日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百九十一年から千九百九十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定
日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百九十一年から千九百九十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定
 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百九十一年から千九百九十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定
 日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、
 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百五十七年以来の貿易及び支払に関する協定に基づき二国間の貿易経済関係においてこれまでに達成された成果を指摘し、
 千九百八十六年から千九百九十年までの期間における貿易及び支払に関する協定の有効期間が満了したことにかんがみ、
 千九百五十七年十二月六日に東京で署名された日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の通商に関する条約に留意し、
 二国間の貿易経済関係を平等互恵の原則に基づいて安定したかつ長期的な基礎の上に一層拡大させることを希望して、
 次のとおり協定した。
第一条
 千九百九十一年一月一日から千九百九十五年十二月三十一日までの期間において、両国間で取引されることが予想される商品の表は、この協定に附属する。
 前記の表は、いかなる意味においても、それに含まれない商品の取引を制限するものと解してはならない。
第二条
 両国間で取引される商品の輸出及び輸入の許可は、輸出、輸入及び外国為替管理に関する法律、規則及び命令でそれぞれの国において現に施行されているか又は将来施行されることのあるものに従って行われる。
第三条
 両政府は、それぞれの国の関係法令に従って、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦の地方との間の貿易を含む両国間の貿易が円滑に行われるよう努力する。
第四条
 両政府は、両国間の貿易経済関係を一層発展させるため、それぞれの国の関係法令に従って、貿易経済分野における両国の人材の育成並びに両国の慣行及び法制度の調査に関してできる限りの便宜を与える。
第五条
 いずれの一方の国の政府も、自国の関係法令に従って、自国における他方の国の商品の展覧会及び見本市の開催に関してできる限りの便宜を与える。
第六条
 両国間のすべての支払は、外国為替管理に関する法律、規則及び命令でそれぞれの国において現に施行されているか又は将来施行されることのあるものに従って交換可能な通貨で行う。
第七条
 両政府は、両国間で取引される商品の輸送を容易にするため、とることができるすべての措置をとる。
 いずれの一方の国の政府も、通過貿易に関する自国の法令に従い、自国の領域を経由する通過貿易で他方の国の利益となるものの発展を好意的に考慮する。
第八条
 両政府は、日本国の法人及び自然人とソヴィエト社会主義共和国連邦の対外経済関係参加者との間でこの協定に従って締結される契約から又はそれらに関連して生ずる紛争の解決のため、仲裁機関の利用をあらゆる可能な方法により奨励する。
 前記の仲裁機関には、日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦の仲裁機関のみならず、その他の国の仲裁機関を含む。
第九条
 両政府の代表者は、この協定の実施に関連する問題及び平等互恵の原則に基づく両国間の貿易経済関係の発展に関する問題を討議するため並びに必要な場合には両政府に対する適当な勧告の作成のために、相互の合意に基づき、毎年交互に東京及びモスクワで会合する。
第十条
 この協定の有効期間中に締結された契約に基づく取引でこの協定の終了の日までに完了しなかったものは、この協定の規定に従って行われる。
第十一条
 この協定は、署名の日に効力を生じ、千九百九十五年十二月三十一日、まで効力を有する。ただし、この協定の規定は、千九百九十一年一月一日にさかのぼって適用する。
 千九百九十一年四月十八日に東京で、ひとしく正文である日本語及びロシア語により本書二通を作成した。
 日本国政府のために
中山太郎
 ソヴィエト社会主義共和国連邦政府のために
