日本国とカンボディアとの間の貿易取極の有効期間の延長に関する交換公文
日本国とカンボディアとの間の貿易取極の有効期間の延長に関する交換公文
書簡をもつて啓上いたします。本使は、日本国政府が千九百六十年二月十日に署名され、千九百六十一年二月十四日、千九百六十二年二月十四日及び千九百六十三年二月十四日に更新された日本国とカンボディアとの間の貿易取極(その一部を構成する文書を含む。)を、同取極第六条の規定に従つて千九百六十五年二月十四日まで延長することをカンボディア王国政府に提案する旨を閣下に通報する光栄を有します。
カンボディア王国政府が前記の提案に同意する場合には、この書簡及びこの書簡に対する閣下の返簡が前記の取極の延長に関する日本国政府とカンボディア王国政府との間の合意を構成するものといたします。
本使は、閣下が前記のことに対する貴国政府の同意を確認されれば幸いであります。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百六十四年一月十四日
日本国大使 芳賀四郎
カンボディア外務長官 フォット・サンバット閣下
書簡をもつて啓上いたします。本長官は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認します。
(日本側書簡)
本長官は、日本国政府の前記の提案に対するカンボディア王国政府の同意を通報する光栄を有します。
本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百六十四年一月十四日
フォット・サンパット
カンボディア駐在日本国大使 芳賀四郎閣下
日本国とカンボディアとの間の貿易取極
昭和三十五年二月十日 プノンペンで署名
昭和三十五年二月十五日 効力発生
昭和三十六年一月十三日、十四日 一箇年延長(三六、二、一五~三七、二、一四)
昭和三十七年一月十三日 一箇年延長(三七、二、一五~三八、二、一四)
昭和三十八年一月十四日 一箇年延長(三八、二、一五~三九、二、一四)
日本国政府及びカンボディア王国政府は、両国間の貿易を容易にし、及び発展させることを希望して、次の規定を協定した。
第一条 両政府は、両国間の輸入及び輸出の均衡の趣旨に従つて、両国間の貿易の量を増大し、かつ、これをできる限り高い水準に維持するよう努力するものとする。
第二条 両政府は、それぞれの国における外国為替及び外国貿易の管理に関する現行の法令に従い、この取極の附表A及びBに掲げる商品の輸出及び輸入を容易にするよう努力するものとする。
前記の表は、制限的なものではない。両政府は、前記の表に掲げられていない商品の輸出及び輸入をできる限り容易にするよう努力するものとする。
第三条 輸入に関する規則及び手続並びに関税及びそれに関連する手続に関し、いずれの一方の国の政府も、他方の国の商品に対し、現行の法令に従い、できる限り好意的な待遇を与えるものとする。
第四条 この取極に従つて行なわれる経常取引に関する支払は、それぞれの国における外国為替の管理に関する現行の法令に従い、スターリング・ポンドその他の交換可能な通貨により行なうものとする。
第五条 混合委員会は、この取極の円滑な実施を容易にするため、いずれか一方の政府の要請により交互にプノンペン及び東京で会合するものとする。
第六条 この取極は、千九百六十年二月十五日に効力を生ずる。
この取極は、一年間効力を有する。この取極は、その終了の日の少なくとも一箇月前に書簡の交換を行なうことにより更新することができ、また、両政府間の交渉により改正することができる。
この取極は、また、いずれか一方の政府が他方の政府に対して行なう書面による三箇月の予告をもつて、廃棄することができる。
以上の証拠として、両政府の代表者は、このため正当に委任を受け、この取極に署名した。
千九百六十年二月十日にプノンペンで、ひとしく正文である日本語、カンボディア語及びフランス語により本書二通を作成した。解釈に相違があるときは、フランス語の本書による。
日本国政府のために 大橋忠一
カンボディア王国政府のために ブン・チャン・プラン
A表
カンボディアの産品の日本国への輸出
1. 米
2. とうもろこし
3. カポック
4. 木材
5. 胡椒
6. 隠元豆
7. 大豆
8. 胡麻
9. 南京豆(ヴアージニア種を除く)
10. 皮革
11. ひま種子
12. 綿種子
13. 骨粉
14. 獣骨
15. うるし
16. 雑品目
B表
日本国の産品のカンボディアへの輸出
1. 食料及び飲料
2. 織物及び繊維製品
3. 紙及び紙製品
4. 動物及び植物産品
5. 化学製品
6. 金属及び金属製品
7. 非金属鉱物及び製品
8. 機械
9. 雑品目