日本国政府とフランス共和国政府との間の貿易議定書
日本国政府とフランス共和国政府との間の貿易議定書
 千九百六十三年五月十四日に署名された日本国とフランス共和国との間の通商に関する協定第六条及び同日に署名された両国間の貿易関係に関する議定書6(c)に基づき、千九百六十七年にパリにおいて開催された日仏年次協議の結果、日本国政府及びフランス共和国政府は、千九百六十七年、千九百六十八年及び千九百六十九年における両国間の貿易の目標を決定した。
 両国政府は、次のことを合意した。
一 両国政府は、両国における一定数の産品の輸入についての数量制限の問題に関し、それぞれの立場を明確にした。
二 日本国及びフランス共和国の権限ある当局は、千九百六十七年四月一日から千九百六十八年三月三十一日までの間、附表A及びBに掲げる産品の輸入を同表に掲げる割当ての額まで許可する。
 附表Bに関し、次の規定を適用する。
1 品目番号二〇、三〇、三二及び三三に掲げられている産品の取替用部品の輸入は、当該割当てのわく内で行なわれるものとする。ただし、本項による輸入の価額は、それぞれの当該割当てに定める金額の十パーセントをこえることができない。
2 品目番号二八に掲げる産品の取替用部品の輸入に対しては、輸入許可自動発給制度の利益が与えられる。
3 フランスの当局は、品目番号二七に該当するものとして提出されるすべての輸入申請に対して、これらの申請が現実に単眼望遠鏡としてのみ使用されるように考案され、製造されているものを対象とする場合は、掲げられた割当額を超過する場合であつても、好意的に許可を与える。
4 品目番号三六の雑品目には、次の関税番号の品目が含まれる。
 五七・一〇、五八・〇二、ex五八・〇四、ex五八・〇五、六六・〇一、ex九〇・〇一、九〇・〇二、ex九二・一三
三 日本国及びフランスの当局は、千九百六十七年五月一日の議定書により延長された千九百六十二年二月九日のジュネーヴ協定の規定に基づき、綿製品の割当額が完全に達成されるよう留意する。このため、両国の関係当局は、いずれか一方の政府の要請により協議する。
四 双方において開設される輸入割当てをより有効い利用する方法を見いだすため、両国間に外交経路を通じて協議が続けられることが合意された。
五 フランスの当局は、千九百六十七年四月一日から千九百六十八年三月三十一日までの間に日本国向けの牛の原皮の輸出を百六十トンまで許可する。
 千九百六十八年三月三十日にパリで、本書二通を作成した。
 日本国政府のために
加川隆明
 フランス共和国政府のために
クリスチャン・ドマール
A表
 千九百六十七年四月一日から千九百六十八年三月三十一日までの間に日本国においてフランスの産品の輸入のために開設される二国間割当て
 二二・〇五 二二・〇六 ぶどう酒、シャンパン及びアペリティフ 六〇四、〇〇〇リットル
B表
 千九百六十七年四月一日から千九百六十八年三月三十一日までの間にフランス関税地域において日本国の産品の輸入のために開設される二国間割当て
                                                                                       単位 米ドル
1 〇七・〇四BexIV                                     干ししいたけ                                   一四五、〇〇〇
2 二〇・〇六BexII IIIa2 aex5 exb                            パイナップルを除き、蜜柑(さつま)を含む外国産果実のかん詰             二九一、〇〇〇
3 三二・〇五                                        有機の合成染料                                   三五、〇〇〇
4 五一・〇一A                                       合成繊維の長繊維の糸     八七トン
                                              (うち四四トンは四〇〇回以上のより糸用とする。                 (二六四、〇〇〇))
5 五一・〇一B                                       人造繊維の長繊維の糸    二一八トン                     (二四一、〇〇〇)
6 五一・〇四A                                       合成繊維の長繊維の織物    八七トン                     (四三六、〇〇〇)
7 五一・〇四B                                       人造繊維の長繊維の織物
                                               捺染物         二八・四トン                      (七二、〇〇〇)
                                               捺染物以外のもの      四四トン                     (一四五、〇〇〇)
8 五三・〇七B                                       混紡の梳毛糸(小売用の糸を除く。)                         二九〇、〇〇〇
9 五三・一一                                        毛織物            八〇トン                     (二九〇、〇〇〇)
10 五六・〇七A                                       合成繊維の短繊維の織物    五八トン                     (三四七、〇〇〇)
11 五六・〇七B                                       人造繊維の短繊維の織物
                                                捺染物以外のもの     一三三トン                     (二四二、〇〇〇)
                                                捺染物           六一トン                     (二四二、〇〇〇)
12 ex第六〇類 ex第六一類 ex第六二類                            綿以外の繊維二次製品                               五七七、〇〇〇
                                                うち メリヤス製品                               一一四、〇〇〇
                                                   衣類                                   四〇三、〇〇〇
                                                   その他の製品                                六〇、〇〇〇
13 ex六四・〇一 ex六四・〇二                                ゴム製の長靴及びはき物並びに布製はき物                     (一七二、〇〇〇)
                                                うち テニス靴及びバスケット靴   二三〇、〇〇〇足
                                                   ゴム製の長靴及びはき物     七五、〇〇〇足