カ・エフ・カトゥシェフ
 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百九十一年から千九百九十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定の附属書
第一表
 千九百九十一年から千九百九十五年までにソヴィエト社会主義共和国連邦から日本国に輸出される品目
 航空宇宙機器
 工作機械
 鍛圧設備
 動力設備
 電気技術設備
 熔接設備
 鉱山設備
 砕鉱・粉砕設備
 冶金設備
 石油掘さく設備
 起重・運搬設備
 食料品工業設備
 軽工業設備
 化学工業設備
 建設工業設備
 道路建設機械
 ポンプ及びコンプレッサー
 印刷工業設備
 電子工業用技術設備
 通信設備
 船舶設備
 計測器及び実験用設備
 医療設備及び器具
 装置及びフィティング
 研磨材
 トラクター
 農業機械
 輪送機械
 時計
 写真・映写装置
 設備の部分品
 各種の機械及び設備
 石炭
 石油及び石油製品
 石油コークス
 クローム鉱
 石綿
 滑石
 黒鉛
 銑鉄
 合金鉄
 くず鉄
 アルミニウム地金
 アルミニウム再生塊
 プラチナ
 パラジウム
 ロジウム
 希土類元素
 アイソトープ
 カリ塩
 粒状尿素
 人造ゴム
 石油化学製品
 プラスチック及びプラスチック生産のための資材
 その他の化学品
 丸太(パルプ用を含む。)
 工業用チップ
 製材
 セルロース
 木質繊維板
 木製家具
 原綿
 綿実
 絹屑
 毛皮
 医薬原料、半製品及び医薬品
 チベット医薬品
 さけ・ますの卵及びキャビア
 ウォトカ
 コニャック
 製造たばこ
 カーペット
 各種の布地
 縫製品
 手工芸品
 貴金属製品
 ダイヤモンド
 映画フィルム
 書籍及び定期刊行物その他の印刷物、郵便切手並びにレコード
 各種の商品
第二表
 千九百九十一年から千九百九十五年までに日本国からソヴィエト社会主義共和国連邦に輸出される品目
 千九百七十五年一月二十八日付けの基本契約に基づくサハリン大陸棚における石油及びガスの探鉱、開発及び生産のための設備、機械、資材その他の商品
 極東森林資源の開発並びに木材加工、家具及び紙パルプ工業企業の近代化のための設備、機械、予備部品及び資材
 電子技術製品製造設備及び電子工業用技術設備
 家庭用電機製品製造設備
 化学設備
 紙パルプ設備
 印刷設備
 冷凍設備
 起重・運搬設備
 繊維工業を含む軽工業設備
 食料品工業設備
 通信設備
 幹線ベルトコンベアー
 パイピング装置
 ブルドーザー、パイプ敷設機及びその部品
 船舶
 船舶用機械部分品
 工業用刃物及びのこぎり
 ポンプ及びコンプレッサー
 計測器及び実験用設備
 ベアリング
 医療機器
 電子式卓上計算機、複写機その他の事務用設備
 各種の機械及び設備
 圧延鋼材
 鋼管
 鋼索
 電線製品
 石英製品
 スフ綿
 合成繊維綿
 人絹糸及び合成繊維糸
 毛糸
 メリヤス生地その他の生地
 コード織物
 メリヤス及び縫製品
 人造皮革及び合成皮革
 各種はきもの
 その他の軽工業製品
 絶縁資材
 ケーブル用被覆プラスチック
 ワニス、塗料及びアニリン染料工業用半製品
 プラスチック及びプラスチック生産のための資材
 農業害虫駆除剤
 その他の化学品
 医薬品
 真珠
 寒天
 生鮮果実
 果実缶詰
 果汁
 製造たばこ
 映画フィルム
 書籍及び定期刊行物その他の印刷物、郵便切手並びにレコード
 各種の商品
 (ソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方との消費物資等の貿易に関する交換公文)
(日本側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日行われた日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百九十一年から千九百九十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定の署名に関連して、日本国政府に代わり、両政府が次のとおり合意することを提案する光栄を有します。
1 日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方との間の消費物資(地方特産品を含む。)等の交換を目的として、千九百九十一年一月一日から千九百九十五年十二月三十一日までの期間につきこの書簡に附属する次の品目表を採択した。
第一表 ソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方から日本国に輸出される品目
