリング
医療機械
鉄道車両
電子式卓上計算機、複写機、その他の事務用機械
各種の機械及び設備
圧延鋼材
ブリキ
鋼管
鋼索
電線製品
石英製品
コンベアベルト
スフ綿
合成繊維綿
人絹糸及び合成繊維糸
毛糸
メリヤス生地及びその他の生地
コード織物
メリヤス及び縫製品
人造皮革及び合成皮革
各種はきもの
その他の軽工業製品
ポリスチロール
ケーブル用被覆プラスチック
ワニス及び塗料
塩化ピニール樹脂
エチレングリコール
アクリロニトリル
界面活性剤
二酸化チタン
モノエタノールアミン
有彩無機顔料
グルタミン酸ソーダ
農薬
その他の化学品
医薬品
寒天
りんご及びかんきつ類
種ミンク
映画フィルム
書籍及び宏期刊行物その他の印刷物、郵便切手並びにレコード
各種の商品
(ソ連邦極東地方との消費物資等の貿易に関する交換公文)
(日本側書簡)
書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、本日行なわれた日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百七十一年から千九百七十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定の署名に関連して、日本国政府に代わり、両政府が次のとおり合意することを提案する光栄を有します。
一 日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方との間の消費物資(地方特産品を含む。)等の交換を目的として、千九百七十一年一月一日から千九百七十五年十二月三十一日までの期間につきこの書簡に附属する次の品目表を採択した。
第一表ソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方から日本国に輸出される品目
第二表 日本国からソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方に輸出される品目
二両政府は、前記の第一表及び第二表に掲げられた商品の輸入の許可についてそれぞれ好意的態度をとるものとする。
三これらの表に掲げられた商品の取引は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百七十一年から千九百七十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定に規定する手続と同様の手続に従つて行なわれるものとする。
四 これらの表に掲げられた商品の輸出の総額は、それぞれ、千九百七十一年には四、六三〇、〇〇〇英ポンドになるものと見積られ、また千九百七十五年には六、九四〇、〇〇〇英ポンドに達するものと見積られる。
五 両政府の代表は、この書簡に基づく取引の実施状況を検討するため、相互の合意に基づき、交互にモスクワ及び東京で会合するものとする。
本大臣は、さらに、この書簡及び前記の提案の貴国政府による同意を確認される閣下の返簡を両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十一年九月二十二日に東京で
日本国外務大臣 福田赳夫
ソヴィエト社会主義共和国連邦 外国貿易大臣 エヌ・エス・パトリチェフ閣下
附属
第一表 ソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方から日本国に輸出される品目
鯨製品
すけそうだら
えび類
各種の魚類(あいなめ、さめ、南方産魚等)
さめひれ
各種の魚卵
乾なまこ
はちみつ
ジャム類及び果汁
野ばらの実その他野生の実の屋ほしたもの
塩づけぜんまい
薬用植物
みつろう
馬肉及び馬の可食内臓
骨粉
アルプミン
となかいの皮
工芸品及び土産物
松の実
リグニン
針葉樹及び広葉樹の木材品
硼素含有物
ほたる石鉱石及び精鉱
滑石
ひる石
パーライト
砂利
砕石
石膏
ブロック状、塊状、小片状及び板石状の大理石、花こう岩、凝灰岩
アルナイト、プルサイト、ネフライトその他の細工用石
石英岩
ロドナイト
ケラムジット
工業用砒素
長石
粉末石英
カオリン及びカオリナイト
ドロマイト
スーチャン炭
雲母及び雲母小片
その他の商品
附属
第二表 日本国からソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方に輸出される品目
沿岸貿易輸出用商品生産発展のために必要な機械及び設備
航海用及び漁業用機器
光学器具
漁業用装具、魚網及び漁業用具
救命いかだ及び救命胴衣
漁夫、林業従業者、鉱山従業者等の作業服
医療設備及び医療器具
タイヤ及びチューブ
建設用及び装飾用資材
工業用発泡ポリウレタン
合成洗剤
ポリエチレン、マニラ麻及びジュートの綱
鋼索
コンベアベルト
印刷用インク
銅及びアルミニウムの電線、電らん
被覆用銅線
ゴム被覆の耐油性、高圧住入用並びに潜水夫用ホース
ポリエチレン及びポリクロールビニールクロライドのフィルム
接着テープ
ポリプロピレン袋
紙及び紙製品
農業用化学品(除草剤その他の農薬)
刃物製品
船舶機関用潤滑油
各種織物
縫製品及びメリヤス製品
小間物
各種はきもの
皮革製品
ゴム手袋
金属製、陶磁器製及びガラス製食器
果実缶詰
果実(りんご、かんきつ類、なし等)
野菜
果汁及び野菜ジュース
ウィスキー
その他の商品
(ソ連側書簡)
書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
本大臣は、閣下の書簡に述べられた提案に、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府に代わつて同意し、さらに、閣下の書簡及びこの返簡を両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意し、かつ、閣下の書簡の第一項に述べられている品目表第一表及び第二表のロシア語文を閣下に送付する光栄を有します。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十一年九月二十二日に東京で
ソヴィエト社会主義共和国連邦 外国貿易大臣 エヌ・エス・パトリチェフ
日本国外務大臣 福田赳夫閣下
(ウランゲル湾における港湾建設に関する交換公文)
(日本側書簡)
書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、千九百七十年十二月十八日に東京においてワイブイ株式会社と全ソ外国貿易公団マシノインポルトとの間に「日本国よりソ連邦へのウランゲル湾にかける港湾建設のための設備、機械及び資材の供給に関する基本契約」(以下「基本契約」という。)が署名されたことに対して日本側が満足の意を表明した旨を閣下に通報することを喜ぴとします。
本大臣は、基本契約が両国間の貿易及び経済関係の発展のために有する意義を認め、基本契約に関する次の了解を日本国政府に代わつて確認する光栄を有します。
1 両政府は、それぞれの国内法令の範囲内で、基本契約の円滑なかつ適時の実施を促進するものとする。
2 基本契約に基づく取引は、当該期間において有効な日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の貿易及び支払に関する協定の規定に従つて実施されるものとする。
3 両政府は、基本契約に基づく取引を両国間の貿易に対する拡大的な要因と見なす。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十一年九月二十二日に東京で
日本国外務大臣 福田赳夫
ソヴィエト社会主義共和国連邦 外国貿易大臣エヌ・エス・パトリチェフ閣下
(ソ連側書簡)
書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、千九百七十年十二月十八日に東京において全ソ外国貿易公団マシノインポルトとワイブイ株式会社との間に「日本国よりソ連邦へのウランゲル湾にかける港湾建設のための設備、機械及び資材の供給に関する基本契約」(以下「基本契約」という。)が署名されたことに対してソ連邦側が満足の意を表明した旨を閣下に通報することを喜びとします。
本大臣は、基本契約が両国間の貿易及び経済関係の発展のために有する意義を認め、基本契約に関する次の了解をソヴィエト社会主義共和国連邦政府に代わつて確認する光栄を有します。
1 両政府は、それぞれの国内法令の範囲内で、基本契約の円滑なかつ適時の実施を促進するものとする。
2 基本契約に基づく取引は、当該期間において有効なソヴィエト社会主義共和国連邦と日本国との間の貿易及び支払に関する協定の規定に従つて実施されるものとする。
3 両政府は、基本契約に基づく取引を両国間の貿易に対する拡大的な要因とみなす。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十一年九月二十二日に東京で
ソヴィエト社会主義共和国連邦
外国貿易大臣 エヌ・エス・パトリチェフ
日本国外務大臣 福田赳夫閣下