債務救済措置に関する日本国政府と象牙海岸共和国政府との間の交換公文
債務救済措置に関する日本国政府と象牙海岸共和国政府との間の交換公文
(日本側書簡)
書簡をもって啓上いたします。本官は、千九百九十四年三月二十二日及び二十三日にパリで開催された象牙海岸共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間の協議において到達した結論に基づき日本国政府の代表者と象牙海岸共和国政府の代表者との間で行われた最近の交渉に言及する光栄を有します。本官は、更に、前記の交渉において到達した次の了解を確認する光栄を有します。
1 債務繰延方式による債務救済措置が、海外経済協力基金(以下「基金」という。)により、日本国において施行されている関係法令に従ってとられることになる。
2(1) 繰延べの対象となる債務(以下「繰延債務」という。)の総額は、二十四億五千七十六万九千七百七十八円(二、四五〇、七六九、七七八円)になる。繰延債務は、象牙海岸共和国政府が基金に対して負う次の債務であってこの書簡の付表に掲げるものから成る。
(a) 過去に繰り延べられなかった債務に関し、
(i) 千九百九十四年二月二十八日以前に弁済期限の到来した未払の元本及び契約上の利子並びにそれらの遅延利子であって千九百九十四年二月二十八日以前に生じたもの(それらの内訳は、この書簡の付表一に掲げられる。)
(ii) 千九百九十四年三月一日から千九百九十五年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したか又は到来する元本及び契約上の利子(それらの内訳は、この書簡の付表二に掲げられる。)
(iii) 千九百九十五年四月一日から千九百九十六年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来する元本及び契約上の利子(それらの内訳は、この書簡の付表三に掲げられる。)。ただし、国際通貨基金(以下「IMF」という。)の理事会が、拡大構造調整措置(以下「ESAF」という。)に基づく象牙海岸共和国政府とIMFとの間の第二年次取極を千九百九十五年五月三十一日(以下「承認の期限I」という。)までに承認し、かつ、関係債権諸国が千九百九十四年三月二十三日にパリで象牙海岸共和国政府の代表者及び関係債権諸国政府の代表者によって署名された合意議事録(以下「合意議事録」という。)に定める条件を象牙海岸共和国政府が遵守したと認める場合に限る。
(iv) 千九百九十六年四月一日から千九百九十七年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来する元本及び契約上の利子(それらの内訳は、この書簡の付表四に掲げられる。)。ただし、IMFの理事会が、ESAFに基づく象牙海岸共和国政府とIMFとの間の第三年次取極を千九百九十六年五月三十一日(以下「承認の期限II」という。)までに承認し、かつ、関係債権諸国が合意議事録に定める条件を象牙海岸共和国政府が遵守したと認める場合に限る。
(b) 千九百八十九年二月二十八日、千九百九十年十月十九日及び千九百九十二年十一月十三日に日本国政府と象牙海岸共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に関し、
(i) 千九百九十四年二月二十八日以前に弁済期限の到来した未払の繰延利子及びその遅延利子であって千九百九十四年二月二十八日以前に生じたもの(それらの内訳は、この書簡の付表五に掲げられる。)
(ii) 千九百九十四年三月一日から千九百九十五年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したか又は到来する元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表六に掲げられる。)
(iii) 千九百九十五年四月一日から千九百九十六年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来する元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表七に掲げられる。)。ただし、IMFの理事会が、ESAFに基づく象牙海岸共和国政府とIMFとの間の第二年次取極を承認の期限Ⅰまでに承認し、かつ、関係債権諸国が合意議事録に定める条件を象牙海岸共和国政府が遵守したと認める場合に限る。
(iv) 千九百九十六年四月一日から千九百九十七年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来する元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表八に掲げられる。)。ただし、IMFの理事会が、ESAFに基づく象牙海岸共和国政府とIMFとの間の第三年次取極を承認の期限Ⅱまでに承認し、かつ、関係債権諸国が合意議事録に定める条件を象牙海岸共和国政府が遵守したと認める場合に限る。
