ロシア連邦に対する日本輸出入銀行の融資に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の交換公文
ロシア連邦に対する日本輸出入銀行の融資に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の交換公文
(日本側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本使は、日本国政府の代表者とロシア連邦政府の代表者との間で到達した次の了解を日本国政府に代わって確認する光栄を有します。
1 千九百九十年十二月十八日に人道的配慮に基づいて日本国政府が発表した食糧品等の緊急支援策の一環として、日本輸出入銀行とソ連邦対外経済活動銀行との間で締結される借款契約(以下「借款契約」という。)に基づき、日本国の関係法令に従って、ソ連邦対外経済活動銀行に対し、日本国からの食糧品等の購入のため、百三十三億千五百万円の額までの融資(以下「融資」という。)が行われることになる。
2 融資の条件は、なかんずく次の原則を含むこととなる借款契約において定められる。
(1) 償還期間は、二年の据置期間を含む三年とする。
(2) 利子率は、借款契約に従ってロシア連邦の輸入者と日本国の輸出者との間で締結される契約の署名の日の日本円長期最優遇貸出金利(年利)から◯・二パーセントを減じたものとする。
 日本円長期最優遇貸出金利が当該契約の署名の日以前の十日間に変動した場合には、変動前の利子率を適用する。
3 融資は、次に掲げる食糧品等の購入費及び当該食糧品等のロシア連邦の港までの輸送費として使用される。
(1) ココアバターの代用品
(2) ハム・ソーセージの包装材料
(3) 医薬品及び医療機器
(4) 医薬品原料
(5) 食品、タバコの包装材料
(6) タバコのフィルター
(7) 獣医科用薬剤
4 融資の元本の償還及び利息の支払を含む借款契約におかれることとなる規定に係る支仏は、ロシア連邦政府によって保証される。
5 ロシア連邦政府は、融資に基づき購入される食糧品等の独立国家共同体に加盟している他の関係諸国に対する配分につき必要な措置をとる。
 ロシア連邦政府は、要請に応じ、日本国政府に対し、融資に基づき購入される食糧品等の独立国家共同体に加盟している他の関係諸国に対する配分に関する情報を提供する。
6 ロシア連邦政府は、次のことを確保するために必要な措置をとる。
(1) 融資が適正にかつ専ら3に掲げる食糧品等の購入費及び輸送費として使用されること。
(2) 融資に基づき購入される食糧品等であってロシア連邦において配分されるものが適切な流通経路を通じてロシア連邦の最終受益者に対し配分されること。
7 融資に基づく食糧品等の購入は、日本国とロシア連邦との間で適用される千九百九十一年から千九百九十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定の規定に従って実施される。
8 両政府は、前記の了解の実施に関する情報を交換する。
9 両政府は、前記の了解から又はそれに関連して生ずることのある事項について、遅滞なく相互に協議する。
 本使は、閣下が前記の了解をロシア連邦政府に代わって確認されれば幸いであります。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十二年九月二十八日にモスクワで
 ロシア連邦駐在
日本国特命全権大使 枝村純郎
 ロシア連邦
対外経済関係大臣 ペー・アーヴェン閣下
(ロシア側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
 本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられた了解をロシア連邦政府に代わって確認する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十二年九月二十八日にモスクワで
 ロシア連邦
対外経済関係大臣 ペー・アーヴェン
 ロシア連邦駐在
日本国特命全権大使 枝村純郎閣下