14 六九・〇七exB 六九・〇八B                                タイル及び道路舗装用品                              一〇五、〇〇〇
15 六九・一一 六九・一二C D                                陶磁製の皿及び家庭用品、化粧用品その他の陶磁器                  二七七、〇〇〇
16 ex七三・一五                                       加工合金鋼板
                                                ステンレス製       四一八トン                     (五〇〇、〇〇〇)
                                                工具鋼          一四三トン                      (八五、〇〇〇)
17 ex八二・〇九                                       刃物類                                       七六、〇〇〇
                                                (品目番号19記載のものを除く。)
18 八二・一四exA                                       ステンレス製食器                                  七六、〇〇〇
19 ex八二・〇九 八二・一四BexI                                ぞうげ製等の柄のナイフ及び金又は銀メッキをした金属製の柄のステンレス製以外の食器  七六、〇〇〇
20 八五・一四exB 八五・一五CexII 八五・一八exA B 八五・一九BexI exII 八五・二一AexIII  拡声器、ラジオ及びテレヴィジョンの部分品及び部品、コンデンサー、増幅器、陰極線管 四〇〇、〇〇〇
21 八五・一五AIIIexb                                     ラジオ受信機       五〇、〇〇〇台
                                                 (仏当局は、日仏電子工業業界団体間の会議の結果を考慮に入れて、日本製ラジオのフランスへの輸入可能量を拡大する用意がある。)
22 八五・一五AIIIexB                                     テレヴィジョン受像機   一三、一〇〇台                    (八三〇、〇〇〇)
23 八五・一九AIb                                       継電器                                       三五、〇〇〇
24 八五・二四exA CexII                                   黒鉛電極                                     三四五、〇〇〇
25 八五・二五B                                        自由化されていないがい子                             一三〇、〇〇〇
                                                 (うち少なくとも一〇、〇〇〇ドルは七、〇〇〇ボルト以上用のがい子)
26 ex九〇・〇五                                       双眼鏡                                       三八、五〇〇
27 ex九〇・〇五                                       プリズム付望遠鏡                                  一五、〇〇〇(増額が可能)
28 九〇・〇八AI II IIIb BI II IIIb                           映画用撮影機器(映写機を含む。)                          一四〇、〇〇〇
29 ex九〇・〇八AIb III                                   超高速映画撮影機(一秒間に一、〇〇〇コマをこえる撮影のできるもの及びその附属品)   五〇、〇〇〇
30 九〇・一二                                        光学顕微鏡                                     二七、五〇〇
31 ex九〇・二八                                       電気又は電子計量器及び同測定器等                         三〇〇、〇〇〇
                                                (フランス経済が必要とする機器については必要に応じ増額)
32 九二・一一AIIa                                      レコード・プレーヤー    四、〇〇〇台                     (四〇、七〇〇)
33 九二・一一AIIexC III                                   録音再生機及びそのコンビネーション  八、六〇〇台               (三四五、〇〇〇)
34 ex九七・〇三                                       自由化されていないがん具                             四四〇、〇〇〇
35 ex九七・〇三                                       がん具用モーター                                 一二〇、〇〇〇
36 雑品目                                          前記以外の工業産品にあてられる項目                        二四〇、〇〇〇
37                                              ギニアの輸入のための割当て                             二九、〇〇〇
38                                              マルティニックの輸入のための割当て                         五九、〇〇〇
39                                              ガドループの輸入のための割当て                           六七、〇〇〇
40                                              レユニオンの輸入のための割当て                           二九、〇〇〇
 (フランスの自由化措置に関する書簡)
(フランス側書簡)
 書簡をもつて啓上いたします。本官は、フランスの当局が次に掲げる関税番号の産品の輸入を自由化することを貴官に通報する光栄を有します。
 ex二九・四四  デハイドロストレプトマイシンクロランフェニコール抗生物質中、前記のもの、ペニシリン、ストレプトマイシン及びオキシテトラシリンを除いたもの
 五〇・〇九  絹織物又は絹屑
 六一・〇四  女子用又は乳幼児用の下着
 七一・一六  身辺用模造細貨類
 ex九〇・〇七  写真機、同部分品、部品及び附属品、写真用又は映画用せん光器具
 九〇・〇九  投影機、写真引伸機及び写真縮小機
 九八・〇一  ボタン、スナップ、カフスボタンその他これらに類するもの
 本官は、以上を申し進めるに際し、貴官に向かつて敬意を表します。
 千九百六十八年三月三十日にパリで
 フランス代表団長 クリスチャン・ドマール
 日本国代表団長殿