旅券査証及び査証料の相互免除に関する日本国とコロンビア共和国との間の交換公文
旅券査証及び査証料の相互免除に関する日本国とコロンビア共和国との間の交換公文
 日本国特命全権大使からコロンビア外務大臣にあてた書簡
 第五六号
 書簡をもつて啓上いたします。本使は、本大使館とコロンビア外務省との間の査証の免除についての会談に関し、日本国政府が日本国とコロンビアとの間の旅行を容易にするため次の取極を実施する用意があることを閣下に申し述べる光栄を有します。
(1) 日本国の権限のある当局によつて発給された有効な一般旅券を所持する日本国民は、その居住地のいかんを問わず、領事査証を取り付けることなく、三箇月をこえない滞在のため、コロンビアにおもむくことができる。
(2) コロンビア共和国の権限のある当局によつて発給された有効な一般旅券を所持するコロンビア国民は、その居住地のいかんを問わず、領事査証を取り付けることなく、三箇月をこえない滞在のため、日本国におもむくことができる。
(3) 領事査証の手続は、三箇月をこえる滞在のため、又は生業、職業若しくは報酬を受けるその他の活動に従事する意図をもつてそれぞれコロンビア及び日本国の領域におもむく日本国民及びコロンビア国民に対しては、必要とされる。この査証は、無料で与えられるものとする。
(4) コロンビア国民及び日本国民であつて、有効な外交旅券又は公用旅券を所持するものは、それぞれ日本国及びコロンビアにおける滞在期間のいかんを問わず、領事査証を取り付けることなく、日本国及びコロンビアにおもむくことができる。
(5) 各政府は、この取極の規定に従つて査証なしで入国した相手国民に対し、その滞在期間の延長を認めることができる。
(6) 両国国民は、領事査証の有無を問わず、一方の国の領域にはいつた時から、その国の法令その他の規定に従わなければならない。
(7) 各国の権限のある当局は、好ましくないと認める者が各領域に入国し又は滞在することを拒否する権利を留保する。
(8) 各政府は、公序上の理由によつて、この取極の実施を一時的に停止することができる。この停止は、直ちに外交上の経路を通じて他方の政府に通告しなければならない。
(9) この取極は、この取極の日付の日から一箇月後に効力を生ずる。各政府は、二箇月の予告期間をもつてこの取極を廃棄する権利を留保する。
 日本国政府は、この書簡及びコロンビア共和国政府の同意を確認される閣下の返簡を前記の事項に関する両国政府間の合意を構成するものと認めることに同意いたします。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
 千九百六十二年八月一日
 日本国特命全権大使大隈信幸
 コロンビア外務大臣
 ホセ・ホアキン・カイセド・カスティーリャ閣下
 コロンビア外務大臣から日本国特命全権大使にあてた書簡
 RT第一三一号
 書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡第五六号に言及する光栄を有します。
 本使は、本大使館とコロンビア外務省との間の査証の免除についての会談に関し、日本国政府が日本国とコロンビアとの間の旅行を容易にするため次の取極を実施する用意があることを閣下に申し述べる光栄を有します。
(1) 日本国の権限のある当局によつて発給された有効な一般旅券を所持する日本国民は、その居住地のいかんを問わず、領事査証を取り付けることなく、三箇月をこえない滞在のため、コロンビアにおもむくことができる。
(2) コロンビア共和国の権限のある当局によつて発給された有効な一般旅券を所持するコロンビア国民は、その居住地のいかんを問わず、領事査証を取り付けることなく、三箇月をこえない滞在のため、日本国におもむくことができる。
(3) 領事査証の手続は、三箇月をこえる滞在のため、又は生業、職業若しくは報酬を受けるその他の活動に従事する意図をもつてそれぞれコロンビア及び日本国の領域におもむく日本国民及びコロンビア国民に対しては、必要とされる。この査証は、無料で与えられるものとする。
(4) コロンビア国民及び日本国民であつて、有効な外交旅券又は公用旅券を所持するものは、それぞれ日本国及びコロンビアにおける滞在期間のいかんを問わず、領事査証を取り付けることなく、日本国及びコロンビアにおもむくことができる。
(5) 各政府は、この取極の規定に従つて査証なしで入国した相手国民に対し、その滞在期間の延長を認めることができる。
(6) 両国国民は、領事査証の有無を問わず、一方の国の領域にはいつた時から、その国の法令その他の規定に従わなければならない。
(7) 各国の権限のある当局は、好ましくないと認める者が各領域に入国し又は滞在することを拒否する権利を留保する。
(8) 各政府は、公序上の理由によつて、この取極の実施を一時的に停止することができる。この停止は、直ちに外交上の経路を通じて他方の政府に通告しなければならない。
(9) この取極は、この取極の日付の日から一箇月後に効力を生ずる。各政府は、二箇月の予告期間をもつてこの取極を廃棄する権利を留保する。
 日本国政府は、この書簡及びコロンビア共和国政府の同意を確認される閣下の返簡を前記の事項に関する両国政府間の合意を構成するものと認めることに同意いたします。
 よつて、本大臣は、コロンビア共和国政府がこの書簡とともに9の規定に基づき効力を生ずる合意を構成する閣下の書簡の条項に同意することを表明いたします。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
 千九百六十二年八月一日
ホセ・ホアキン・カイセド・カスティーリャ
 日本国特命全権大使 大隈信幸閣下