日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百六十六年から千九百七十年までの期間における貿易及び支払に関する協定
日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百六十六年から千九百七十年までの期間における貿易及び支払に関する協定
 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百六十六年から千九百七十年までの期間における貿易及び支払に関する協定
 日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、両国間の貿易関係が近年著しく発展したことを認め、これを平等互恵の原則に基づいて安定したかつ長期的な基礎の上に一層拡大させることを希望して、次のとおり協定した。
第一条
 千九百六十六年一月一日から千九百七十年十二月三十一日までの期間において、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、この協定に附属する第一表に掲げられた商品の日本国への輸出を許可することに同意し、日本国政府は、前記の商品のソヴィエト社会主義共和国連邦からの輸入を許可することに同意する。
 前記の期間において、日本国政府は、この協定に附属する第二表に掲げられた商品のソヴィエト社会主義共和国連邦への輸出を許可することに同意し、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、前記の商品の日本国からの輸入を許可することに同意する。
第二条
 この協定に附属する第一表及び第二表に示される数量又は金額は、両国間の貿易の発展を促進しようとする両政府の希望の結果としてこの協定の有効期間の各年度において到達されることが予想される商品の輸出及び輸入の量の見積りを表わすものとする。
 前記の品目表のうち、この協定の有効期間中の千九百六十七年、千九百六十八年、千九百六十九年及び千九百七十年の各年度を対象とする部分については、その年度が開始される前に検討及び調整を行なうものとし、かつ、この目的のために相互の合意により修正及び補足を加えることができる。
第三条
 この協定のいかなる規定も、日本国の法人及び自然人とソヴィエト社会主義共和国連邦の外国貿易団体とが、輸出、輸入及び外国為替管理に関する法律、規則及び命令でそれぞれの国において現に施行されているか又は将来施行されることのあるものに従つて、この協定に附属する第一表及び第二表に含まれていない商品又はこれらの表に示される数量若しくは金額をこえる商品の取引を行なうことを制限しないものとする。
 この場合には、両政府の権限のある当局は、前記の商品の輸出及び輸入の許可について好意的態度をとるものとする。
第四条
 第一条に定める商品の輸出及び輸入の許可は、輸出、輸入及び外国為替管理に関する法律、規則及び命令でそれぞれの国において現に施行されているか又は将来施行されることのあるものに従つて、一方日本国の法人及び自然人と他方ソヴィエト社会主義共和国連邦の外国貿易団体との間で締結される契約に基づいて行なわれるものとする。
第五条
 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間のすべての支払は、外国為替管理に関する法律、規則及び命令でそれぞれの国において現に施行されているか又は将来施行されることのあるものに従つて交換可能な通貨で行なうものとする。
第六条
 両政府の代表は、この協定の実施状況の検討のため及び必要な場合には両政府に対する適当な勧告の作成のために、相互の合意に基づき、交互に東京及びモスクワで会合するものとする。
第七条
 両政府は、この協定に基づいて売買される商品の輸送を容易にするため、両政府が執ることができるすべての措置を執るものとする。
第八条
 両政府は、この協定に基づいて締結される契約から又はそれらに関連して生ずる紛争の解決のため、両国の仲裁機関の利用をあらゆる可能な方法により奨励するものとする。
第九条
 この協定の有効期間中に締結された契約に基づく取引でこの協定の終了の日までに完了されなかつたものは、この協定の規定に従つて行なわれるものとする。
第十条
 この協定は、署名の日に効力を生じ、千九百七十年十二月三十一日まで効力を有するものとする。ただし、この協定の規定は、千九百六十六年一月一日にさかのぼつて適用されるものとする。
 千九百六十六年一月二十一日にモスクワで、ひとしく正文である日本語及びロシア語により本書二通を作成した。
 日本国政府の委任により
椎名悦三郎
 ソヴィエト社会主義共和国連都政府の委任により
H・パトリチェフ
 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百六十六年から千九百七十年までの期間における貿易及び支払に関する協定の附属書
第一表
 千九百六十六年から千九百七十年までにソヴィエト社会主義共和国連邦から日本国に輸出される品目