(2) 承認の期限Ⅰ及び承認の期限Ⅱは、関係債権諸国政府の代表者の行う決定に従い日本国政府及び象牙海岸共和国政府の関係当局の同意を得て修正することができる。
(3) (1)にいう総額及びこの書簡の付表は、象牙海岸共和国政府の関係当局及び基金が行う最終的照合の後に日本国政府及び象牙海岸共和国政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
3 債務繰延べの条件は、象牙海岸共和国政府と基金との間で締結される債務繰延契約であって、なかんずく次の原則を含むものにおいて規定される。
(1) 繰延債務の各々は、この書簡の附属書一に掲げる支払計画に従って二千八年三月三十一日に始まる三十六回の半年賦払によって支払われる。
(2) 繰延債務に対する利子率は、年四・二五パーセントとし、この書簡の付表一及び五に掲げる債務については、千九百九十四年三月一日から、この書簡の付表二、三、四、六、七及び八に掲げる債務については、それぞれの弁済期日から適用される。
4 この書簡の付表九に掲げる債務は、この書簡の附属書二に掲げる支払計画に従って支払われる。その債務の額に対してこの書簡の付表九に掲げる弁済期日から利子が課され、その利子率は、3(2)にいう利子率と同等とする。
5 象牙海岸の債務(この取極が対象とする債務を含む。)の再編に関して象牙海岸共和国政府の代表者及び関係債務諸国政府の代表者が新たな結論に到達した場合には、日本国政府と象牙海岸共和国政府との間でこの取極の継続又は修正について討議するための協議が行われる。
本官は、閣下が前記の了解を象牙海岸共和国政府に代わって確認されれば幸いであります。
本官は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
千九百九十五年三月二十七日にアビジャンで
在象牙海岸共和国日本国臨時代理大使 川村裕
象牙海岸共和国 国防大臣兼外務大臣臨時代理 レオン・コナン・コフィー閣下
附属書一
二千八年三月三十一日 ◯・二九パーセント 二千八年九月三十日 ◯・三六パーセント
二千九年三月三十一日 ◯・四三パーセント 二千九年九月三十日 ◯・五一パーセント
二千十年三月三十一日 ◯・六〇パーセント 二千十年九月三十日 ◯・六九パーセント
二千十一年三月三十一日 ◯・七八パーセント二千十一年九月三十日 ◯・八八パーセント
二千十二年三月三十一日 ◯・九九パーセント二千十二年九月三十日 一・一〇パーセント
二千十三年三月三十一日 一・二二パーセント二千十三年九月三十日 一・三四パーセント
二千十四年三月三十一日 一・四七パーセント二千十四年九月三十日 一・六〇パーセント
二千十五年三月三十一日 一・七四パーセント二千十五年九月三十日 一・八九パーセント
二千十六年三月三十一日 二・〇五パーセント二千十六年九月三十日 二・二二パーセント
二千十七年三月三十一日 二・三九パーセント二千十七年九月三十日 二・五七パーセント
二千十八年三月三十一日 二・七六パーセント二千十八年九月三十日 二・九六パーセント
二千十九年三月三十一日 三・一八パーセント二千十九年九月三十日 三・四〇パーセント
二千二十年三月三十一日 三・六三パーセント二千二十年九月三十日 三・八七パーセント
二千二十一年三月三十一日 四・一三パーセント二千二十一年九月三十日 四・四〇パーセント
二千二十二年三月三十一日 四・六八パーセント二千二十二年九月三十日 四・九七パーセント
二千二十三年三月三十一日 五・二八パーセント二千二十三年九月三十日 五・六一パーセント
二千二十四年三月三十一日 五・九五パーセント二千二十四年九月三十日 六・三一パーセント
二千二十五年三月三十一日 六・六八パーセント二千二十五年九月三十日 七・〇七パーセント
附属書二
千九百九十四年九月三十日 十パーセント
千九百九十四年十二月三十一日 十パーセント
千九百九十五年三月三十一日 十パーセント
千九百九十五年六月三十日 十パーセント
千九百九十五年九月三十日 十パーセント
千九百九十五年十二月三十一日 十パーセント
千九百九十六年三月三十一日 十パーセント
千九百九十六年六月三十日 十パーセント
千九百九十六年九月三十日 十パーセント
千九百九十六年十二月三十一日 十パーセント
(象牙海岸側書簡)
書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの貴官の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
本大臣は、更に、貴官の書簡に述べられた了解を象牙海岸共和国政府に代わって確認する光栄を有します。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに貴官に向かつて敬意を表します。
千九百九十五年三月二十七日にアビジャンで
象牙海岸共和国 国防大臣兼外務大臣臨時代理 レオン・コナン・コフィー
在象牙海岸共和国日本国臨時代理大使 川村裕殿