日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定に基づいてカンボディアに設置された医療センターの運営に関する交換公文
日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定に基づいてカンボディアに設置された医療センターの運営に関する交換公文
 書簡をもつて啓上いたします。本使は、千九百五十九年三月二日に署名された日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定に基づいて千九百六十四年七月にカンボディアに設置された日本・カンボディア友好医療センター(バッタンバン州)の運営に関する最近の両国政府の権限のある当局間の会談に言及し、同協定に基づく援助期間が千九百六十六年七月五日に終了したこと及びこのセンターの運営に対する日本国の協力がカンボディア人の保健衛生上望ましいことを考慮して、日本国政府及びカンボディア王国政府が次の取極について合意すことを提案する光栄を有します。
1 このセンターの目的は、次のとおりとする。
(1) 予防医学及び治療医学を通じての保健衛生の向上
(2) このセンターの職員に対する技術訓練
2 日本国政府は、日本国において施行されている法令に従い、このセンターについて次の措置を執る。
(1) コロンボ・プランによる日本人の専門家の派遣診察及び治療に必要な機械、資材及び医療品の供与並びに使用可能な病室数を増加するためセンターの増築に必要な資材の供与
3 カンボディア王国政府は、次の措置を執る。
(1) このセンターの増築に必要な労働力、資材及び設備の供与
(2) 必要なカンボディア人の技術及び事務の職員を引き続き任命すること
(3) このセンターの運営に必要な経費の支出
(4) 日本国政府がこの取極に基づいて供与する機械、資材及び医療品の輸入に対する免税の許与並びに機械及び資材の輸送及び据付けその他の便宜の供与
4 両国政府は、このセンターの運営に関して随時協議する。
5 この取極は、千九百六十六年十月一日に効力を生じ、三年間効力を有する。ただし、両国政府は、いずれか一方の要請に基づいて、この取極の期間を延長するために協議を行なうことができる。
 本使は、本国政府に代わつて、この書簡及び前記の提案の貴国政府による受諾を確認する殿下の返簡を、両国政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて殿下に向かつて敬意を表します。
 千九百六十六年九月三十日にプノンペンで
 日本国特命全権大使 田村幸久
 カンボディア外務大臣 ノロドム・カントール殿下
 書簡をもつて啓上いたしまず。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
 本大臣は、本国政府に代わつて閣下の書簡に述べられた提案に同意し、さらに、閣下の書簡及びこの返簡を、両国政府間の合意を構成するものとみなすことに同意する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下にかつて敬意を表します。
 千九百六十六年九月三十日にプノンペンで
 外務大臣 ノロドム・カントール
 カンボディア駐在
日本特命全権大使 田村幸久閣下