一部旅券査証の相互免除に関する日本国政府とトルコ政府との間の取極(交換公文)
一部旅券査証の相互免除に関する日本国政府とトルコ政府との間の取極(交換公文)
日本国外務大臣からトルコ特命全権大使にあてた書簡
欧四第三八号
書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、日本国政府が、日本国とトルコとの間の旅行を簡易化するために、両国間の査証免除に関する取極を次のとおりトルコ政府と締結する用意がある旨を閣下に通報する光栄を有します。
1 有効な日本国旅券を所持する日本国民は、その居住地のいかんを問わず、継続して三箇月をこえない滞在のため、トルコの領事査証なしで、トルコにおもむくことができる。
2 有効なトルコ旅券を所持するトルコ国民は、その居住地のいかんを問わず、継続して三箇月をこえない滞在のため、日本国の領事査証なしで、日本国におもむくことができる。
3 三箇月をこえる滞在のため又は生業、職業若しくは報酬を受けるその他の業務に従事するためトルコ又は日本国におもむくことを希望する日本国又はトルコの国民は、1及び2に定める免除を受けることができず、いかなる場合にも、それぞれの国の外交又は領事官憲から事前に必要な査証を受けなければならない。
4 この取極に定める領事査証の免除は、それぞれトルコ又は日本国におもむく日本国又はトルコの国民が、外国人の入国、滞在、出国及び雇用に関するトルコ又は日本国の法令を遵守すべき義務を免除するものではない。
5 各政府は、好ましくないと認める相手国の国民の自国の領域への入国又は滞在を拒否する権利を留保する。
6 日本国又はトルコの職業外交又は領事職員で、それぞれトルコ又は日本国に公務で派遣されるもの及びその家族は、自国の有効な外交又は公用旅券の呈示により、滞在期間のいかんにかかわらず、いかなる種類の査証もなしで、それぞれトルコ又は日本国に自由におもむくことができる。
7 各政府は、公序上の理由によつて、この取極の実施を一時的に中止することができる。この中止は、直ちに外交上の経路を通じて他方政府に通報されなければならない。
8 この取極は、署名の後二箇月で効力を生ずる。各政府は、一箇月の予告をもつてこの取極を廃棄することができる。
本大臣は、トルコ政府が前記の諸規定を承諾する用意を有されるときは、この書簡及び同様な文言による閣下の返簡を両国政府間の合意を示すものとみなすことを閣下に提案する光栄を有します。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向つて敬意を表します。
昭和三十二年十一月五日
外務大臣に代つて 外務次官 大野勝巳
トルコ特命全権大使 スレヤ・アンデリマン閣下
トルコ特命全権大使から日本国外務大臣にあてた書簡
第四二一/七五号
書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日付の閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、日本国政府が、日本国とトルコとの間の旅行を簡易化するために、両国間の査証免除に関する取極を次のとおりトルコ政府と締結する用意がある旨を閣下に通報する光栄を有します。
1 有効な日本国旅券を所持する日本国民は、その居住地のいかんを問わず、継続して三箇月をこえない滞在のため、トルコの領事査証なしで、トルコにおもむくことができる。
2 有効なトルコ旅券を所持するトルコ国民は、その居住地のいかんを問わず、継続して三箇月をこえない滞在のため、日本国の領事査証なしで、日本国におもむくことができる。
3 三箇月をこえる滞在のため又は生業、職業若しくは報酬を受けるその他の業務に従事するためトルコ又は日本国におもむくことを希望する日本国又はトルコの国民は、1及び2に定める免除を受けることができず、いかなる場合にも、それぞれの国の外交又は領事官憲から事前に必要な査証を受けなければならない。
4 この取極に定める領事査証の免除は、それぞれトルコ又は日本国におもむく日本国又はトルコの国民が、外国人の入国、滞在、出国及び雇用に関するトルコ又は日本国の法令を遵守すべき義務を免除するものではない。
5 各政府は、好ましくないと認める相手国の国民の自国の領域への入国又は滞在を拒否する権利を留保する。
6 日本国又はトルコの職業外交又は領事職員で、それぞれトルコ又は日本国に公務で派遣されるもの及びその家族は、自国の有効な外交又は公用旅券の呈示により、滞在期間のいかんにかかわらず、いかなる種類の査証もなしで、それぞれトルコ又は日本国に自由におもむくことができる。
7 各政府は、公序上の理由によつて、この取極の実施を一時的に中止することができる。この中止は、直ちに外交上の経路を通じて他方政府に通報されなければならない。
8 この取極は、署名の後二箇月で効力を生ずる。各政府は、一箇月の予告をもつてこの取極を廃棄することができる。
本大臣は、トルコ政府が前記の諸規定を承諾する用意を有されるときは、この書簡及び同様な文言による閣下の返簡を両国政府間の合意を示すものとみなすことを閣下に提案する光栄を有します。
本使は、トルコ政府が閣下の書簡に同意する旨を述べること及び同書簡をこの返簡とともに両国政府間の合意を示すものとみなすことを確認する光栄を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向つて敬意を表します。
千九百五十七年十一月五日
トルコ大使 スレヤ・アンデリマン
外務大臣 藤山愛一郎閣下