日本国と大韓民国との間の日本国産米の貸借に関する契約に関連する交換公文
日本国と大韓民国との間の日本国産米の貸借に関する契約に関連する交換公文
(韓国側書簡)
 書簡をもつて啓上いたします。本使は、本年三月十一日に日本国東京において大韓民国調達庁と日本国農林省食糧庁との間で締結された「日本国と大韓民国との間の日本国産米の貸借に関する契約」(以下「契約」という。)に言及する光栄を有します。前記の契約には主として次の事項が定められています。
(a) 日本国農林省食糧庁(以下「貸付者」という。)は、日本国産水稲うるち玄米三十三万三千トンを千九百六十九年三月から同年八月までの間に大韓民国調達庁(以下「借受者」という。)に対し貸し付ける。
(b) 借受者は、貸付けに係る米穀と等質等量の韓国産水稲うるち玄米を、千九百八十年から千九百九十九年までの間において、各年一万六千六百五十トンずつ貸付者に返還する。
(c) 貸付けに係る米穀の受渡しは、日本国の港における本船積込み渡し(F.O.B.stowed)とし、返還に係る米穀の受渡しは、日本国の港における本船乗渡し(C.I.F.)とする。
(d) 借受者は、貸付者に対し、貸付手数料として、貸付け時に三百万米ドル及び返還時に貸付者が返還を受けるのに要する経費相当額を支払うものとする。
 本使は、契約の締結について韓国側が満足の意を表明した旨を閣下に通報するとともに、契約が両国の友好関係の発展のために有する意義を認め、契約に関する次の了解を大韓民国政府に代わつて確認します。
1 両国政府は、それぞれの国内法令の範囲内で、契約の円滑かつ適時の実施を促進し、かつ、このため必要な措置を執るものとする。
2 契約に基づく米の輸出及び輸入に関する業務にもつぱら従事する大韓民国民及び日本国民は、その業務の遂行のための相手国への入国及び相手国における滞在につきそれぞれの国内法令の範囲内で必要な便宣を与えられるものとする。
3 両国政府は、この了解から、又はそれに関連して生ずることがあるいかなる事項についても相互に協議するものとする。
 本使は、閣下が前記の了解を日本国政府に代わつて確認されれば幸いであります。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かつて敬意を表します。
 千九百六十九年三月十二日に東京で
 大韓民国特命全権大使 巌 敏 永
 日本国外務大臣 愛知揆一閣下
(日本側書簡)
 書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確する光栄を有します。
(韓国側書簡)
 本大臣は、さらに日本国政府に代わつて、前記のことが日本国政府の了解であることを確認する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かつて敬意を表します。
 千九百六十九年三月十二日に東京で
 日本国外務大臣 愛知揆一
 大韓民国特命全権大使 巌 敏 永 閣下