第二表 日本国からソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方に輸出される品目
2 1の第一表及び第二表は、いかなる意味においても、これらに含まれない商品の取引を制限するものと解してはならない。
3 1の第一表及び第二表に掲げられた商品の取引は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百九十一年から千九百九十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定に規定する手続と同様の手続に従って行われる。
4 この書簡に基づく取引の実施状況に関する両政府の代表者による検討は、相互の合意に基づき、前記の貿易及び支払に関する協定第九条に定める会合において行う。
 本大臣は、更に、この書簡及び前記の提案の貴国政府による同意を確認される閣下の返簡を両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十一年四月十八日に東京で
日本国外務大臣中山太郎
 ロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国
 外務大臣ア・ヴェ・コズィレフ閣下
附属
第一表 ソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方から日本国に輸出される品目
 各種の魚類(すけそうだらを含む。)
 各種の魚卵
 うに
 乾なまこ
 ジャム類
 果汁
 野ばらの実その他野生植物の実のほしたもの及びそれらの冷凍ペースト
 わらび(一時貯蔵)
 薬用植物
 みつろう
 馬肉及び馬の可食内臓
 となかいの皮
 工芸品及び土産物
 ピアノ
 丸太、製材、木製品及び工業用チップ
 滑石
 ひる石
 パーライト
 ブロック状、塊状の大理石、花こう岩及びその製品
 生ブルサイド
 石膏
 ケラムジット
 長石
 粉末石英
 カオリン
 ドロマイト
 石炭
 ピートモス
 雲母及び雲母小片
 工業用獣脂
 生きた動物(偶蹄類を除く。)及び鳥の剥製
 装飾用角及び角の部分
 シルミン・スラッグ
 みずごけ類
 リグニン
 その他の商品
附属
第二表 日本国からソヴィエト社会主義共和国連邦極東地方に輸出される品目
 沿岸貿易輸出用商品生産のための機械及び設備
 森林資源開発のための機械
 光学器具
 漁業用装具、魚網及び漁業用具
 航海用及び漁業用機器
 石材切断加工機械
 木材加工機械
 救命いかだ及び救命胴衣
 金属製倉庫
 漁夫、林業従事者、鉱山従事者等の作業服
 医療設備及び医療器具
 タイヤ及びチューブ
 工業用発泡ポリウレタン
 建設用及び装飾用資材
 合成洗剤
 鋼索
 コンベアベルト
 液体アンモニア軟膏
 印刷用インク
 建設用及び工芸用塗料及び溶媒
 各種ワニス
 銅及びアルミニウムの電線並びに電らん
 被覆用銅線
 ゴム被覆の耐油性ホース並びに高圧注入用及び潜水夫用ホース
 ポリエチレン及びポリクロールビニールクロライドのフィルム
 接着及び包装テープ
 ポリプロピレン袋
 紙及び紙製品
 建設用及び修理作業用小型機械設備
 包装用機器及び資材
 除草剤その他の農薬
 刃物製品
 船舶機関用潤滑油
 各種織物
 縫製品及びメリヤス製品
 じゅうたん製品
 小間物
 化粧品
 各種はきもの
 皮革製品
 金属製、陶磁器製及びガラス製食器
 果実缶詰
 生鮮果実(りんご、かんきつ類、なし等)
 野菜
 果汁
 野菜ジュース
 薬味及び調味料(グルタミン酸ソーダを含む。)
 製造たばこ
 その他の商品
(ソ連側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
 本大臣は、閣下の書簡に述べられた提案に、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府に代わって同意し、更に、閣下の書簡及びこの返簡を両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意し、かつ、閣下の書簡の1に述べられている品目表第一表及び第二表のロシア語文を閣下に送付する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十一年四月十八日に東京で
 ロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国
外務大臣 ア・ヴェ・コズィレフ
 日本国外務大臣 中山太郎閣下
附属品目表
 日本側書簡に附属する品目表に同じ。(省略)