					

					

					
 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百六十六年から千九百七十年までの期間における貿易及び支払に関する協定の附属書
第二表
 千九百六十六年から千九百七十年までに日本国からソヴィエト社会主義共和国連邦に輸出される品目

					

					

					

					

					

					

					

					
 (ソ連邦極東地方との消費物資の貿易に関する交換公文)
 書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、本日行なわれた日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百六十六年から千九百七十年までの期間における貿易及び支払に関する協定の署名に際し、日本国政府に代わり、両政府が次のとおり合意することを提案する光栄を有します。
一 日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方との間の消費物資(地方特産品を含む。)の交換を目的として、千九百六十六年一月一日から千九百七十年十二月三十一日までの期間につき、この書簡に附属する次の品目表を採択した。
 第一表  ソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方から日本国に輸出される品目
 第二表  日本国からソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方に輸出される品目
二 両政府は、前記の第一表及び第二表に掲げられた商品の輸入の許可についてそれぞれ好意的態度をとるものとする。
三 これらの表に掲げられた商品の取引は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百六十六年から千九百七十年までの期間における貿易及び支払に関する協定の第三条から第九条までに規定する手続と同様の手続に従つて行なわれるものとする。
四 これらの表に掲げられた商品の輸出及び輸入の総額は、それぞれ、千九百六十六年には百八十万英ポンドになるものと見積られ、また、千九百七十年には三百六十万英ポンドに達するものと見積られる。
五 これらの表は、千九百六十七年以後において検討及び訓整を加えるものとし、かつ、この目的のために相互の合意により修正及び補足を加えることができる。
六 両政府の代表は、この書簡に基づく取引の実施状況を検討するため、相互の合意に基づき、交互に東京及びモスクワで会合するものとする。
 本大臣は、さらに、この書簡及び前記の提案の貴国政府による同意を確認される閣下の返簡を両政府聞の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、閣下に向かつて敬意を表します。
 千九百六十六年一月二十一日にモスクワで
 日本国外務大臣
椎名悦三郎
 ソヴィエト社会主義共和国連邦
外国貿易大臣  エヌ・エス・パトリチェフ閣下
第一表  ソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方から日本国に輸出される品目
 冷凍及び生鮮鯨肉(食料及び飼料用)
 鯨肉粉
 鯨肝臓
 抱卵にしん(生)
 めぬけ
 冷凍かれい
 冷凍えび
 うに
 いがい
 乾なまこ
 みんたい子
 シチューカの卵
 乾燥及び冷凍のふかのひれ
 魚缶詰(さけ、たら及びにしんを除く。)
 寒天製造用の海草
 熊の肉及び脂肪
 となかいの皮及び角
 乾燥野生果実(こけもも、つるこけももその他)
 松の実
 薬用植物
 チモシー
 林業用種子
 野菜、果樹および草の種子
 苗木
 螢石の鉱石
 大理石
 花崗岩
 ひる石
 パーライト
 硅土れんが
 リグニン
 骨又は角の細工品及び各種の工芸品
 楽器
 鉱水
 その他の商品
第二表  ソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方から日本国に輸出される品目
 漁業用装具
   うち
     魚網
     網
     漁夫用作業服
 綿織物、毛織物、絹織物及び合成繊維織物
 繊維二次製品
   うち
     レインコート
     男子用ワイシャツ
     婦人用ブラウス
     テーブル・クロス及びナプキン
 メリヤス製品
   うち
     下着
     男子用靴下
     婦人用靴下
 履物
 皮革製品
   うち
     衣料
     手袋
     鞄
 ゴム製品
   うち
     履物
     手袋
 金属洋食器
 陶磁器製食器
 紙
 医薬品
 合成洗剤
 タイヤ及びチューブ
 農薬助剤
 タイル
 刃物製品
   うち
     安全かみそりの刃
 光学器具
 航海用機器
 船舶機関用の潤滑油
 野菜及び果実
   うち
     かんきつ類
     りんご
     果物缶詰
 その他の商品